船団は、危険度をはらんだ快調さで北のエーゲ海を航走していた。サモトラケ島が左前方に見えてきた。イムロス島は、後方に去っていた。船団の前方には、夏の太陽に照らされている大陸が茫洋とかすんで見えていた。それとは対照的に、船上の彼らの目には、海洋が空の色にも映えて青く輝いていた。彼らは、はるか遠い景色に心を馳せるとともに青く美しく輝く海に見とれた。
誰かがつぶやいた。
『海は、どうして青いのか、それにしても美しい!』 感動の言葉を吐いた。
この一言を耳にした者も、その言葉に同調した。
荒れる海の怖さ、生きているこの身を奈落の底に喰い込もうと絡みつく波の手、高みから襲いかぶさり破壊する波の力、いま、見ている海からは、その恐怖は感じ取れないが『俺を甘く見るな』と大自然の、その偉大な力をふくみ蓄えている、何者かであることを知らしめていた。
手に汲み取る海の水は、色はなく透きとっているのに、『海がどうして青く見えるのか。』彼らは、しばし、頭の片隅で考えた。
誰かがつぶやいた。
『海は、どうして青いのか、それにしても美しい!』 感動の言葉を吐いた。
この一言を耳にした者も、その言葉に同調した。
荒れる海の怖さ、生きているこの身を奈落の底に喰い込もうと絡みつく波の手、高みから襲いかぶさり破壊する波の力、いま、見ている海からは、その恐怖は感じ取れないが『俺を甘く見るな』と大自然の、その偉大な力をふくみ蓄えている、何者かであることを知らしめていた。
手に汲み取る海の水は、色はなく透きとっているのに、『海がどうして青く見えるのか。』彼らは、しばし、頭の片隅で考えた。
