今日のテーマは「産業廃棄物」です。
大企業で推進しているゼロエミッション活動は、
企業の宣伝にも使われているような気もします。
この地で、産業廃棄物を処理したものがどれだけ受け入れられるのか。
疑問も残ります。残留放射能の問題があるからです。
始めるまえから、疑問ばかりの構想となることを許していただいて進めます。
かつて、二つの検証をしたことがあります。
一つは、農業副産物と大量に出る、籾殻の処理でした。
もう一つは、都会のスーパーマーケットから出る各種ゴミの再生でした。
産業副産物を他の産業で有効活用をする。
産業副産物を有価で引き取ることによって、
排出する側は産業廃棄物で出す費用が削減するだけでなく、有価分だけ利益となります。
引き取り側は、有価分プラス処理費に利益を乗せて売れる価格で製品を売ることになります。
籾殻を処理(粉砕アルファー化)することによって、工業原料にする取組でした。
工業原料は、プラスチックに含まれる増量剤(木粉、炭カル、石綿)の代替品としての利用でした。
自動車のドア内張材、漆器、建材、家具分野への展開であり、家畜飼料の増量剤、動物用薬品の
希釈剤、殺虫剤、肥料などの吸着剤。食品用として、調味料やダイエット食品などの素材原料
でした。実際に大手の自動車メーカー、薬品メーカーや食品メーカーが利用を検討しました。
この仕事に2年間携わりました。
私の仕事は、籾殻を粉砕する工程の一番大事な圧縮潰擂の工程でした。
毎日、籾殻に含まれる(10-13%)ケイ素との闘いでした。
なんとか製品化し、卒業しました。
産業副産物の処理を考える時、大事なことは、全量製品化することです。
一部をまた産業廃棄物にしないことです。
副産物が発生する場所と二次製品(処理品)を使う場所が近いことです。
産業副産物は、かさ密度が高く輸送コストがかかるからです。
スーパーマーケットで出る生ごみをコンポストにする場合、おがくずが必要でした。
おがくずの替わりに、ダーボールを粉砕したものを検討しました。
スーパーの生ごみを処理する上で、問題になったのは塩分濃度でした。
肥料にした場合、塩害(塩分濃度1%以上)になるからです。
アイスプラント(塩水をやり、結晶化させアイスに見せる)を知っていれば、
別の展開になったかもしれません。
この地には、産業廃棄物(工場から)と産業副産物(農業の圃場から)の発生地が
割と隣接しています。工業化原料にしろ、農業原料(肥料、飼料)としても
販売先(利用地)がほど近いところにあります。
情報産業の基地としても優位な環境(地盤、自家発電)を持っています。
これも地域おこしとして、取り組まなければと考えています。
毎日、草刈りをしているのが現状です。
地域の行事に参加し、畑を作り、総務省が開催するセミナーに出かけています。
この地の子どもたちの未来を考え、国際交流(チュニジア)も企画しています。
本来の仕事が先送りになるようなジレンマも感じます。
しかし、この地に来たからには、なんとか産業を作り、
人を呼べる地にしなければなりません。
この地で生活をしながらのことになります。
それが大変であり、そこが良いことのようにも思います。
産業廃棄物は宝の山のように言われます。
実際そうですが、アプローチとプロセスは手間いらず、手頃な投資が優先されます。
地域おこしの経費ではとうてい賄えません。
しかし、この地には宝が眠っています。
捨てる神 拾う神あり 神頼み
2016年10月5日
2014年投稿記事「世紀の開発」を参照ください。
籾殻粉砕について研究したときのことです。