
やって来ました、千葉は太東。
ここは九十九里浜の南端で、波が荒くて有名なところ。
サーフィンの世界大会も行われるらしいです。
防波堤に波が打ちつけるさまは、なかなかの見物。

そしてこちらは、太東崎灯台からちょいと内陸に入ったとこにある『飯縄寺』(いづなでら)。
開山は808年と、大変古い天台宗のお寺なのだ。
どうしてこのお寺が出てくるかというと...。

この龍が波に乗っているんであります。
この彫刻は俗に“波の伊八”と呼ばれる、武志伊八郎信由の手によるもの。
現在の鴨川市の出身だったそうな。
この波のうねるさま、実に見事だが、
「どこかで見たことがあるなァ」
という読者諸賢もいらっしゃるはず。
それもそのはず。
葛飾北斎がこの彫刻にインスパイアされ、あの富嶽三十六景を描いたといわれてるのだ。

この躍動感と、細部から受ける静謐さ。
しかしお堂の外は蝉時雨が降りしきる。夏の旅もいいですなァ。

お堂の入り口にはこのやうな天狗がいらっしゃる。
やれ恐ろし。
山門の茅葺き屋根には、天狗の持つ団扇を模した意匠も見られるのだ。
波乗りが趣味の方々、ここにお参りするというのはどうだろう。
天狗様のパワーをもらえれば、大会優勝は間違いないでしょう。