hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Away We Go

2012年06月30日 | 映画
 こ、これは・・・・・かなり面白いじゃないですか!(実は予想外)

 「愛し合っているから一緒にいたいんだぁー」と暮らしていたけれど、子供ができた途端に大真面目に「家庭を築かなくちゃ」と考え始めたカップルのお話ですね。とにかく二人とも、なのか、彼女のヴェロニカがなのか、生真面目なんです。
 そこで、友人知人に顔を出しながら新しい居住地を探しに出かけるのですが、普通の人が主役の彼女だけであとはみんなちょっとズレちゃっている人たちなんだけど、絶対あちこちにいる感じで。特に彼氏のバートが出だしからどうにもポンスケでびっくり。
 その中でもマギー・ギレンホール演じる人物は風変りな思想の持ち主で強烈。役のエキセントリックさだけではなく、彼女の演技のダイナミックさがこの映画の中では一番光っているかもー。 
 
 私の好きなシーンBEST3

 3.オープニングシーン。二人でベッドに入って行為中なんだけど、この彼氏がホントにもーアホちんで出だしから噴き出します。

 2.2番目にいいと思うシーンが実は二つあるのですが、一つは養子をたくさんひきとり大家族のお父さんとなっている大学時代の友人の告白シーン。泣きましたよー。もう一つはバートの兄が娘の将来を心配して気持ちを吐きだしているシーン。どちらも男性が絞り出すように心の内を打ち明けているのが何ともいえなくてね・・・・・でもお兄さんの方はちょっとデリケートすぎて(感性がとても女性的)出て行った奥さんの気持ちがわからなくもないかも、と思ってしまいましたが(汗)

 1.マギー宅での食事シーン。何かの思想に憑かれている人って自分だけが勝手に信じていればいいところ、他人を批判したがる傾向があるよね。そこが上手く描き出されていたので。マギーが親を早くに亡くしたヴェローナに対して、そのため女性として母性が足りないだろうというような失礼なことを言ったり、マギーの旦那の方がお金の絡む仕事をしているバートを非難したり。なんともいえない話題の絶妙さとマギーの飄々とした言動が面白い。温厚なバートが激昂して、「あんたらおかしい!ヴェロニカはお前なんかよりよっぽど女として素晴らしい!」と叫んで飛び出していくのもちょっと素敵でした。

 全編通して、カメラワークが特に好き。最後のシーンなんかとっても綺麗。撮影はエターナルサンシャインのカメラマンみたいですよ。

 ところで、このカップルは大真面目に「家庭を築くこと」を考えてはいますが、その中には彼女の意向で「結婚をすること」は入っていません。
 私はかねがね「籍を入れないこと」にこだわることには疑問を感じていましたが、このカップルは結婚しなくていいんだなぁと思いました。この作品だと逆に彼の方がどうして結婚したいのかが伝わってこないような・・・・・不思議ですねぇ。

 「結婚することと家庭を築くことは必ずしもイコールではない」

ということを先ほども出てきました大家族のお父さんがパンケーキに角砂糖をのせ、爪楊枝(え?)を柱にし、コースターを屋根に、その上からシロップをかけ説明していたシーンがとても印象的です。彼自身は結婚をしているのですが、しない形をとろうとしているバートとヴェロニカへの理解を示している場面です。結婚していて、しかもそれに満足している人物側の解釈の仕方だからこそ納得できる感がありました。あら、ここが一番好きなシーンかも! 

 4.5 out of 5 主演の女の人がとっても自然で素敵な演技をします。
 
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Six Dinner Sid

2012年06月29日 | 絵本・児童書
 とっても要領のいい猫のシッドのお話。アマゾンの紹介文がとても良いと思ったので写しておきます。
 
 Sid is a cat who is addicted to having six meals a day and glories in this lifestyle. Manipulative, persuasive and a charmer he has wrapped everybody round his little paw - each owner believes that Sid belongs to them only . . . until the day he is found out!

 これはなかなか面白いですよ。何回でも読んでしまいます。特に猫好きな方には気に入ってもらえそう。
 イラストもとても柔らかくて優しい感じで、ゆったりしたい時にちょうどいい絵本です。


連絡事項:

 宣伝したばっかりですが、アマゾンのリンクが上手くいきませーん。すみません。
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The Money Pit

2012年06月28日 | 映画
 大学生の時、夜中に放映されたこの映画を観て、ゲラッゲラ笑いまくり、

 こんな面白い映画が存在するなんて!

