Sexual Surrogates の存在を知っていますか?
sexual surrogates are hired by individuals experiencing sexual dysfunction to provide direct sexual activity with the goal of improving the quality of the client's future sexual experience
実際こうして公に存在しているとは知りませんでした。
なんとあのドラマ「 Masters of Sex 」のドクターのアイディアなのですね。ドラマは途中までしか見ていないので障害のある方へのケアのエピソードは知らなかったのですが、あの途中で不倫し始めた女性アシスタントと二人(Masters and Johnson)の提唱したものらしいです。
この映画では、子供の頃にポリオになり首から下が麻痺した男性マーク(ジョン・ホークス)が、自分に死期が迫っていることを感じて、死ぬ前になんとか性体験をしてみたいと考えます。そういうやましい考えをしてしまう自分を懺悔しに教会へ行き、神父に心の内を吐き出します。
マークの相談相手の牧師にウィリアム・メイシー。長めの髪型で見た目ちょっとヒッピーっぽいのに大真面目な牧師という役どころ、すっごいカッコいい!!
敬虔なるカソリックの自分がサロゲートを利用し性体験をすることは許されることなのか。
「え?その相談、よりによって牧師の俺にする??」と驚きながら戸惑いながら助言していく彼、魅力的です。
牧師からの unofficial な後押しもあって、迷いながら恐れながら同時に興奮しながら、決断に踏み切ります。
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マークは自分で呼吸ができないため、人口の肺とポンプで呼吸をしています。そのため家の中では巨大な医療機械に首から下を入れた状態で寝ているのですが、一日3時間だけ機械なしで簡易の呼吸器を持って外出することができます。行き帰りの時間も必要なのでセッションは一日二時間、体に無理のないように週一回。
セッション用の場所に現れたサロゲートの女性になんとヘレン・ハント。思いっきりのよい脱ぎっぷりで驚きました。
ただの性サービスとの違いは、サロゲートたちはセックスセラピストの元でしっかりセオリーを学び、トレーニングを積み、自らもメンターとしてクライアントとの会話を大切にし、行為以外の面で「サポート役」をするということです。relaxation techniques, intimate communication, teaching social skills and some sexual touching という感じで、あくまでも therapeutic exercises の提供を目的としているのだそう。
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恥ずかしさの裏返しの苛立ちやプライドが保てないことからの苛立ちなどをついついサロゲートのシェリルにぶつけていくマーク。それに対しても毅然と向き合うシェリル。なかなかリアリティがあります。
そしてセッションを重ねていく度に心の距離を縮めていく二人は最後....
ストーリーはこんな感じです。
とても素敵な作品でした。ところどころをコメディ風にしているところにホッとします。
そして登場人物全員が思いやりのあるいい人なところも心地よいです。
最後のクレジットを見て初めて知ったのですが、実話だそうです。
マークは詩人でありジャーナリスト。彼がこの体験を綴った新聞の記事がこの作品の原作だそうです。
そしてシェリルも牧師もみな実在の人物。どおりでリアリティがあるはずです。
映画は俳優全員がいい感じで、言葉少ないマークの介護士役の若い女の子(写真の子とは別)まで魅力のある演技をしていて素晴らしかったです。
4 out of 5
この sexual surrogates に関しては多くの倫理的な問題があること、医学的にも問題が挙がっていることからほとんどの所では違法になっています。