hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

The Bling Ring

2015年04月30日 | 映画
アメリカの富裕層のティーン達が夜な夜なセレブ達の自宅へ侵入し窃盗を繰り返した実話に基づいた映画。
皆さんはこの事件のこと知っていましたか?
私は全然知らずに、別の方のブログで知り興味を持ったのですがなんとも狐につままれたような話です。
以下私がその時残したコメント。

この事件のこともこの映画の事も知りませんでした!
こちらの記事を読んで興味が湧き、色々調べてみましたが、驚愕するばかり。まかり通っていたのも不思議だし、窃盗もショッピングも同じ感覚な彼らの神経も不可解だし、それを笑顔で自慢気に話しているのもわけがわからないけれど、彼らの思うツボにチヤホヤしているマスコミも理解できない!



子供達はネットでセレブ達の動向を調べ、留守宅に忍び込んで高級品の数々を盗み出すのです。
今日はパリスヒルトンはニューヨークでレセプションに出席だから、とか、オーランドブルームはイギリスで撮影中だから、とか。
驚くことにあんな豪邸で高級品だらけなのにセキュリティが穴だらけ。必ずどこか鍵が開いていたり、わかりやすいところ、ドアマットの下や鉢植えの中などに鍵が置いてあったり。だから一度もドアをこじ開けるとかガラスを割るとかはしないんですよ。不思議でしょう?
しかもこの子達盗んできたものを身につけてSNSに自慢気に投稿しているどころか、「このルブタンはパリスのとこからパクってきたの。ちなみに今日の下着はミランダ・カーのよ、ウフフ」と遊びに行った先のクラブなんかで公言してるの。
でもなかなか捕まることなく、パリスの豪邸では彼女のパーティルームで何度も遊んでいたり。ちなみに実際のヒルトン宅で映画の撮影させてもらったとか。

それで映画の方はただの再現ビデオ的なもの。登場人物がなんせなんにも考えていない軽いノリでお店の代わりに金持ちの個人宅でお金を払わないショッピングを楽しんでいるだけのお話なんでね、ドラマティックにしようもないです。逆にしていなくて良かったですね。それぞれ裕福ではあるけれど家庭に問題はあるみたいだけど、そこをクローズアップして同情を買うような感じに作られても嫌じゃないですか。
出演者がとにかくみんな可愛くてスタイル良くていいし、男の子もモッサいけど役にあっているし、なにより出てくる洋服、靴、バッグ、宝石、インテリアがスゴイ!目に楽しい作品でした。

3 out of 5 内容だけなら 2

うちの娘もインスタグラムのヘビーユーザーですが、自分の写真を上げることは許可していません。始めたばかりの頃、しない約束で利用を許可したのに実際はやっていることが兄のチクリで判明し、全部即刻削除させました。オシャレが大好きな子だし、もう少ししたら許可してあげてもいいかなーとは思うんですけど、、、、、
最初はお友達もお化粧してアヒル口でポーズを撮っている写真をアップしているくらいだったのですが、ちょっと前に見た感じ(娘が見ているのを横から盗み見)、露出の多い服装でベッドに横たわり潤んだ瞳でカメラを見つめているショットを何人もの子が投稿をしているのを見てゾッとしました。11歳ですよー!
この作品の元となった事件も「リア充な自分」をアピールしたい欲求や、SNSの普及に伴いセレブとの距離が縮まった感覚が引き起こしたものだと思うのですが、さてさて、世の中みんなが自己アピール達者になると社会はどのように変わって行くのでしょうか。
なんて大きくまとめましたが、そんな事より自分とこの子達がどこまで親の目を盗んで何をやらかすかの方を心配しないとね…
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I Give it a Year

2015年04月26日 | 映画
ロマンチックコメディ。
なんかもう、ウケたい、ウケたい、ウケたい、って感じの作品。しかもセリフで笑わそうとするので、ちょっと外国人には難しい、わかる人が限定されてしまうノリ。
ただ、主人公の二人の演技が両方とも好きなので観続けることができました。
ローズ・バインとレイフ・スポール。この二人。

互いに一目惚れして盛り上がって結婚した二人ですが、周りの反応は冷ややか。
一年持てばいいんじゃない?

そうして周りの予想通りに九ヶ月後にはギクシャクどころか険悪に。
それでもなんとかうまくやって行こうとする二人を応援したい気持ちで見続けていると、、、、、

なんかちょっとひと味違った展開というかしょうもない結末に、ここまでヘンテコにするのはそれはそれで面白いですね、という感想。
とにかく主人公男がどうにもこうにも weirdo で、いやいや無理でしょ、こいつ!という感じなのですが、その友人がそれ以上にサイアクな奴で、それが我らが?

ハマりすぎだっつーの、、、、、、

3 out of 5 キャストが違ったら 1.5

最近私の周りで実に20年以上ともに過ごした夫やパートナーと別れた人が続出でありました。
それも ハタチ前後からずっと一緒にいたカップルばかり。
そんな中でのこの映画。20年より2年の方がいいかもね、、、、、でも決断するのって難しい、、、、とかなんとか、、、、
たいした映画じゃなくても見るタイミングによってはそれなりに考えどころもあったりしますね。
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Burlesque

2015年04月20日 | 映画

懐かしのクリスティーナ・アギレラとCher が共演したミュージカル。
ミュージカル?
ウィキにそう書いてあるけど、そうなのかなー。ストーリーの展開は普通のドラマで進み、役者たちも普通に話をするけど、歌や踊りのシーンがいっぱいある、っていうのはミュージカルになるのか?