と思い、翌日興奮気味に友達に「昨日の夜中にやっていた映画観た?」と。
友人S「あー、観た観た!」
二人同時「すっごく・・・」
あたし「面白かったよねぇ!!!」友達「くっだらなかったよねー!!!」at the same time.
二人同時「えー???!!!」

 なんて会話を交わした思い出の作品。この頃の私、「8時だよ、全員集合!」を懐かしむ傾向にあったのか、ローズ家の戦争など「家が壊れていく系」がどうも大好きでした。
 ずっとなかなかマネーピットを超えるコメディにはめぐり合えないなぁ、匹敵するのは「サボテン・ブラザーズ」くらいか、なんて思っていたくらい。
 いやー、昨日20年ぶりに観たら、

 くっだらない(笑)!

 その上、この国で暮らしていると杜撰で遅延しがちな工事に笑えないし、家計を管理している立場になった今はお金のことでもヤキモキ。

 一緒に観た娘はゲラゲラ笑っていました。同じ血が流れているということで。
 お金に余裕のある人と家計を管理していない人、何より心に余裕のある人には「コメディの傑作」としてお勧め!
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The Savages その他

2012年06月25日 | 映画
 ジョンとウェンディのサヴェージ兄妹。ある日、疎遠だった父親のラリーが認知症になり、二人は面倒見ることになる。

 この作品良かったです。
 別に狙って認知症の映画を見たわけではなくたまたまだったのですが、この中ではアルツハイマーではなく、dementia という語の方を使っていました。私の周りでもこちらの語の方が浸透しているみたいです。
 子供時代に嫌な思いをさせられてきた父親が自分たちの助けを必要とした時、しかも兄妹同士もそれまで疎遠になっていたし、どちらも人生の成功者(幸せ)とはいえなく、色々な面でギクシャクしている様子がうまく描かれていました。
 印象に残ったシーンは、自分たちでは到底面倒はみれないのに、施設にいれることを言い出した兄に嫌悪感を顔に出す妹。こういうシーン、すごく現実的ですよね。言ったものが悪者扱いみたいな。だったら自分が面倒をみるのか、というと絶対それも言い出さない。それから現実的に考え自分が通いやすい場所を選んだ兄に対して、自然に囲まれた美しい楽園みたいなホームを選ぶ妹。これは男女の違いをうまく表していると思いました。私も素敵な方に飛びつくだろうなー。
 そして気になったのが、死に直面した時の対応について本人に確認するシーン。ここも言い出しにくいことは兄の方が切り出すのですが、父親もムカっとしながら対応するんですよね。男だからなのかな?女でも同じかな?
 私はなんでも用意周到にしておきたいので、自分自身の場合も夫の場合もあらかじめ話し合って決めておきたいのですが、彼は嫌がりますねー、そういう話。しつこく聞いて、なんとか灰はゴルフ場に撒いて欲しいというところは確認できたのですが・・・・
 静かにじっとり進む作品なので、鑑賞しながら同時に色々考えてしまいました。
 4 out of 5 

 
Wimbledon   

 何年か前に少しだけ見て投げ出した作品。ダンストが嫌いなんでー。
 ポール・ベタニーへの気持ちが強まった今なら、と思い再度挑戦。
 悪くなかったです。ロマンスのシーンは完全無視だけど、家族のことやテニス関連のシーンなどはまぁまぁ。マカボイまで出てたんですねー、知りませんでしたよ。3 out of 5 ポールじゃなければ、2。

Attack the Block    

 南ロンドンのカウンシルフラットに隕石と宇宙人が落ちてきて?、それを殺してしまったギャングを狙って大勢の毛むくじゃらのエイリアンが彼らに復讐にやってくる話。
 音楽も含めてテンポのいいパニック映画。しかも登場人物たちの若者英語(南ロンドンアクセント?USでは字幕がついたって本当かな?)がなんていうか歌のように聞こえて(ほぼ聞き取れていないので余計ね)それも私は結構すきでした。
 まぁ、それだけですけど、短いですし、見ても損はしない作品でした。欲を言えば会話にもっと捻りが欲しかったですけど、そういう狙いの作品じゃなさそうだしね。
 3 out of 5 主演の男の子が貫禄があって恰好いい。これからも活躍して欲しいですねー。
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Lady of Leisure

2012年06月23日 | 日記
 Lady of Leisure、この表現知っていますか?
 私は来週仕事を辞めるのですが、そのことを伝えると何人もの方に、

 You are back to Lady of Leisure!!

