今日のテーマは、「心酔」です。
物事にふけって、心を奪われること。
その人の人柄や業績に心から感服し傾倒すること。
と広辞苑に出ていました。
良い意味だけかと思いきや、そうでもないのですね。
昨日は、会津の紅葉を見に行こうと朝早く出かけました。
喜多方までたどり着いたのが、8時過ぎ。
喜多方ラーメンを食べるにはまだ早い時間でした。
山形県に行ったことがない妻の要望を聞いて、米沢まで行くかとなりました。
着いたのは9時。上杉と伊達について、展示会をやっていたので見に入りました。
丁寧に見て勉強して、出て来たらまだ10時半。
またまた妻の希望で、藤沢周平館まで行こうとなりました。
さらに120Km走らなければなりませんでした。
迷いましたが、行くことにしました。
ここでやっと、「心酔」に入ります。
藤沢周平を読み始めたのは、約10年前。
時代小説が多いと思っていましたので、興味が向きませんでした。
いつ止めても良いと、藤沢周平の書いた薄い単行本を買いました。
これが面白かった。
次から次に読みました。
一社の文庫本を読み切り、次の社が出す文庫本も読み切り、3社目となった頃には
読んだ単行本が30冊を超えていました。
読んでいるうちに、友人にあげたりどこかにやったりしました。
とうとう、買う単行本が無くなった頃、2回目を読み始めました。
無いものは、新刊本ではなく古本で良いと探しました。
意外と売られていない、しかも高かった。
そんな訳で、無理をして鶴岡まで行くことにしました。
いつか行きたいと思っていました。
鶴岡の藤沢周平館に入ったのが2時半。出て来たのが4時でした。
10年来の願いが叶いました。
なぜ、そんなに藤沢周平にはまったのか。
この方の人の見方と表現の仕方だけでなく、情景を思い浮かばせてくれる研究心に
心酔したとも言えます。
唯一の現代小説(早春)も良かった。
決して許してくれない厳しい面もありますが、
それゆえの温かさが現代人の生きざまに通じるものでした。
この頃は、本を読むことも少なくなりました。
もう一度読めると良いのですが。
今度は、単行本ではなく大きな活字の本になるでしょう。
もらい物 いつしか日暮れ 聞く勤め
2016年10月16日