平成29年8月22日(火)
北アルプスの赤牛岳(2864m)は、メジャーな山ではない。
北アルプスの最奥ともいえるアプローチの不便さがその理由
であろう。強者は、日帰りで登ることも可能らしいが、その
人達は、言ってみれば「人間ではない!」ので参考にはなら
ない。自分の場合は、最近特に体力の無さを感じるところから
ぬるい2泊3日の行程で登ることとした。
まあ、楽勝だろう・・・・のはずであった。
赤牛岳へのアプローチは2通り。
南の水晶岳を経由して来るコース・黒部湖から読売新道を登るコース。
その他、高天が原温泉から登るコースもあるが一般路ではない。
自分は、黒部湖経由で読売新道を登り、水晶から野口五郎~烏帽子岳
をまわって、高瀬ダムに下山するコースとした。
黒部湖が出発点のため、扇沢に入り、駐車場に車を2日間置くこととする。
朝、7時30分発のトロリーバスで黒部湖へ向かう。
観光客は、平日で少ないそうであるがさすがに人気の観光地。
黒部ダムについて、本日の宿泊予定の奥黒部ヒュッテと翌日の
宿泊予定地の水晶小屋へ予約の電話を入れる。
落差日本一の黒部ダム。夏のシーズンの観光放水。
目指す赤牛岳は、黒部湖の奥にそびえて見えるはずだった・・・
こちらの写真は、26年7月22日に剱岳登山の時に見えた
遥かなる赤牛岳。静かな湖面に逆さ赤牛?として見えた。
今日の天気予報は、午後から雨。明日も明後日も良くない・・・
かんぱ谷橋を渡って黒部湖西岸を南に進む。
この手前に湖の観光遊覧船の発着場所がある。
しばらくでロッジくろよん。ここは素通り。
平ノ小屋までの道は結構、起伏があって楽ではない。
湖には観光遊覧船「ガルベ」がすいすいと走っていく。
木のトンネル。湖の向こうに見えるのは針ノ木だろうか?
中の谷の橋を渡るとしばらくして針ノ木沢への渡船場。
平ノ小屋到着。
12時の船に乗船予定であったが11時半前に着いた。
ここのベンチで昼食をとって船の時間を待つ。
時間前に渡船場に戻って船頭さん(平ノ小屋のご主人らしい)を
待つが、12時になっても来ない。
「少し遅れるのかな。」
12時10分くらいに荷物を置いたまま平ノ小屋に声を掛けに
行った。ドアを開けて「こんにちは~」と声をかけるも返事
がない。この間に船が出発したらどうしようかと心配になり
慌てて渡船場に戻る。
12時15分、針ノ木谷からの出船時間でありいくら何でも遅すぎる。
12時20分過ぎに、再度、平ノ小屋に様子を見に行く。
窓からご主人が見えたので「あの、船は・・・・・・・?」と
尋ねると「あ、乗船される方いたんですか。気づかなかった。」
え~~~。
そんなこんなの渡船であったが、無事、対岸へ渡ることができた。
対岸の登山道に着いても道標もなく、まあ、南へ(右へ)行けば
いいのだから・・・と歩き始める。こちら側も起伏が激しく
これでもかというほどに木製階段が掛けられている。
東沢谷を渡ると奥黒部ヒュッテのテントサイト。
このころ、雨が降り出してきた。
本降りの前に小屋に到着。一安心の初日であった。
ロッジの宿泊者は自分を入れて6名。自分以外は釣りがメイン。
テント泊の釣り人さんも来て、釣りたてのニジマス・イワナの
お刺身のお相伴に預かった。もちろん、ビールもね。
ただ、この釣りの人はハイカーとはレベルの違う人たち。
上の廊下の遡行は当たり前の話で・・・・
「上の黒ビンガをぽこぽこ叩いてさ。」
「え、なに。」
「ボルトを打ち込んでさ、初登を狙ってさ。」
「へー、そうなんだ。」
「今じゃ、登攀する人なんていないけど初物は冠がついてさ。」
長野県警山岳遭難救助隊の元メンバーの方もいた。
釣り人、恐るべし。猛者たち!!!
そんな中、自分の発言。
「お刺身、美味しいですね。身がしこしこしていて。」
お勉強させていただきました。
ところで、自分が、明日、読売新道から赤牛岳に向かうことを
話すと、周りの猛者たちの参考の話が・・・とても気になる。
「気をつけろよ。木があってよく判らないけど
両脇、すっぱり落ちているぞ。」
とか
「木の根は滑るし、岩も滑る。雨が降りゃ、道は沢だぞ。」
とか
「70過ぎのハイカーが降りてこないんで探しに行ったら
途中でうずくまっているのを見つけてさ。」
とかとか・・・・・・・
さあ、明日は雨かもしれない読売新道だ。
<<< その②へ続く >>>
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