と言われました。私は勝手に単純に「遊び暮らす人」と解釈していたのですが(実際そうですしー)、よくよく調べてみると、

 働かなくていい余裕のある人

 または

 「お金を出してくれる人がいる」人のことを呼ぶそうです。
 
 全然違うなぁ・・・・(笑) 
 とりあえず1年半ほど頑張ってきたので、辞める翌日に友達とランチ、その2日後にはエステ、その次の週はちょっと遠出・・・・・と、まぁ、楽しい予定をいっぱい入れてあります!アイディアにはつきないです。
 
 子供たちはなにかしら再読などをしているくらいで、最近は新しい本を読んでいないようなので、児童書の方の更新は最近滞っていますが、私が仕事を辞めて時間ができるのでもう少し本の紹介ができるかもしれませんね。
 でもなにせ、Lady of Leisureーlike なので、家でじっとしているかどうか・・・・
 読んでくださっている皆さんが、私のブログで紹介している本で、もし気になる本がありましたら、写真をクリックすると日本のアマゾンにリンクすることになっています。どうぞご利用ください。

 ブッククラブ近況:
 今日もLK宅に上がり込んで長話。次のブッククラブは、前にあった昼間のワイドショー?の Richard & Judy のブッククラブの中から一冊みんなで選んだらどうか、とサジェストしてみました。一人3冊くらい挙げてみて一番 vote の多い作品にしてみたらどうだろうかと。(ちゃっかり乗り気?)
 そこのセレクションは全然 my cup of tea じゃないですけど、ブッククラブに合った作品があるんじゃないかと。
 その中で私が気になっているのは、表紙が素敵な The Night Cirsus と、40代の女性が15歳の少年を監禁する話の Tideline なんですが、一度も子供を一人で外に出したことない彼女たちに、後者の方を「読もうよ」と誘う勇気はないかもです・・・・・・
  
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The Four Feathers

2012年06月21日 | 映画
 

 ここんところ映画ブログになりつつありますが、今日は私の大好きな映画について。
 ヒース・レジャーの出演作品の中で一番素晴らしいと思う一本です。久しぶりにまた観ました。3,4回目かな。

 父の思いを汲んで入隊したハリーだったが、戦時下のスーダンに派遣命令が出た直後に除隊します。
 彼なりに戦争への疑問や自分の人生について考えた末の行動でしたが、うまく伝えることができず、父親を始め、友人と婚約者に「弱虫」の烙印を押されてしまいます。その証拠に渡されたのが「4枚の羽根」。
 ところがスーダンでの仲間たちの状況を聞き、いてもたってもいられなくなり、ハリーは一人サハラへ向かう。
 そこで人知れず孤独に闘うハリー、彼を神のお告げだからと守りに現れる現地人アブー、そして軍の仲間たちの姿を描く物語。

 地味ですがキャストがすっごくいいんですよ。ハリーはもちろんヒース、婚約者役にケイト・ハドソン(残念ながら衣装は似合わない)、彼女に横恋慕するジャックは・・・・知らないアメリカ人。あ、でもなかなかいい演技をしていました(汗)。そしてちょっと気弱な感じのお人よしのヴィッカーにはピッタリのクリス・マーシャル(大好き)、上品な感じのトムは英国ドラマの Spooks で主役だった人(名前は長いので省略)、そしてお調子者でムードメーカーのトレンチにマイケル・シーン!(一人だけちょっとおっさんだけど許してって感じ)。そして一番魅力的な役どころアブーに「ブラッドダイアモンド」のジャイモン・フンスー(てっきりデジモンかと思ってました)。かの貫禄のあり様と、マイケルを肩に担いで砂漠を颯爽と走る姿には感動すらします。
 う~ん・・・・こうして書き出してみると私個人にとってすごくいいキャスティングですが、一般的にあまりアピールしないかもしれませんねー(笑)

 戦争の残酷さと砂漠で過ごすことの過酷さはもうこれでもかというくらいに表現されていますし、それと対照的に仲間関係の素晴らしさと砂漠の美しさも存分にアピールしているそのバランスが好き。

 ストーリー展開は早く、これでもかというくらい「何かが起こる」ので退屈しませんし、ベタな三角関係の恋愛物語もあるし、なんといってもヒースの魅力満載。
 戦争ものや衣装ものが苦手な人でも大丈夫。(ちなみに一般的には評価は低かったみたいですけどね)
 
