私のお気に入り 2つ ご紹介します。
その1 : 「YASUHIROのマウンテンワールド」
その2 : 「山さ行がねが」
今回の奥穂高岳登山計画にあたって検討したときに参考にしています。
上高地入りの始発バスは沢渡6:36発で上高地バスターミナル7:05着。
上高地発の最終バスは6:00発だから正味行動時間は計算では11時間。
自分の遅い足では、始発バスではとても日帰りは無理。
だったらどうすれば早朝の上高地入りが可能なのか?
自分のお気に入りに「YASUHIROのマウンテンワールド」というHPがあります。
YASUHIRO先生は、山スキーのカリスマです。
この先生が上高地を起点として山に入る時は、自転車を利用しています。
例えば今年の5月に「奥穂・北穂ワンディ」というレポートがあります。
これだけではなく、北鎌尾根ですら日帰りでこなすスーパーマンです。
この先生は、上高地へのアプローチにいつも自転車を利用しています。
先生の凄いパワーと技術はともかく、アプローチを真似しない手はありません。
奥穂高岳の日帰りは、早朝に上高地まで自転車で入ることで容易に実現できます。
(実際には自分の場合、はーはー・ひーひーであったことは言うまでもありませんが。)
ところで、自転車で釜トンネルを通っての上高地入りとなりますがこの「釜トン」については
やはり、お気に入り「山さ行がねが」でいろいろな事を知りました。
釜トンネルについての記述は
隧道レポート 釜トンネル <序> ~ 隧道レポート 釜トンネル 最終回 まで
7編に渡るレポートです。読んでいると次に次に進みたくなる面白いレポート。
是非、お時間ございましたらお読みください。
平成24年9月12日(水)
重太郎新道を登りつめ、紀美子平から吊尾根の縦走路に入る。
紀美子平を振り返る。
この斜面の真ん中に道がある。
最低コルの分岐。
下を除くと岳沢。小屋の上部には雪渓が残っている。
吊尾根はペイントが飛ぶところもあるが、おおむね判りやすい。
涸沢越しに北穂高岳。南稜コースもはっきりと見える。
涸沢ヒュッテと涸沢小屋。
前穂高岳を振り返る。
どこを眺めていても素晴らしい迫力のある峰々で大感激。
前穂高岳の北尾根。
「おおっ!」思わず唸る。
ついに槍ヶ岳が遠望できた。
槍ヶ岳のアップ。
マッターホルンのような頂。
北アルプスを代表する名山である。
そして、目の前には奥穂高岳の山頂。
ちょっとガスがかかったりする。
東稜の頭。
あれはジャンダルムか。
そのアップ。
やっと山頂が確認できた。
小さな穂高神社の社があって・・・・。
奥穂高岳・3190mの山頂。
涸沢岳~北穂高岳~槍ヶ岳に続く稜線。
間には難路で知られる大キレットがあるはず。
嬉しくてお決まりのパチリ1枚・2枚・・・・・
おまけに3枚。
登山者がお互いに写真を撮り合う。
いつもはそんなことはしないのだが、つい浮かれて・・・・。
ぐるりと360度のパノラマ ↓
この景色の中で腹ごなしだ。
たらこおにぎりを食べる。
旨い。
ふと気付くと登山者はもう誰もいなくなっていた。
槍ヶ岳も雲に隠れてしまった。
名残惜しいが下山しよう。
ちょっとガスが出てきた。
流れるようにガスがかかり、また青空が見える。
白ペンキのマークは問題なく確認できる。
視界が悪くなると厄介なところもある。
今日は大丈夫だ。
前穂高岳が近づいてくる。
白状すればもうとうに前穂高岳はパスと決めていた。
紀美子平から登り30分、下り20分なのであるが、圧倒的な高さにとっくにギブアップしていた。
紀美子平到着。
写真左に空身で登っている登山者がいる。
もちろん、パスの心は揺らがない。
なんと軟弱なことか・・・・。
さあ、下に見える上高地を目指して下山だ。
雷鳥広場・・・・雷鳥はいない。
岳沢パノラマ・・・・小屋が近づいてきたな。
これはナナカマドかしら。
などとのんきに下山していたら・・・・・・。
下から登ってきた登山者の方が「親子連れの熊がいるので気をつけて。」と知らせてくれる。
少し下ると単独の方1名とペアの方が登山道で立ち止まっている。
しきりに鈴を鳴らしおり「熊がいます。」と・・・・。
写真左端の下の黒いのが熊。
確かに熊がもそもそしいる。(カモシカの立場の少し上部)
しかし、熊までの距離は楽に100m以上離れていたと思う。
