hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

2022年に読む本

2022年02月18日 | 洋書
 毎年リストを挙げてもほぼ達成したこともありませんが、懲りずに書きます。
 
                

 とりあえずこれだけ audiobook を持っているので先に済ませようと思っています。
 
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Wakenhyrst

2022年02月10日 | 洋書
 ずいぶん前に Booktuber のお勧めで買った本なのですが、内容はすっかり忘れていました。
 ぼやけた目で見たところ可愛らしい表紙の本なので、イギリスのどこかのお屋敷で起こるちょっとしたファンタジー的な話なのかと読み始めたのですが、ゴシックスリラーでした。
 イギリスを舞台にしたゴシックスリラーは過去に数冊読んでおり、大好きな「The Woman in Black」を筆頭に結構好きな作品が多いので期待していたのですが、想像を超える気分の悪い話でした。
 登場人物の一人が、私の読書史上最低最悪のキャラでしてね、それもあるのですが、ヒロインの女の子も策士ぶっているけど中途半端という、なんとももどかしい話で。
 ヒロインはビクトリア時代のまだまだ子供なので致し方ない所はあるのですが、同じ子供のヒロインといえば、先日読んだ「where the crawdads sing」の印象が強いものですから、なんだか物足りなさを感じてしまいました。
 ただ登場人物は好きになれませんでしたが、ねっとりジメジメした雰囲気を肌に感じるくらいの素晴らしい描写や、表現が合っているかはわからないのですが、well crafted?作者の巧みな物語の紡ぎ方に感動しました。
 なんていうんですが、what happens ではなく、how it is written で引き込まれる作品っていいよなぁってしみじみ思いました。
 作者あとがきがまた良かったです。
 作品を書くにあたって、どんな風にアイデアを固めていったか、というエピソードについて書いてあったのですが、本当に普通の生活の中からヒントを得ているんですよね。たまたま旅行中に立ち寄った所から、見に行ったエキシビションから、テレビでやっていたドキュメンタリーから、自身の祖先の話からといった具合に。しかも私が先ほど述べた史上最悪のキャラが曾祖父がモデルだというのがショックでしたよ。
 これらを上手に絡めて一つの物語を作り上げているのですが、それぞれのキャラクター、エピソードなども実在していたものとリンクしているという、とにかくとにかく構築の仕方がすごい。
 あとがきを読んで一層物語の良さが伝わってくる作品でした。

 7 out of 10 かといって内容が好きか?というとそうでもないというか、完全に私の英語力と読解力がついていけてはいませんでした。

 よく見ると表紙絵も墓場だし、別のカバーもおしゃれな感じのマグパイのイラストだと思っていたけれど、よくよく見ると血痕がぽたぽたとあるものでした。
 
 マグパイって2羽一緒に見ないと不吉なことが起こると言われています。
 あまり占いや迷信を信じない私ですが、いつからかマグパイを見た場合は無意識にもう一羽を探す習慣がついてしまいました。
 この本を読み終わった次の日に一羽だけのマグパイを見たときにはちょっと胸騒ぎがしました。
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once Upon a River

2022年02月04日 | 洋書
 テムズ川沿いにある小さな町を舞台にした大人のための童話。
 The Swan というイン(階下に食事のできるパブのついた宿)は、夏場は旅人(主にビジネストリップ)で賑わい、冬場は地元の人々が店主のストーリーテリングを楽しみに集まる。
 そこで語られる物語は毎日かわり映えのしない日常を過ごしている町の人々にとってはちょっとした刺激のあるものでした。
 いつものように皆が集まり酒を片手に店主の話に耳を傾けていると、突然扉が開き、ずぶ濡れの男が入ってくるなり倒れて意識不明になる。
 
 この雰囲気!
 小さな町の酒場。人々が語り合う。
 カンタベリー物語の世界じゃないですか!そしてさらに言うなら、私の大好きなフィリップ・プルマンの「The Clockwork 」のオープニングにそっくり!無条件でそそられます。
 私は何を隠そうパブの上にある宿に宿泊するのが大好き。
 この夏も北部の古い町ダラムでパブの2階に泊まりました。しかも川沿いをずっと歩き、猛暑の中迷いに迷ってようやく到着したホテル。
 部屋に荷物を放り投げ、真っ先に階下のパブで2パイント飲んだものです。そして観光に来たのに出かけるのが面倒くさくなり、そのままそのパブでのんびり食事してだらだら飲んだ後部屋でまったりしたのでした。
 私が泊った宿は残念ながらストーリーテリングもライブミュージックもなく、大画面でスポーツ観戦。しかもその日はパキスタン戦のクリケット・・・・まーイギリスらしさを味わったといえばそうですが、その日の夕食はトラディショナルからは程遠いムサカでした。

 作品に戻りますが、小さいながらなかなか事件がおこりがちなこの町のそのインでその夜ついに衝撃的な奇跡が起こります。
 そのことについてその場に居合わせた者たちがみな次々と人々にその光景を話すのですが、それを聞いた人々がまたその話をちょっと尾ひれをつけて別の人々に話していく、その様子がなんとも滑稽なような微笑ましいようなという感じで最初はクスっと来るのですが、のちのち色々と事件を引き起こしていくという展開です。
 この奇跡やその後の事件をきっかけに、町の人々それぞれの抱えているいろいろな問題が浮き彫りになり、目をそらしていたことと向き合うきっかけを掴んでいきます。
 そういった現実的な面と町に伝わる伝説的なものがうまい具合に融合された作品になっています。
 書けば書くほど魅力を損なっていきそうなのでここまで。

 8 out of  10  登場人物の魅力とストーリーに純粋に感動
 
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Where the Crawdads sing

2022年02月01日 | 洋書
 とても人気のある作品でしたが叙景的な描写が多くて苦手かなーと思ったのですが、読んでよかったです。

 町から離れた湿地帯で一人ぼっちで暮らす女の子の話。

 ミステリーとロマンスが混在した半生記というとなんだか軽くて興味がもてないかもしれませんが、色々な倫理観を問う面がさらっと含まれていたり、社会の抱える問題を読者にさりげなく問いかけているあたりが好みの作品でした。
 心配していた情景描写も何ページにも渡るということもなく、読んでいて心地よい程度におさまっていました。
 
 8 out of 10

 各書評を読むとなかなか根を入れて読まなければならないように感じますが、英語は簡単で物語もグイグイ進んでいくので読みやすい作品です。
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