 当然ながら私は 10 out of 10 

 いやいや、あまり上手く書けませんでしたが、

 良い作品なのでとにかく観て~!!! ということで。お粗末。
 
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Sarah's Key

2012年06月20日 | 洋書
 

 正直なところ好きじゃありませんでした。
 前半は round-upの時のサラとその家族の物語とジャーナリストのジュリアがどんどん事件について調べていく二つのストーリーが交互に展開され、どちらもとても興味深かいものでした。続きが気になって気になって公共機関でもお構いなしに泣きながら読んでしまったくらい。ところが後半が全く・・・・・
 理由は明確。
 主人公のジュリアの性格がどうもすごく苦手。独善的で無神経だと思いました。
 私はやっぱりジャーナリストが主人公の作品は好みじゃないかもしれませんね。ヘンリエッタの時も感じましたが、自分の行動や意見を事実や状況をツイストして正当化する面があるような気がします。
 主人公をアメリカ人にしてこの性格にすることが、もしかしてフランス風のサーカズムなのかとも考えましたが、どうもそういうことでもなく・・・・・う~ん・・・・
 
 この作家も本業はジャーナリストなわりには、言葉の豊かさに欠け表現がつまんないと思いました。「衝撃的なできごと」中心のストーリー展開の時はともかくとして、そうでない部分の文章に力強さや惹きつけ力が足りないとも思いました。
 この先もどこかからショッキングな題材を探して派手なプロットを作り出していかなければどうなのかな。そういう意味では上手くいけば My sister's keeper の作家 Jodi Picoult 路線でいけるかもしれないですね。

 6 out of 10 アイディは良いけれど、ヒロイズムとご都合主義が気になったということで

 それでもまだ映画も是非観たいと思います。きっとそっちの方がいいんじゃないのかなー
 ちなみに最後に旦那さんが年上の愛人と一緒になったことにホッとしました。

 さて、次はこちら。
 
 本日遠くの図書館まではるばる出かけて入手しました。
 この本を一日1、2話ずつと、意地で投げられない読みかけの洋書一冊(お風呂場でブヨブヨ状態)と、いつでもどんな時でも読めるような気がして途中になっている児童書一冊の3作品の並行読みで6月中を過ごす予定。
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映画 My sister's Keeper

2012年06月19日 | 映画
 

 まず初めに、私は原作の大ファンなんです。
 PBが発売された当時に読んでいるので一体何年前に読んだのかは定かではないのですが、それはそれは夢中になって読んだものです。でも一気読みというわけにはいかなかったですね。
 デザインベイビーの是非、移植について、尊厳死など医学的な問題から、家族の関係といちいち反応しながら読んだので、涙で目がぼやけてきては中断し、あまりに考え込みすぎて中断し・・・・・
 読んでもいない家族(夫しかいないけど)や友人、医療関係の友人にあらすじを話して意見を求めたりなどなどどっぷりのめり込んでいました。
 しかもこの本の影響でか、ちょうどこの国でデザインベイビーを産む決断をした夫婦や老いた夫婦間での腎臓移植の決行などのドキュメンタリーが放送されたりもして。
 そんなわけで、映画化されることを知った時は複雑な気持ちでした。読んでいる最中にもありそうなことだとは予想していたし、私の中ではキャストはダコタ姉妹だったりもしたのですが、トレーラーを見て(特に日本の)絶対がっかりするだろうと確信していました。

 でも悪くなかったです。
 私にとっては原作のプロットを使った全く別の作品でしたが(覚えていないシーンばかり切り取られていたため)、あれはあれでいいんじゃないでしょうかね。
 なんといってもケイト役の女の子の一つ一つの表情が多くを語っている感じで素晴らしかったですね。プロムに行くドレス姿を見て号泣しました。
 欲を言えば、母親の描写をもっと原作に忠実に表現して欲しかったかな。すっごい強烈ですから。私の考えが正しい、私の決断が正しい、私が一番子供のことを考えているのよ!と全面的に押し出してきますし、その上父親を完全に見下している態度なんかもね(本心は少し違うとしても)。裁判の時にアナのことを訊かれても必ず「ケイトが」と答えている点でちょっとは表現されていましたが、少し弱かったかな。あとは自分の弁護を自分ですることに決めたあたりももっとドラマティックに演出しても良かったかも。
 私は原作の結末は、作家として安易な方向に逃げた、ととてもがっかりしていたので映画の方に好感が持てました。
 原作は倫理を問う問題作という感じでしたが、映画の方は「不治の病の娘を囲む家族の愛の物語」です。

