Beat Generation と呼ばれる文学の一つの時代を生きた若者たちの物語。
なんというか自由なんですよ。四六時中酒たばこドラッグ、その場にいたてきとうな人と男女関係なくSEX、フラッと旅に出て、その先々で変わらずドラッグ酒たばこSEX。そんな生活の中から思いついた詩や音楽、小説、随筆なんかを発表したものがビートジェネレーション文学なんですね。おそらく、、、、
中でも有名なのは、アレン・ギンズバーグでしょうか。
習ったんですよ、私、学生時代に。彼が動物園に行って、多分ですけど、その内容に問題があって出版をめぐる裁判があったらしい「Howl 」という彼の代表作の生まれた過程を話すようなドキュメンタリーだったのかな、そんなビデオを見たたった一時間だけを覚えています。
残りの時間は全く授業を聞いていず、一年を通してその講義がビートジェネレーションに特化したものだったのか、アメリカ文学を通して学んだものだったのか、なんという講義名だったのか、試験はあったのかすら記憶にありません。単位は落としていないので、先生が来年も受講されたら嫌だと思ってテキトウな成績をつけたんでしょうね、、、、
そんな感じで私の中ではアレン・ギンズバーグというわけのわからない作品を書く詩人の名前だけが全く興味のないものとして記憶され続けました。
でも、なんだかこの時代の作家たちって酔狂なファンがいるみたいで、よく映画になったりドキュメンタリーが話題になったりしているんですよね。それで多少知っとこうかと思って、ジェームズ・フランコがギンズバーグを演じた Howl の映画を見始めたんですけど、すーぐやんなっちゃいましたね。それっくらいやっぱり興味がないんだなぁ。
それでこの映画も見るだけ無駄だろうなぁと思いつつ、トレイラーが魅力的なので挑戦。
実は結構楽しめました。
Jack Kerouac が放浪の旅に出かけ、出会った他の放浪者と一緒に旅をしたり、数日を共に過ごしたりした日々をベースに書いた小説を映画化したものです。
中でも、奔放で過激なニール・カサディとの出会いとつき合いが中心。
ともすれば勝手気ままで周りを振り回すだけの男であるディーン(物語の中のニールの名前)ですが、主人公サル(ジャック)が戸惑いながらも惹かれていくのも、クリステン・スチュワート演じる女性が夢中になるのも理解できる描写だったのが良かったです。ディーン役の役者さんも魅力ありました。
そして色々あるんですが、私が一番好きだったシーンは、アレン・ギンズバーグが(!)サルとサシで呑んでいて、ディーンに友人以上の気持ちを持っていると語るシーン。その声のトーン、表情、なんか感動するくらい素晴らしかったです。アレン役はイギリス人俳優のトム・スターリッジ。彼、なかなかやりますよ。
それで、beat という語なんですけど、私は怒鳴るような叫ぶような感じで朗読するスタイルが打楽器的だからなんだと思っていたのですが、批評家の間では the word beat is in its literaly sense of tired and beaten down と思われているのだそう。ところが、原作者である Jack kerouac に言わせると sence of beatiful or blissful なのだそう。そしてこの映画はジャックのいうところが伝わってくる作りになっている点で良作なのではないかと思う。
音楽の使い方、カメラワーク、全体の色使いを明るくしているところが今までのイメージを変えてくれました。
Beat Generation の作品に興味が出てきたか?と聞かれれば微妙ですけどね。
3.5 out of 5
クリステン・スチュワート見直しました。「無表情で時々笑うだけ」ではなく女優を感じました。