
京都市街地は建築好きにもいいところ
この西洋風の装飾が施された建築はどこか?
京都の旅、最終日。
ホテルをチェックアウトし、スーツケースなど大きな荷物を、あらためてホテルに預ける。
これから向かうのは錦市場であるが、まずは冒頭のクイズの答えであります。
この建築は四条通沿い、鴨川に架かる四条大橋たもとのレストラン『東華菜館』なのだ。怪魚や山羊が睨みつけるファサードが、すごい。
こんな建築もある京都って、本当に奥深いところなのだなァ。

さあ、いよいよ錦市場へ向かう。市場は先斗町あたりから西に伸びる、錦小路の中にある。
実は今、さりげなく「先斗町あたりから」と書いたのだけど、書いてる本人はすごくいい気分である。
なぜって、先斗町(ぽんとちょう)という響きがいいし、それをさりげなく口に出来る自分が、諸事に精通した大人の男みたいでカッコいい。
こういうのは実際に行かないと、自信を持って言えないもんね。
ま、そういうオジサンの自意識はいいとして。
先斗町から錦小路を入っていくと、すぐさま異次元空間が広がった。

しょっぱなから漬け物の洗礼
まだ先があるというのに、たまらん匂いだ

刃物の名店、有次もあった
すごく情緒があるけど、ここもアーケード内であります

「旦那さん食べていきな」と声が掛かった
揚げたてのハモの天ぷらがはふはふ美味い

こんな愛らしい干菓子のお店も
あらゆる専門店があるのが、古都の楽しみだ

小路の西端にある焼き牡蠣を食べさせる店
にしかはさん曰く「錦市場のオイスター・バー」
とにかく、すごい賑わいだ!

京都では、小腹が空いたときに軽く食べることを
「虫養い」
と言うらしい。これは京都在住のにしかはさんに教わった言葉。
腹の虫を養うなんて、ずいぶん表現が優しいではないか。
我々も錦市場で虫養いをして(つまみ食い)、四条通りを東に向かった。
鴨川を渡ると、通りの先には八坂神社のこんもりとした森が見えてくる。

うっかり見逃しそうなところに、原了郭があった
オリジナルスパイスの黒七味を買い求める

そして、国宝『三十三間堂』へ到着。
言わずと知れた1001体の『十一面千手千眼観世音』が、約120メートルの本堂に並ぶ。
「うわっ、ありえねー!」
「すげーすげー!」
「なんすかこれ、なんすかこれ」
若者も大勢、拝観に来ていた。
表現がとぼしいが、ま、神社仏閣を見に来ただけ、いいとするか。

世相を反映しているのなら、ちょいと寂しいことではある。
寂しいことではあるが、ここの観世音様は壮観だ。歩いても歩いても観世音様がいる。中央にはひときわ大きな中尊様もいらっしゃる。
そして、お堂の西側ではその昔、通し矢を行ったという。夕刻から翌日の夕刻まで、丸一昼夜で的に何本当てるかを競ったらしいけど、その距離がつまり120メートルなのであります!
的にされた切り株のようなものが残っていて、それは矢が刺さったためにぐずぐずになっていた。
「昔の人ってすごいねー」
「本当だねー、すごいねー」
我々も驚きのあまり表現が幼稚化してしまった。「すげーすげー」と言いつつ、バスに乗る。
これから最後の目的地、清水寺へ向かうのでありまする。
※仏像画像は三十三間堂のパンフレットより