そのうちこちらが気になったのか少し向きを変えたと思う間もなく、藪の斜面をまっすぐに
こちらに向って駆けだしてきた。
凄い速さでこちらにくる。
「逃げろ!」
4名は、下りていた登山道を駆け上がるが熊はすぐ近くまで迫ってきた。
威嚇の?鼻息まではっきりと聞こえ、熊の黒光りした毛並みまで見える・・・・・。
逃げおおせるわけはない。
幸いなことに(他の3名には叱られますが)自分は、一番上にいたと思う。
瞬間、近くの手ごろな岩を抱えようかと思った。それ以外になにも思いつかなかった。
熊との距離は数十メートルか。
熊は、止まり、やがて戻り始める。
「助かった。」
そう思ったのは、私だけではなかったと思う。
熊は尾根の縁に立ち、小熊が2頭近寄って尾根の向こうに姿を消した。
その後、少し足が震えていたが、けっして疲労のせいではなかったと思う。
熊に威嚇されておそれをなした4名は集団下山。
もくもくと岳沢小屋までひたすら下り続けた。藪から物音が聞こえるたびにぎょっとしながら・・・・
その時は、熊鈴などまったく効果がなかった。たぶん、子連れの親熊だったからだろうか。
ほうほうの体で岳沢小屋に着く。
一しきり熊の話題でもちあがるが、無性に腹が減り、カレーライスを食べた。
山小屋でこのように食事をするのは記憶にない。
あとはひたすら上高地を目指す。
天然クーラーの風穴は手をかざすこともなく素通り。
登山道入り口に到着。
遊歩道を上高地までもう少し。
河童橋の手前で猿が道路をのっそり歩いていたのだが、熊かと思ってぎょっとした。
上高地は平日にもかかわらず大勢の観光客でにぎわっていた。
熊にはたまげたが素晴らしい山であったことには間違いない。
さあ、ここから自転車だ。
釜トンネルの下りはあっという間であったが、中ノ湯への登りは参った。
2回ほど押して無事帰着。
思い出深い奥穂高岳登山となった。
■今回のコースタイムです。
2:06 中ノ湯温泉下出発
3:05 上高地
3:42 前穂高岳登山道入り口
5:44 岳沢小屋
8:18 紀美子平
10:15 奥穂高岳
11:48 紀美子平
13:53 岳沢小屋
15:43 河童橋
16:35 駐車位置に帰着
■今日のルートです。クリックで大きくなります。
■そして今回の費用です。
2450円 道路通行料 八王子IC~松本IC
2450円 道路通行料 松本IC~八王子IC
3900円 ガソリン代(走行距離464km。燃費19.2km/L・ガソリン140円/Lとして)
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8800円 合計(飲食費含まず)
日本百名山 第82座 奥穂高岳 終わりました。
さてさて、次はどこを目指そうか。
平成24年9月12日(水)
北アルプス・奥穂高岳3190mに登る。
奥穂高岳への登山ルートはいくつかある。
日帰りを考えると、自分に可能なコースでは白出沢からのコースか
岳沢からのコースとなる。
今回は上高地まで自転車でアプローチして岳沢~重太郎新道をピストンすることとした。
深夜、国道158号線の中ノ湯温泉手前に駐車。
1時間ほど仮眠をして、上高地に向かう。
最初は釜トンネルを目指しての下り。
トンネルは夜間通行止めとなっているが歩行者や自転車は通行できるようにゲートの脇が
開いている。
釜トンネルに入るといきなり登り。
車が通行しないので道幅いっぱいにジグザグに登る。
トンネル内は全て登りだった。
大正池や帝国ホテルはバス停の看板で通過を確認。
人のいない上高地に到着。
霧雨が降っていて写真が上手く撮れないが、今日は天気予報は晴れのはずである。
自転車をデポして河童橋を渡り、歩きはじめる。
遊歩道は木道となっている。
霧雨も上がり、岳沢経由の登山道入り口に到着。
しばらくは整備された山道を進む。
三日月の月明かりだけではどうにもならない。
ヘッドライトと自転車用のライトを手にして暗い道を進む。
今日は、観光地?である上高地だから熊もいまいと思い、熊鈴は持参しなかった。
これは勝手な思い込みであることが後ほど判る。
空が白々としてきたころ西穂高岳の稜線と岳沢小屋が見えてきた。
振り返れば、上高地方面も幻想的な夜明け前の景色となっている。
岳沢小屋到着。
岩でできたテーブルに腰かけて一休み。
バルコニーは素晴らしい展望台となっている。
