
3月に北海道に行ったのだが、そのとき食べた「山ワサビ」があまりにも美味しくて、いまだ忘れられない。
山ワサビはステーキに添えるホースラディッシュと同じもの。それが日本に渡り、北海道で自生したという。
見た目は色の薄いゴボウに見える。
それでいて、擦り下ろそうとすると、ものすごく固い。
山ワサビを食べさせてくれた寿司店の大将が
「おろし金は定期的に“目立て”してもらってます」
と言っていた。
目立てとは、おろし金のトゲトゲを研いで鋭くしてもらうことだ。
それだけ山ワサビは固いのであります。
その寿司店で、僕は山ワサビを
「ウマいウマい。こんなにウマいのは食べたことがない」
と騒いでいたら、30センチほどもある一本を分けてくれた。
「湿った新聞に包んで、さらにラップで包めば相当保ちます」
本当にその通りで、何と3カ月が経った今でも、我が家の冷蔵庫で元気に生きているのだ。
山ワサビはとても辛いので、少量擦るだけで充分だ。
だから、30センチの根塊が、今でも10センチ程度残って、生きている。
地方に行くと、こういう食材を知ることが出来る。それが嬉しいのであります。