hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

The picture of Dorian Gray

2025年02月28日 | 洋書
 オスカー・ワイルドの作品。
 私は映画「ワイルド」が大好きで何度も観ているので、オスカー・ワイルドの事は詳しく知ってはいたのですが、彼の作品は児童文学しか読んでいなかったようです。
 私の初のワイルド作品はイギリスの童話集にあった「幸せの王子」(私の絵本ではこのタイトルだったはず)。大好きでした。
 それから少し大きくなってから読んだ「ナイチンゲール」鳥の話ですね、こちらも大好き。大人になってから「わがままな巨人」、どっちの言語で読んだか記憶にないけど多分英語かな?これも好き。
 そして「ドリアン・グレイの肖像」。
 期待以上に面白かったです。
 内容も非常に興味深く、登場人物もそれぞれのキャラクターがユニークで、彼らの主張の激しい語りも色々含みがあって面白い。ドラマチックでテンポ良く話も進むので、先が気になりあっという間に読了しました。
 色々思うところがあって、人と語り合いたくなる作品なので、授業でアナライズしたりブッククラブに向いているような気がします。

 10 out of 10

 他にもワイルドの作品を読んでみたいけれど、いくつか観た映画作品はあまり印象に残らなかったので、どうしたもんかなー。「ドリアングレイ」も主人公ベン・バーンズは役にピッタリだけど、あとのキャストは原作とイメージ違いすぎる。
 ちなみに「ワイルド」はスティーブン・フライの当たり役で、恋人役は若く妖しい色気を放っているジュード・ロウです。plus 私の大好きなマイケル・シーンも出ています。公開当時大絶賛して友達にお勧めしたら映画館に観に行ってくれたみたいで、「衝撃すぎた」という反応でした。過激すぎて大画面で見るには刺激が強かったようです。パソコンでこっそり観るのがお勧めなのかもしれません。

※本のレビューのはずがだいぶ脱線しますが、今調べたらマイケル・シーンがやったロバート・ロスの実際の写真を見たらマシュー・グッドにしか見えなくてビックリします。興味のある方はぜひwikiを見てみて下さい。
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Lessons in Chemistry

2025年02月23日 | 洋書
 発売当時から読みたかった人気作品。
 Kindleもなかなか安くならずようやく図書館で借りることができました。
 評判通り面白くてページターナーでした。
 テーマもしっかりしているし登場人物のキャラもブレることなく安定している良い作品。

 8 out of 10

 娯楽作品として成功しているけど、こんなにも嫌な事を言ったりやったりする嫌な奴が大勢登場するのもどうかとは思いました。ちょっとやりすぎかな?と私的には思うけれど、そういった批判は特になく、デビュー作がここまで話題になったのだから大したものです。
 英語も簡単だし、連ドラ見てるような感覚で楽しく読める作品です。
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Study for Obedience

2025年02月18日 | 洋書
 表紙買いだったのですが、相変わらずブッカーノミネート作品には苦労させられます。
 もうなんのことやらさっぱりで、色々な意味で恐怖だけは伝わってくる作品でした。
 語り手の言いたいことも気持ちもわからないでもないし、共感できるところもいくつもあるにも関わらず、一体何なのこの作品?!って感じです。
 オーディオブックは作家本人の朗読で、そうじゃないと真意は伝わらないでしょうね、正しい選択でしょう、とは思うのですが、ホント何を読まされているんだろうの連続。
 一応最後までは読んで、わけはわからないけどもう一度読むのはしんどすぎるのでレビューをいくつか読んだけれど、そちらもさっぱりわからない。
 シロウト受けする作品ではないとみた!
 本を読んで分析したり評論を書く事を生業としている人達の間だけで評価されてる作品ではないのかなぁ、、、、
 
 評価なし。


 以前に記録したかどうか忘れてしまったけれど、同様わけがわからなすぎて早々に投げ出した作品「The Water Cure」と同じような雰囲気を漂わせた作品。最近は玄人の間ではこういうのが流行りなのかもな〜

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大都会の映画館がほぼ貸し切りなのには理由がある

2025年02月14日 | 洋書
 A Better Man というロビー・ウイリアムの映画を観ました。
 全くファンではありませんが、私が移住した頃の大スターだったし、主人公が何故か猿というのが面白いと思ったんですが、、、、

 今世紀最大の駄作なのでは?