 3 out of 5 

 
 私が持っているのはこのペーパーバック。表紙の女の子がたまらなく可愛くて大のお気に入り。
 通常人物写真が表紙の本は買わないんですけどね。
 この本は永久保存です。
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District 9

2012年06月18日 | 映画
 

 いや、この映画はすごいです。
 なんて言うんですか、「映画」に求められているもの全てを網羅している。
 アイデアのオリジナリティもそうですが、特撮技術も、セットも、キャラクターの独特さも(見た目もそうですが、エイリアンの科学技術もマイノリティリポート並!)、内容もその構成の仕方(ドキュメンタリータッチで始めるところなど)もどれをとっても素晴らしい。
 そしてストーリー展開もそれはそれは上手にこちらのエモーションに訴えてきます。観ている間にありとあらゆる感情を持ってしまうでしょう。
 アクションも、ユーモアも、残虐さも、友情も、親子愛も、ヒューマンライト(ヒューマンじゃないライトも?)についての問題提議も、ありとあらゆるものがとてもいいバランスで導入されているんですよ。どんなジャンルの映画とも言えるかも。
 いや~、感服しました。

 4 out of 5 

 そこまで言ってこの点数?
 はい、それは好きかどうかの問題であります。作品のデキには満点、好きかどうかは普通ってことで、間をとって4点。でもかなり夢中になって、やいのやいのコメントしながら観たことは確かです。
 
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Definitely, Maybe

2012年06月17日 | 映画
 

 学校で性教育の授業を受けて帰ってきたマヤは、離婚間近の両親の馴れ初めに興味を持ちます。愛し合っていない夫婦の元にいる私って、もしかして「アクシデント」でできただった?
 娘にしつこく迫られ父親のウィルは仮名で3人の女性とのお付き合いの話を順に追って話し、一体どの彼女がマヤの母親なのか当てさせることにした。
 
 この映画悪くなかったです。
 子供相手ながら結構なディテイルまで正直に話をするウィルの真面目さも良かったですし、駄々をこねたり、時々冷めた意見を言ったかと思ったら、子供らしく「その人がお母さんだったら、やだー」と言ってみたりする娘のキャラクターもとても感じ良く書かれていました。
 そして何より彼のストーリーに出てくる女性は3人ともすごく魅力的。
 将来を約束した大学時代の彼女にエリザベス・バンク。それから職場で出会うなんでも言い合える女友達にアイラ・フィッシャー。サシャ・バロン・コーエンの嫁です。可愛い!!なんだ、この子、すごく可愛いんですけど。そしてフリーマインドでキャリアな女性にレイチェル・ワイズ。どの女性もそれぞれしっかりしたキャラクター設定がされていて、一つ一つのセリフもなかなか。
 ウィルの職場の同僚たちもとてもいい感じに描かれていて、全体的に登場人物全員が魅力ある人たちで、会話も楽しい作品でした。
 視聴者ももちろん誰がマヤの母親なのかわからないまま観るというちょっと謎解きみたいなところもあるのですが、やっぱりちょっと長い・・・・・90分でいいってば!
 恋愛ものでもありますがそれほど軽々しいわけでもなく、仕事に対する情熱や人生観、家族愛などなど案外色々詰まっています。セリフも意外とインテリ系です、ってことで 3.5 out of 5

 
 もう一本。
 本当は原作を読むつもりだったけれど、たまたまテレビで放映されたので観ました。
 

 私はこれはダメでした。
 何がダメかというと出だしで悪玉として登場した横暴な父親役が、大好きなポール・ベタニーなんですもん。どうしたって彼の方に感情移入してしまい、正しく問題を判断できませんでした。10年間娘を置き去りにすることなくそばにいたんでしょ?とかね。最後も去っていく父親を追いかけた瞬間「やっぱ親子ってそういうもんでしょ!」と思ったけど、案外子供の方は冷たかった・・・・・思っているだけじゃダメだってことです。しっかり言葉と態度で示さないとね。不器用な人間は辛いですねぇ・・・
 全体的に差別的事件の入れ方や、黒人少年とダコタちゃんの淡い恋、などなどいいところが多い作品でしたが、いかにも的な部分がちょっと・・・・
 きっと原作を読んでいると違った印象になったと思います。っていうか、ポールじゃなくて違う人だったら・・・
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Shopgirl

