船上の彼らの胸は、戦闘の興奮で躍り弾んでいた。
船団は、危険を予想した海域においての敵まち、遊弋を止め、パリヌルスの船も船首を進路方向に転じて航走に移った。船団は、彼の指示により、北北西に進路をとり、トロイ沿岸から遠ざかりつつ、レムノス島の北端の岬を目指した。トラキアのエノスを目指す船団の北エーゲ海の気象条件を考慮した航海計画であった。
海も波打ってきている、漕ぎ手たちは風を欲していた。ここでもパリヌルスの考えと幸運が図にあたった。中天をめがけて昇りつつある太陽は、暑熱を北へ向かう船団に浴びせている。待ち望んだ南からの風が、荒れをたずさえて訪れた。
パリヌルスが声を上げる。
『帆を上げろ!』
帆は、南からの微風をはらみ始めた。
指示を終えたパリヌルスは、アエネアスの傍らに腰を下ろした。
船団は、危険を予想した海域においての敵まち、遊弋を止め、パリヌルスの船も船首を進路方向に転じて航走に移った。船団は、彼の指示により、北北西に進路をとり、トロイ沿岸から遠ざかりつつ、レムノス島の北端の岬を目指した。トラキアのエノスを目指す船団の北エーゲ海の気象条件を考慮した航海計画であった。
海も波打ってきている、漕ぎ手たちは風を欲していた。ここでもパリヌルスの考えと幸運が図にあたった。中天をめがけて昇りつつある太陽は、暑熱を北へ向かう船団に浴びせている。待ち望んだ南からの風が、荒れをたずさえて訪れた。
パリヌルスが声を上げる。
『帆を上げろ!』
帆は、南からの微風をはらみ始めた。
指示を終えたパリヌルスは、アエネアスの傍らに腰を下ろした。