という感想であります。
「そもそも何故観たいと思ったのか?」と周りの人間全員に言われました。
 誰から観ても明らかに面白くなさそうなのだそうです(笑)

 ストーリーはほんっとに面白くないのですが、特撮の技術は悪くなかったので、

 2 out of 10

 座り心地の良いソファーシートとサイドテーブルのある映画館で、封切り直後なのに貸切状態で観てきました。
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Before the coffee gets cold

2025年02月07日 | 洋書
 「コーヒーが冷めないうちに」の英語版。
 こちらでも数年前に大人気で、たくさんの本好きもそうでもない人も読んだ作品なのですが、、、、
 これは好きじゃないですね。
 感動を狙って書かれているだけで、設定もエピソードも何にも新しくないし、とにかく内容がうっすいし浅い。

 5 out of 10


 先日ふらっと入った書店は大々的に「変な絵」を宣伝していました。
 「変な家」とセットでいつか読んでみようかとは思っています。
 そういえばすっかり忘れていたけれど、これから英語版が出版されると話題になっている別の日本の本も日本語で読んだので次に記録します。
 最近は韓国や日本の本が大人気です。
 
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A Man

2025年01月28日 | 洋書
 平野啓一郎の「ある男」を英語訳で読みました。
 何かの作品がドラマになっていて、この作家が好みの様な気がすると思って購入したのですが、自分の勘は間違いないと確信しました。
 すっごい良かったです。
 映画化もされて話題にもなっていた様ですが、この原作の良さって映像で表現し切れるかな?とちょっと不安に思うくらい細かいところまで響いてきました。
 ま、読んだタイミング的なものもあるのでしょうけど。

 10 out of 10

 オーディオブックも良かったです。日本人の方の朗読で、英語になんの問題もなく非常に聞き取りやすいのに、でも確実に日本人だとわかる発音なんですよ、どういった経歴なんでしょうね、なんか不思議体験でした。


 またしても投げ出した本もありました。
 これまたずっと読みたくて仕方なかった One hundred years of Solitude です。
 図書館の若い女の子が「Netflixでもやってるから、併せて見てみたら?」なんてアドバイスもくれて張り切っていたのですが、登場人物の名前が繰り返された時点で挫折、、、、フルネームでずっと通される作品が苦手なのか?
 なんだかんだで日本の作家の作品が好きなのでは?と思い始めました、、、、、
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The Vegetarian

2025年01月18日 | 洋書
 全体を通してとても繊細な描写が秀逸な作品。
 3つの短編の中で別の人物の視点から1人の女性が描かれているのだけれど、それぞれが違った質感を持っているというか、、、別の媒体から吸収している様な、、、
 一作目は乾いた紙の鉛筆画が何枚も続く感じで、2作目はそれにちょっとだけ色が入って動き出して湿り気を帯はじめて、3作目は肉がつき始めて3Dだけれど色合いが昭和のドラマの様な感じ。主人公女性は食べることを拒否して痩せ細っていくのに、肉付き出したという表現があまりにも相反しているけれど、そんな印象の作品。
 ただ、テーマもメッセージもしっかりしていて良作なのは充分わかるのだけど、好きではなく個人的な理由で「読みたくなかった」作品でした。

 7 out of 10
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ロシア文学は英語で読まなくて良いのでは?