2012年06月16日 | 映画
 

 コメディ俳優の第一人者、スティーブ・マーティン原作の映画。
 メインキャラクターはデパートで働くミラベル(Claire Danesと、彼女がコインランドリーで知り合ったジェレミー(Jason シュワルツマン)、そしてしばらく後、働いている彼女を見染めて声をかけてきた大金持ちの中年ビジネスマン、レイ(スティーブ・マーティン)。

 毎日仕事場と家の往復だけで変わり映えのしない日々を過ごしているミラベルにジェレミーが声をかけてきます。出会いとその時の会話は悪くないのですが、この男、とにかくなんちゅうか、ありえない!
 彼の一言一言、やることなすこと、娘と二人で顔を見合せながら「や~だぁ~」「なにそれ~」と言いながら観ていました。でも、相手があまりに変人だったり意表をついた言動ばかりすると、わけわからず向こうのペースに飲まれてしまいますよね?その上たまたま聞いたラジオで「女性はやっぱり定期的にホルモンを刺激することをしないとダメだ」みたいな話を聞いて、そそのかされ「この際、あいつでもいいか!」みたいな気持ちになっちゃったりもして、そんな感じでミラベルはついフラフラと彼と時々一緒に過ごすようになります。
 そんな時レイにも声をかけられます。

 ジェレミーとのシーンは女性としてはゾワゾワしますが(見た目がまたさー・・・・この写真のこんなんじゃなかったですから)、でも会話の内容も変な間の空き方も最高に面白く、コメディ調です。逆にレイとのシーンはちょっと官能的な恋愛映画やヒューマンドラマのような雰囲気。二つの映画を同時に見たような気分になります。 

 クレアをとことん美しく映しているカメラ技術もすごいし、全体的に映像が綺麗、ロケーションのチョイスもなかなかこだわりを感じましたし、セリフ一つ一つが結構いいところ突いているんですよね。さすがスティーブ・マーティン、鋭い人間観察ができているというか。それでいてノンセンス会話も面白いし。
 ただ短い映画にも関わらず中だるみがちょっとね。あとはラストがちょっと・・・・feeling secure って、そこで?みたいな。

 3 out of 5 

 スティーブ・マーティンの脚本の良さとクレア・デインズの美しさ VS ジェイソン・シュワルツマンの生理的に受けつけられない度(でもこの役は彼で大成功)を考えた結果であります。

 
 気づいた方、いらっしゃいますでしょうか。
 私、この映画について、もうすでにレビュー書いているんです、何日か前に。
 それを忘れてまた書いてしまいました。せっかく書いたのでこのまま投稿します。
 
 まじ、やばくないですか、私・・・・・・
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Chatroom

2012年06月15日 | 映画


 あら、なかなか面白い作品だったなぁ、なんて思って一つの記事にしようと思い、アマゾンで画像を入手するついでにレビューを読んだら、ずい分と評判が悪いんですねぇ(笑)
 チャットの世界をバーチャル(良く分かっていないのに使ってまーす)にして、心に隙間があったり、病んでいる若者たちを描いた青春映画(一応スリラーか?)であります。
 チャットの世界はこんな風に表現されています。本来は画面上の字だけの付き合いのはずですが、実際このような場所で顔を合わせている設定のようにしています。

 雑然としたアパートの廊下になっていて、このドアの内側がそれぞれのチャットルーム。

 主人公ウィリアムはこの部屋のアクセスは、彼本人、伸び悩んでいるモデルのエバ、 親の関心を求めているエミリー、父親の失踪の責任を感じ自分を責めているジム、友達の小さなプレティーンの妹に淡い恋心を抱いてしまったモー、この5人だけに限定します。
 優しい言葉でそれぞれの心に入り込み、言葉巧みに全員をコントロールしていくウィリアム。
 彼は元々自殺願望が強く、なんどか試みるも失敗し、家族に支えられ(本人的には邪魔され)ながら生きることの意味も見つけられずに生きています。チャットに興じるほかにも自殺行為をしている投稿ビデオ好んで見ていたりするタイプ。
 そこで自分では実行できないことをほかの誰かにさせることで、満足感や達成感を得ている状態。そして彼のターゲットは・・・・