ここで軽く朝食、おにぎりを2つ。
こんな景色を見ながらの朝食は最高である。
左から霞沢岳・乗鞍岳・ちょこっと焼岳、そして上高地は雲の下。
乗鞍岳が近く見える。
今年の5月に行った時は春にもかかわらず厳しい雪山の状況だったが今は穏やかな顔である。
小屋の上には西穂高の稜線が覆いかぶさるような迫力である。
先は長い。
登りのきつい重太郎新道に向かう。
夏も終わろうとしているが花もまだ盛んであった。
途中、こんな梯子場。
振り返ると焼岳。
目の前に広がる険しい稜線。
西穂高~ジャンダルム~奥穂高の稜線歩きはハイカーの夢。
明神岳に遅い朝日が顔を出した。
上高地の雲もほとんど上がった。
ロバの耳とジャンダルムだろうか。
う~ん!凄い。
こちらは明神岳。
シルエットでみえる明神槍。
最後の鎖場を過ぎると紀美子平に到着。
目の前に奥穂高岳がそびえたつ。
吊尾根には、細く登山道が見える。
紀美子平を後にして、奥穂高岳に向かう。
ちょうど、吊尾根をこちらに向かってくる登山者が確認できた。
なんだか怖そう。
大丈夫だ。
一般登山道なんだから・・・・・・。
平成24年8月29日(水)
丸山を越え岩の多い登山道を進み・・・・・
遂に・・・・・
遂に到着。
悪沢岳3141m。
山頂には先客2名。
このあと中岳へ向かっていった。
AM10:59 なんとか明るいうちに帰れそうな時間であった。
お決まりのパチリ1枚。
疲れ果てた私。
ここにAM8:00までに到着したら赤石岳経由で下山しようと思っていた。
3時間のずれ。
大誤算。
妄想だった計画。
体力・スピード・気力・根性・・・・・・・すべて不足していた。
ああ、富士山が隠れてしまった。
忌わしい赤石岳も隠れてしまった。
↓ ぐるり1周の山頂からの展望動画。
ゆっくりしていられない。
長い長い下山が待っている。
そして林道のサイクリングも。
できれば明るいうちに下りたい。
ここまで頑張って登頂して、山頂滞在時間10分ほどのタッチアンドゴー。
さあ!下山開始。
丸山までは岩交じりの登山道。
素晴らしい雰囲気の稜線散歩。
へとへとに疲れているが楽しい登山道。
そこここに咲くお花。
のっぺりした丸山はすぐ。
千枚岳とわずかに見える富士山。
このトラバース道はお花畑で素晴らしい。
こんな花に見とれて歩くと危険。
砂と小砂利でざれた登山道の斜面はきつく、うっかり滑り落ちたら大変だ。
疲れた足がもつれぬ様、注意が必要だった。
千枚岳を過ぎ、千枚小屋まで下る。
「冷えたビールあります。」と看板がかかっていた。
そりゃ、飲みたいよ。
でも、飲んだら下山できそうにない。
ぐっと我慢してCCレモンを注文。
ハムカツパンを食べて体力回復・・・・・しなかった。
見晴台。
残念ながら山は見えなかった。
下山は辛かった。
途中、大声で叫ぶ。
「自分で歩かなければ帰れない~~。」
いいかげん嫌になったころ、最後にこんな岩場。
岩頭見晴し。
登っていた時は真っ暗だった。
そして、奥西河内にかかる吊り橋。
ここも真っ暗だったが、けっこう板が薄い感じで思わずワイヤロープをたぐった。
そして滝見橋に到着。
ふー。
きっと橋から滝が見えるのだろう。
行く気はまったく起こらなかった。
足指の詰めは2枚以上死んでいるはず。
下山が辛かった。
まだ、駐車場まで楽しい??????林道サイクリングが残っている。
やっと帰着。
悪沢岳の感想
悪沢~赤石とセットで妄想していたため、現実の体力を実感するよい山行となった。
次こそ・・・・という思いがない訳でもなく、妄想癖はなくなりそうもない。
南アルプスは山が大きく感じる。
この大きな山々の稜線縦走はさぞかし素晴らしいものであろうことは想像できる。
辛い山行であったが、よい思い出・好印象の山であった。
■今回のコースタイムです。
0:31 畑薙湖のゲート
2:28 椹島・滝見橋登山口
5:58 清水平
8:45 千枚小屋
9:44 千枚岳
10:27 丸山
10:59 悪沢岳
12:08 千枚岳
12:48 千枚小屋出発
14:36 清水平
16:57 滝見橋登山口
18:47 駐車場帰着
■今日のルートです。クリックで大きくなります。
■そして今回の費用です。
130円 道路通行料 八王子バイパス
1800円 道路通行料 厚木IC~新静岡IC
1200円 道路通行料 道を間違え1国に入り○○IC~厚木IC
