畑で畝づくりをしているときのこと。隣の畑は、82歳のご主人とその奥さんが八朔とみかんを作っており、朝からチョキチョキと剪定の音が聞こえていた。
その畑から、突然、声が・・・ 「何、植えるの?」と。声のする方をみれば、果樹の間から奥さんの顔が・・・。一瞬、ビックリ。みかんの剪定は男性がしているものとばかり思っていたら、何と奥さんだった。みかんの剪定は難しいし、剪定バサミを丸1日も使うと握力がなくなるほど大変なはずなのに。みかん農家でも殆ど男性がする仕事なのに。田舎のおばあちゃんって、すごい!
おばあちゃん達からみれば、子どもみたいな自分、シンドイなんて言ってると笑われそう。がんばらなくっちゃ! でも、自分が80歳ぐらいになった時、おばあちゃん達みたいに元気に畑仕事ができるとは思えない。
畑越しに、その元気なおばあちゃんの言葉。
「去年、貰った梨の枝、接いだら芽が出てきたよ」と、お礼を言ってくれた。
「畑、草もなくきれいにしてるの」と、褒めてくれた。
「この間の日曜日、息子に来てもらって、八朔の高いところを剪定して貰った。もっと、切ってくれたらよかったのに」と、やや不満そう。
「柿も梨も梅も、上手に剪定してるの」と、お褒めの言葉。
『いやいや、農家だと実をならすように剪定するけど、遊びみたいなもんやから、収穫や管理を楽しようと思って手が届くように切っただけよ』と、返事。
こうした何気ない会話でも、頑張ってるおばあちゃん達と話するだけで元気がもらえる。また、家庭園芸であっても、作っている作目は違っても、農家の人達は同じレベルで我が畑をみてくれている。プレッシャーだが頑張らなくちゃという気にさせてくれる。