『アエネアス殿。そのような用件で、ここに参られたのか。話は、お受けした。私は、いずれにも加担はしない。干戈を交えて、戦う以上、勝たねばなりません。貴方を頼っている者たちを悲しみのどん底に追いやってはいけません。勝ちなさい!それだけ言い添えます。』
エノゼリアスとアエネアスは、初対面でありながら、互いに民の頂点に立つ者として、心の通じ合うものがあった。
用件は終わった。アエネアスは、丁重に礼を述べ、砦を後にした。帰路エノスの集落の中を通った。集落は、おちつきのある景色と雰囲気をかもしていた。彼の頭の中には、トロイの街が、人々のたたずむ街角が、人情の紡ぐ風情が思い出された。集落を通り過ぎた二人は、帰途を急ぎはじめた。太陽は、中天にかかろうとしていた。
この頃、トロイを出航していたラミドトスの船団は、南からの風を受け、泡立つ航跡を残し、順調な航海を続けている。船団は、イムロス島の東を通過していた。船上には、トロイで得た戦利品が夏の陽に焼かれていた。
太陽が中天を過ぎる頃、進行して行く右にチエロネシタの岬を見て、航程の半分を終えたことを知った。船団は太陽の方向をチェックしながら順調に北上して行った。
エノゼリアスとアエネアスは、初対面でありながら、互いに民の頂点に立つ者として、心の通じ合うものがあった。
用件は終わった。アエネアスは、丁重に礼を述べ、砦を後にした。帰路エノスの集落の中を通った。集落は、おちつきのある景色と雰囲気をかもしていた。彼の頭の中には、トロイの街が、人々のたたずむ街角が、人情の紡ぐ風情が思い出された。集落を通り過ぎた二人は、帰途を急ぎはじめた。太陽は、中天にかかろうとしていた。
この頃、トロイを出航していたラミドトスの船団は、南からの風を受け、泡立つ航跡を残し、順調な航海を続けている。船団は、イムロス島の東を通過していた。船上には、トロイで得た戦利品が夏の陽に焼かれていた。
太陽が中天を過ぎる頃、進行して行く右にチエロネシタの岬を見て、航程の半分を終えたことを知った。船団は太陽の方向をチェックしながら順調に北上して行った。
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