春の雨が上がって、町の灯が潤んで見える。
この集落から嫁いでいった幼馴染から電話があり、お彼岸の墓参りに行った実家の墓石が傷んでいるので、業者に修理を依頼してもらえないかということであった。
そのご実家は、ここ数年不幸が相次ぎ、家系が途絶え、彼女が唯一の血縁者である。
知り合いの石材店に連絡して、破損状況を調べてもらった。
その結果、主墓石を支える、幅30センチ、厚さ15センチ、長さ160センチの石材3本の内1本が真ん中から折れて、主墓石の下の納骨空間に落ち込んでいた。
主墓石を解体し、新しい石材に取り換えて、再度組み上げるという大掛かりな工事になるようだ。
見積書をもらって連絡するつもりだ。 老朽化したインフラや公共施設のことを思った。
あずまいちげ
ダンコウバイ