 ネット上の架空のシーンと現実のシーンの交錯が時々混乱してきますが、それもまたそれなりにいいところ。とはいえ、最後の結末に現実感が持てず軽く流してしまった自分にハッとしました。
 5人には英国人を起用していますが、キャラクターの性格はもっと日本人的に感じたのですが、それもそのはず、監督は日本人なんですってね。それでもって原作の方はアイルランド人ということで、なんとなく「なるほど」という感想です。
 アイルランド人、特にこの playwriter の青春時代は若者の自殺率が半端なかった頃だと記憶しています。そしてこの作家は、以前私が感想を書いたなんとも言えない後味を残す映画「Disco Pig」の作家だということがわかり、ますます「なるほど」度が高まりました。

 多分キャストのそれぞれも一見パッとしなく感じるかもしれませんが、どの子も上手いんだか下手なんだかわけのわからないポジション取りがなかなかユニークだと思いました。私にとっては Skins のキャシー役だった子の頭に突き刺さってくるような英語が懐かしくて、しかもキャラもどっちかというとそのままというのも心地よくて楽しめました。追いつめられるジム役の子も何だか魅力的だと思っていたら、バーバリーのモデルだったらしいです。

 先日の映画とほぼ同じ地域、北ロンドンを舞台にしているので、カムデン・マーケット、カナル、プリムローズヒル、ロンドンズー、リージェンツパークなどの背景も楽しめました。
 
 
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第一回 ブッククラブ Still Alice

2012年06月14日 | 日記
 さてさて、4人中2人しか読了しないままブッククラブを開催しました。場所はパブで。(ブッククラブを始める経緯についてはカテゴリー:日記のトップ記事をご覧ください。その後の途中経過はあちこちに書いてあります。)
 一人はどうしても自分の物忘れと重なって辛くなり、読まない決意をしました。
 もう一人はこの先続けて読む気はあるけれどなかなか進まないとか。
 で、ブッククラブの会話はこんな感じ。

1.一体どんなところが気が進まない要因だったのか
 
 LK母「最初の方でこんなシーンが・・・・・何だったかは忘れたけど、あったじゃない?それがね・・・・・」

2.どこら辺まで読んだの?

 AK母「最初の方でこういうことがあってその後の・・・・・忘れた

 その後も読了したRH母が「そこからはこういった展開になってそれで・・・・・・忘れた。なんだっけ?」
 終始この調子で、みんなで爆笑してばかりで、なんだかさっぱり。

 こんなダメなブッククラブあるんだろうか

 でも懲りずに次の本を選ぼうなんてことになって、「今度は楽しい話題の本を選ぼうよ」と。
 で、誰も思いつかず、「Hinajiro は何を読んでいるのか?」となり、

 「・・・・・・ホロコースト・・・・・」

 うわ、絶対いやだ、ってことでもちろん却下。
 その後また誰が言い出したのか、Three Cups of Tea を読もうという話になり、「なんでそうなるんだ?」と思い、1.私が以前すでにチェックし、入手しづらいこと、2.今度こそフィクションではなく事実に基づいているのでもっと辛い話に感じるだろう、という忠告をしたけれど、少なくとも何か良いことをした人の話だって聞いているし、

 とりあえず、あまり自分と重ねてしまう心配はない

 ということで、皆さんスマートフォーンでチェック開始。この時点で私言葉を失って無言。ところが表紙カバーを見て、

 やっぱ、まずくない?・・・・・・・
 
 と。私はそこら辺でお先に失礼したので、どうなったかはわからないけど、正直・・・・・もう解散でいいんじゃないの?(笑)

 結論:ブッククラブは本物の本好き&本を読む習慣のある者とだけ開くべし
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Count Karlstein

2012年06月13日 | 洋書


 相変わらずわかりません。
 何がわからないかというと、語彙も難しいし、なんとなく頭の上を滑って行くようにしか読めていないような気持ちになるわりには、グイグイ進んでサクッと読み終わってしまうんです。
 プルマンとは相性がいいって言うしかないというか、理由が全く説明できないんですよねぇ。

 そんなわけで、「なんとなく」ハラハラしたり、「なんとなく」ドキドキしたり、しながら読み終えました。
 これといったマジックなど非現実的なものが出てはこないけれど、いつも通り由緒正しき「おとぎ話」という雰囲気ながら、ほかの作品では味わえない独特なものがあります。これも説明はできませんよ。
 例えば意地悪な伯父から逃げてきて森の中をさまよっている時の心情描写だけでも、なんとなく表現がプルマン節でちょっと面白いんですよ。

