『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

   *5月4日、5日の両日投稿を休みます。*

2011-05-03 08:50:55 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 5月4日、5日の両日『トロイからの落人』の投稿を休みます。
 何卒宜しくお願いいたします。

                   山田 秀雄

第3章  踏み出す  72

2011-05-03 07:24:20 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスは広間に姿を見せた。
 『あっ、統領、おはようございます。朝食の準備が出来ました。もう皆が来ると思います。今朝のパンは念入りに火加減を見て焼き上げました。うまさに自信です』
 『おっ、オロンテスおはよう。昨夕はえらく世話をかけたな』
 『いえ、とんでもありません』
 『あのような食事の場はお前でないとうまくいかない。お前のおかげで皆がとても旨いといって喜んでくれる。ありがたいことだ』
 『そのように言っていただいて私はすごくうれしい。ところで、いかがですか。パンに余分がありますが』
 『そうか、余分があるか、あればひとつもらおう。狩にでている間、焼きあがったばかりのパンを口に出来なったからな』
 『どうぞ!』 
 受け取るやいなや、さっそく口に運んだ。
 『うまい!これはうまい、オロンテス、ありがとう』
 入り口に皆が顔を見せた。
 『おはようございます』『おはよう』
 皆が朝の挨拶を交わして席についた。一同が起立して
 『統領、おはようございます。夕べは大変ご馳走様でした』
 『おう、皆、おはよう。礼には及ばんよ。さあ~、朝めしを始めよう。この焼きあがったパンの香りで腹が声を上げている』
 『さあ~、皆、いただこう』
 一同、一斉に焼きあがったいい香りを放つパンを口に運んだ。
 皆が『うまい、うまい』 を連発してパンをほおばった。
 『夕べの鹿は旨かったな。あのような旨い鹿が食べられるのなら、統領、これからも、ちょくちょく狩に出かけられてよろしくお願いします』
 『お前ら何を言うか、あの鹿は天からの頂き物だ。旨かったか。そうであろう。俺も大変に旨かった』
 皆は、いろいろと話を交わしながら朝飯を終えた。