2025年01月15日 | 洋書
 年明け早々自身のブログに全くアクセスできずにいました。今日ようやくできました。
 みんなができないのかと思いきや、アクセスできる方もいたようで、この2週間訪問者数も閲覧数もなんなら通常より多いくらいだったようです。
 そしてその間、2冊の本を投げ出しました。

 一つは、以前からずっと読みたいと思っていた The Master and Margarita です。黄色と赤の表紙に黒猫という表紙に一目惚れしていたのですが、もう、何が何だかチンプンカンプン。登場人物の名前が一向に覚えられないので、簡単に見える会話文すら頭に入ってこないのであります。
 そして最悪なのが、せっかく買ったオーディオブックとようやく手に入れた本の英訳が微妙に違っていて、これが思いの外併せ読むのが難しい。こんなことってある?ebook を探してダウンロードしてもオーディオの方とマッチしない。
 そこでふと「そもそもロシア文学を英語で読む必要ってある?別に日本語で読めばよくない?」という考えに至ったわけです。
 いずれ日本語で再チャレンジするつもりです。

 もう一冊はずいぶん昔にすごく読みたくて中古で取り寄せた Gone, Baby, Gone です。映画化されたクライムサスペンスですね。
 ようやく音源を見つけて半分まで読んだのですが、どうしても興味がわかず、事件の真相もわからなくてもいいや、と投げ出しました。


 そういえば去年も半分以上読んで投げ出した本がありました。
 桐野夏生のOUTのインド🇮🇳バージョンの様な話。
 悪くはないけど、なんか途中でどうでもよくなっちゃいました。


 昨年は良い作品に恵まれた年だったので、今年は更に外さず、本当に読みたいものと本棚とKindleの整理に勤しもうと思っていますが、作品との相性が悪かったり、ブログにアクセスできないなど出鼻をくじかれた2025年のスタートです。

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2025年に読む予定の作品リスト

2025年01月02日 | 洋書
    
               

 
 
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Bewilderment

2024年12月31日 | 洋書
 とても良いレビューを読んで興味を持った本なのですが、タイトルの意味もわからず、その後本の紹介文やあらすじなどを読んで完全に勘違いして手にしてしまった作品。
 こんな骨太な作品で、苦しく辛い読書時間を過ごすことになるとは……
 あの広告というか紹介文ダメじゃないかなー、なんか本来のテーマや作者のメッセージとかけ離れてるような気がする。
 というわけで、私もここでこんな話です、って中途半端には書けないくらいの深い深い(これ便利な言葉)内容でして、読むために相当な覚悟を必要とします。

 7 out of 10 

 作品の良し悪しではなく、太刀打ちできないくらい難解だったという意味でこの評価。
 良い作品には間違いないし、多くの人に読んでほしいとは思うので、日本語訳での読書もおすすめ。
 ただし繰り返しにはなりますが、心の準備と覚悟を決めてじっくり読む時間を確保する必要あり。
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Yellow Wallpaper

2024年12月22日 | 洋書
 産後鬱になった女性の日記として書かれたホラー。
 日記を書いている女性のワードセンスが魅力的。

 7 out of 10

 設定が産後鬱への理解度が薄い時代であり、女性が抑圧された時代であるため、ショートストーリーでありながらフェミニズムなどについて多く語られた有名作品です。
 英語と日本語の両方を読みました。
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Color Purple

2024年12月13日 | 洋書
 これまでにたくさんの黒人差別を扱った作品を読んできましたが、一番有名なのでは?と思っていたこの作品は読まずにきてました。
 今でこそ差別を扱った作品は飽和状態ですが、この作品が出版された頃にこの内容とあれば相当前衛的であっただろうと思います。
 予想と違い人種差別よりも女性差別に重点が置かれています。それも背景には人種差別があってのことではあるのでしょうけど。
 私が1番興味深く読んだ点は、アフリカの黒人から見たアメリカの黒人に対する感情について描かれているところです。そういえば今までに読んだことも聞いたこともなかったような気がします。アフリカの話、アメリカの話、イギリスの話、それぞれをたくさん読んだことがあるけれど、この時代に一つの作品に含まれているということが、この作家の視野の広さや経験に基づいていることを表していて、それがこの作品の魅力なのだと思います。