 一つだけ、前の記事と繋がるのですが、罪人が何だか知らないけどその場の「ノリ」で無罪放免になったりするところに、「そんな馬鹿な!」みたいなシーンがありました。

 語彙が難しいこと、一般受けするかはわからないこと、あとはやっぱり最後の公正さへの不信感(笑)を合わせて

 7 out of 10


一言日記:

 この間こぶりさんが「Interpreter of Maladies」という、私もずっと読みたいと思った本の感想をブログで書いていらして、私も早く読みたくていてもたってもいられない状態になってしまったのですが、なんと日曜日に11年ぶりに再会した友人も、私が周りのインド人の話をしているときに、同作家の作品「Namesake」の話を始めて、その流れから「Interpreter.....」について話し出しました。
 どうしてこんな風にリンクするんでしょうねー、世の中の縁って不思議ですよねー。
 あー、いよいよ持って、読まなくちゃ、です。「Sarah's Key」も順調に進んでいますのでね、あとは図書館に本当に蔵書があるかどうかにかかってきますが、来月には手にしてみせます!(なぜこんなにムキになる必要がある?)
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Breaking and Entering

2012年06月12日 | 映画


 ロンドンの中でも貧しく治安の良くないといわれているキングスクロスに、その地域を緑豊かなタウンにする開発を手がける建築家二人がデザイン事務所を持った。地域から少し浮いた感じの建物はすぐにローカルギャングのターゲットとなる。
 2度も泥棒に入られたウィル(ジュードロウ)は自分で見張りをし、ギャングの一味の猿のような身体能力を持つ少年を発見し、彼を家まで追いかける。そしてその少年の母親(ジュリエット・ビノシュ)と恋に落ちる。
 ウィルには家庭があり、妻と義理の娘がいる。しかし、娘が思春期にさしかかり難しくなってくるとともに、夫婦間にも距離が出てきている。

 こんな話ですが、私の書いたあらすじのわりには、なかなか良くできた作品でした。なんといってもジュードカッコイイし(なんだ、そこ?)、子役の二人の演技が素晴らしい。神経症の娘は声のトーンから癇癪を起している姿などどこを切り取ってもすごいですし、自分の居場所を見つけられずもがいている少年は一つ一つの表情がなんとも雄弁、それに塀の上を走ったり、屋根の上を走ったり、飛んだりするアクションシーンもすごい!まぁ、全部自分でやったとは思えませんが。
 それぞれの登場人物の会話も interesting だったし、あとは見張りをしているウィルの車に勝手に乗り込んで来て、マイペースに会話を進めていく売春婦の存在も作品にちょっと違う風を吹き込んでいてなかなか良かったし、ホント、全体的には良くできている作品だと思うのですが・・・・・
 最後が微妙なんですねぇ、残念ながら。
 私は全くの第3者の立場として、少年法に関するところの「将来にやり直しするチャンスを与える」側面には賛成なのですが、少なからず罰を与えられた上に成り立つべきだと信じています。この映画では最後は登場人物全員が「善意の行為」として隠ぺいに加担します。そこがちょっとひっかかりました。あとは移民問題の挿入の仕方もあまり好みのタイプではなかったですね。

 個人的には、舞台となっている地域が「地元」とは言い難いですが、一応「テリトリー」なのでなんとなくミーハー気分になれて楽しめました。
 それほどの「傑作」というわけでもなく、退屈になりがちなこの作品を興味深く観るコツとしては、二人の母親の立場を中心にして物語の進行を追えば(母親目線で、という意味ではありません)、思いのほか楽しめるかもしれません。

 3 out of 5


今日の一言日記:
 
 この映画の中でも母親たちの子供を思う気持ちには・・・・・私の場合は共感というよりは「びっくり」と「尊敬」とちょっと「反感」のない交ぜになった感情を抱いたものですが、現実でも・・・・・

 月曜日にCaptain R たち6年生が1週間の修学旅行に出発しました。
 LK母、去年の段階では「近くにホテルをとらなければ」「毎晩電話しちゃうな」とどこまで本気でどこからがジョークなのかわからない発言をしていましたが、最近は比較的子離れできてきたなーと受け止めていましが、お見送りの時に泣いていたそうです。ほかにも数人のお母さんたちが泣いていたそうです。
 私にも一人のお母さんから電話がきて「大丈夫?」って、私はウキウキしながらインターネットで娘と出かけるためにシアターのチケット探しに没頭していたんですけど(笑)

 明日の夜、LK母を励ます会に出かけてきます。
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