130円 道路通行料 八王子バイパス
3900円 ガソリン代(走行距離468km。燃費16.8km/L・ガソリン140円/Lとして)
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7160円 合計(飲食費含まず)
帰りはどこを通ったのかよく判らない。ナビ任せでミスコースばかりした。
今回のN Box燃費が悪く、調子が良くない。
日本百名山 第81座 悪沢岳(荒川岳・東岳) 終わりました。
さてさて、次はどこを目指そうか。
平成24年8月29日(水)
南アルプスの悪沢岳に登る。
悪沢岳(荒川岳・東岳)3141mは日本第6位の高峰であり、アプローチから山頂までハード。
一般的には椹島から赤石岳~悪沢岳を周回して登るケースが多い。
これを日帰りで行うとなるとなかなか面倒なことがある。
畑薙ダムからのバスは、東海フォレストの運営する山小屋に泊まらなくてはならない。
宿泊とバスがセットになるのである。
宿泊しなければならないということは・・・・日帰りが面倒な訳である。
椹島以外のコースとなれば小渋沢のコースが考えられるが、ここは腰までの渡渉を繰り返す
沢歩きになり自分の技量では無理。帰路で夕立でも降ったらもう戻れなくなる。
そのほか三伏峠や二軒小屋からのルートが考えられるがもうこれは体力的に無理。
ヤマレコなどの記録によると自転車を利用して登山する方法がある。
畑薙第1ダムに駐車、そこから椹島まで自転車で移動する方法。
そこで、今回はそれを参考に計画を立てた。
上手くいけば悪沢~赤石と周回できるかも・・・・・。
計画時は本気で考えていた。
結果は妄想だった。
前段が長くなってしまった。
28日、会社を早退し自宅をPM6:29に出発。
16号バイパスから厚木インター経由で新東名の新静岡から畑薙第1ダムへ。
到着がPM12時少し前。
第一の誤算。
出発は午前0時を予定していたので仮眠が全く取れなかった。
自転車を組み、サンドウィッチを掻き込み、急いで出発したがAM0:30をまわってしまった。
深夜の畑薙第1ダム・ゲート脇の駐車場。ありがたいことに月が出ている。
登山ポストに届を出し、自転車で出発。
登る前に自転車で足を使ってしまわぬよう、きついと思った登りは躊躇わず押す。
途中、黒い動物がガサガサしてびびった。
あれはなんだったんだろう?
気付いたら椹島を通り越し、滝見橋の登山口に着いてしまった。
あわてて椹島まで戻り始めたが、よく考えれば戻る必要は全くない。
自転車を道路脇に駐輪し、登山開始。
ところが歩き始めてすぐに「こりゃーだめだ。」と気付く。
自転車こぎで足にきていた。
牛の歩みで(普段でもそうだが)はーはー真っ暗な登山道を登り続ける。
遅すぎる。
清水平到着。
このベンチでうっかりと5分ほど寝込んでしまった。
起きてよかった。
あたりは明るくなり始めたがまだまだ先は長い。
「千枚小屋まで3時間かよ!」
道標に毒づく自分がみじめ。
見晴台下から木の間越しに赤石岳だろうか。
人声が聞こえるが上に行くのは控える。
先を急ごう。ここは帰りに見れば良い。
(つまり、この辺で赤石への周回はとうに諦めていた訳だ。)
地形図には池とあるが草原のよう。
トリカブトがたくさん咲いている。
ここで1/7から始まっていた看板が7/7となった。
しかし、標高2500m。
まだ600mもあるではないか。
そろそろ、息絶え絶え。
「おっ、富士山!」
なぜだか富士山を見ると元気が出る。
よし、頑張ろう。
千枚小屋到着。
ここで水を補給する。
今日は2.35Lの水とゼリー飲料4袋持ってきている。
その他、パン6切れと非常食である。
小屋の前から富士山がばっちり。
この小屋に宿泊したら素晴らしい夜明けが迎えられそう。
ふーん、素晴らしい。
しかし、まだ先は長い。
先を急ごう。
とっくに諦めていた赤石岳がドーンと聳える。
行ける訳がない。
こちらは悪沢岳。
なんとか行けそうな感じ。
千枚岳到着。
ここからの富士山も素晴らしい。
まだまだ先だぞ、急げ急げ。
目の前に聳える悪沢岳。
トラバース道の花畑。
なかなか近づかない。
赤石岳山頂にはガスがかかった。
振り返ると千枚岳越しに富士山。
富士山は見えるとどうしてもシャッターを切ってしまう。
丸山到着。
もう、悪沢岳は目の前。