まぁ、思っていたより楽しめました。
歌もダンスも本格的で、ダンサーの女の子たちみんなスタイル良くて顔も可愛い。雰囲気もチャーミング。
クリスティーナも初の映画出演だったけど、すごく良かった。
お店やクリスティーナが居候するアパートの部屋のインテリアとか、メイクとか衣装が奇を衒っていなくて落ち着いてみていられる感じが素敵でしたね。
ストーリー自体はなんてことないです。 3out of 5

今日の日記;

ミュージカルといえば、この間子供達の学校の「レ・ミゼラブル」を観てきましたけど、子供の能力ってすごいんですよね。演者たちの歌唱力も素晴らしいけど、それ以上に物怖じしない態度が立派。感動して涙ぐんじゃいました。あ、うちの子達全然出ていませんけど。
ところで、映画の時も思ったのですが、皆さんにとってのジャンバルジャンとジャベールのイメージって、体型逆じゃありません?
ジャンバルジャンは怪力の持ち主なのだから、ゴツい人なんですよね、私の中では。
というか、これなんですよ。

で、ジャベール警部がこれ。

子供の頃みたまんが世界昔ばなしのイメージが定着してしまっています。


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The Roast of Justin Bieber

2015年04月13日 | テレビ
かわいそう、、、、

ビーバーBoyを見かける時に思うことはホントこれだけ。
嫌われてることや嫌がらせを受けやすいこともそうだけど、なんだか生き方に迷ったままな感じが痛々しい。
この上、この番組でメッタメッタにやられちまうんだなぁ、、、、という切ない気持ちと、ビーバーもこれを受け入れる器が出てきたのか、やるじゃん!という気持ちが複雑に絡み合った状態で息子と鑑賞。
って大袈裟か。

いやいや、思いのほかソフトでした。
やっぱ、大の大人は、しかもそれなりのポジションを確保している連中は傷ついた子供をさらに陥れるような事はしないのね。リスペクト。
ジャスティンの代わりにボロクソに言われていたのは、司会者の Kevin Hart とludacris。Ludacris、私も常日頃この人の立ち位置って、、、、と思っていたので、あまりのナメられ方には驚いたけれど、どこにいるかががわかってスッキリした笑

一番辛辣で客席も凍ったシーンがしばしばあったのが、Natasha Leggero。うちの息子も「この人の酷いなー」と息を呑んだり、こっちをちらっと見たり。
一番好きだったのは、Snoop Dogg。なんていうか、四六時中ラリったおっさん、でもみんなに尊敬され恐れられている、というイメージだった。きっとかげでやたら陰険かはむかおうものなら抹殺されるような権力者なのか。ところが、ガンガンいじられまくっても常に笑顔、どんと構えていてカッコイイし、スピーチもユーモアと優しさに溢れている感じ。あー、慕われる筈だなーと納得の人柄。

とにかく全員口が悪く、とことん笑わしてくれました。そして最後はお約束のジャスティンのスピーチ。
この子って、いつも一歩引いてるというか、反応が薄い感じがするのですが、なかなか気の利いたスピーチをして安心しました。最後に「まさか!」というサプライズもあって、私も息子もすっかり騙されたものです。
何はともあれ、大人たちが大人な対応で、傷ついた子供を支えて行こうとしているアメリカの音楽界のぬくもりを感じました。

ちなみに最初の写真は羽をつけて上からカッコ良く登場するかと思いきや、途中でどさっと落とされたシーン。出だしからこの扱い。ちっともソフトじゃなかったかもね、、、、
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Bloodchild

2015年04月08日 | 洋書
評判がよく人気のある作家の本がKindleで無料だった、という理由だけで買った短編小説でしたが、サッパリしているところが好みの作品でした。
SFは読み慣れていないのに加えて、特に長々とした背景に関する説明もないので、なかなかシチュエーションを把握するのに時間がかかりましたが、後半にはスーッと入ってきました。
セッティングは人間と人間以外の生物が共に暮らし、種の保存法も協力している話、とだけ書いておきましょうか。

作者は後書きで、奴隷制度について書いているという評論が多くて心外だと言っています。その他書評を読むところ、色々な解釈がされている作品のようです。
そうなんですよね、私は深読みをしたがる人が多くて、作家の手を離れていく作品が世の中に溢れていると思うんです。
そこを作家が静観していられるか、この作家のようにそうではないと言いたくなるかの違いはありますが、私はやっぱりあまりにも自分の意図するところと違う解釈をされたら辛いだろうなーと思います。感じ取り方は自由だけど、こうだ!と主張しすぎないでくれよ、と。
私の読み取りは、異なる者同士が共存し歩み寄ることと、そこから生まれる愛情と連帯感、ネガティブな面では運命に従うしかない切なさ、なんかがテーマであって、わざわざ political にもっていくこともないんじゃないかと。ましてや、黒人女性作家ということで奴隷問題に結びつけている時点で、それこそが差別なのではないでしょうかね?

9 out of 10
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