 8 out of 10

 最近は人種差別と移民問題、それにLGBTQを扱えば話題にもなるし評価もされる風潮にあるので、こんなこと言ったらダメなんでしょうけど、ちょっと飽きてきています。なんとなくどれも似たような感じというか、、、、とにかくそればっかり、っていうか、、、、
 私が好んで選んでるような気もするのですが(笑)、恋愛小説もクライムサスペンスもそれほど好きじゃないとなると、どうしてもそういうのになってしまいますものね。
 それらに比べると、この作品は一味も二味も違う感じがします。意外と過剰な主張もみられませんので、フラットな気持ちで読むこともできます。ずっと読みたいと思いつつも、主張が激しいのでは?とちょっと敬遠していたのだけれど、読んで良かったです。
 来年は近年の話題作よりも、こういったモダンクラシックやクラシックをもう少し読んでいこうかなと思っています。
 
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Under the Whispering Door

2024年12月02日 | 洋書
 死後の世界を描いた物語。
 設定的には別作品でいうと「Midnight Library」というよりはどちらかというと「死役所」に似た感じです。こちらは役所ではなくティーショップです。
 設定も良いですし、扱ってるテーマも良く非常に読みやすい悪くない作品なのですが、あんまり好みの作品ではないです。
 ちょっとユーモアのセンスがダサいというか子供っぽいと感じちゃって。

 6 out of 10

 気づかなかったのですが、前にも同じ作家の人気作品を何の理由もなく投げ出しています。タイプじゃないんでしょうね。
 今回は娘が友達から貰ったので本棚に入っていました。せっかく読み終わっても手放すわけにもいかず、本棚のスペース作りにはなりませんでした、残念。
 近いうち読む予定の本も、同じ作家の別の作品を以前に読んでそれほど好きじゃなかったのに気づかず買ってしまっています。こういうパターンでの成功率ってどうなんでしょうね。
 今年は比較的読書の当たり年だと思ってるのですが、ここへきてちょっと様子が変わってきたかな?
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The Haunting Season

2024年11月16日 | 洋書
 表紙買いしたホラー短編集。ハロウィンの少し前から気分を出そうと思って読み始めました。
 8作品入っているのですが、前半数話全部が haunted house の話で、いくらゴシックスリラーが好きでもそればかりが続くと楽しめないことがわかり、これは失敗したと思ったのですが、それぞれ違いもあって最終的にはこれはこれで良いのだなーと思いました。
 レビューを読むとほとんどの人が当たり外れがあるといったことを書いていて、確かにその通りなのだけれど、みなさんバラバラで好みのホラーってそれぞれ違うんだなーという印象でした。
 今日は私が最も印象的だった作品について書こうと思います。

  CONFINEMENT
 この作品集の中で私が一番怖くて夜寝る前に読むのをやめて昼間の明るい時間に読み直した作品。
 主人公が産後鬱な話。
 タイトルがまた良い。隔離(監禁)という意味と産後の両方の意味のある単語。不思議な単語ですよねー、、、、
 先日読んだ dancing tree の作者の作品で、ビクトリア時代に実際あった連続乳幼児殺人事件の話をベースに、自身の産後鬱の経験を取り入れたフィクション。作者後書には自身の経験とあるのに、作者紹介ページには夫と二匹の猫と暮らしている、って書いてあって読後にもう一度ゾワっとしてしまったけど、wikiを見たら娘さんがいたよ、、、、なんかよかった、、、

 6 out of 10
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The House on Half Moon Street

2024年11月11日 | 洋書
 ずいぶん前にチャリティーショップで娘が選んだMurder mystery。
 本人はすっかり忘れて読みそうもないので私が読みました。
 とても簡単だし、スピード感も良いし、ページターナー。オーディオも聴きやすいので、一気に読み終わりました。
 主人公がちょっと特徴的なところが魅力。
 
 7 out of 10
 
 
 
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