『アレテス、話によると、メネラオスとオデッセウスはまだ、それぞれの国に帰っていないのか。奴らはこの海のどこをうろうろしているのか。俺たちが船旅に出て、海上で出会うのは避けたいのだが』
ここでパリヌルスが話の間に割り込んできた。
『統領、それは全く気にしないでもよろしいと思いますね。このエーゲ海、多島の海域では、嵐と座礁の危険はありますが海路を迷うことはありません。しかし、クレタの南の海域では、風で追いやられたり、沿岸の風景の見当を間違えたりしたら、船がどこに向かっているか、またまた、西へ流されたり、東へ流されたりして、広い海を当てもなくさまようのです』
『ふう~ん、そうか。俺たちの目指すエスペリアはどこか、クレタにあるのか、はたまた、クレタのはるか西ではないのかと思っている。パリヌルス、どうだ。お前に言っておいたクレタの西についての話は、うまく聞き出せたのか』
『それについては、テカリオンと話しましたが、彼も詳しくは知ってないようでした。いまはまだ、想像の領域を出ない話で終わっています。次の交易の折には、もう少したしかな情報を持ってくると思っていますが』
『判った、見ず知らずの海に向かうということは大変なことだ。あとのことは頼んだぞ、パリヌルス』
ここでパリヌルスが話の間に割り込んできた。
『統領、それは全く気にしないでもよろしいと思いますね。このエーゲ海、多島の海域では、嵐と座礁の危険はありますが海路を迷うことはありません。しかし、クレタの南の海域では、風で追いやられたり、沿岸の風景の見当を間違えたりしたら、船がどこに向かっているか、またまた、西へ流されたり、東へ流されたりして、広い海を当てもなくさまようのです』
『ふう~ん、そうか。俺たちの目指すエスペリアはどこか、クレタにあるのか、はたまた、クレタのはるか西ではないのかと思っている。パリヌルス、どうだ。お前に言っておいたクレタの西についての話は、うまく聞き出せたのか』
『それについては、テカリオンと話しましたが、彼も詳しくは知ってないようでした。いまはまだ、想像の領域を出ない話で終わっています。次の交易の折には、もう少したしかな情報を持ってくると思っていますが』
『判った、見ず知らずの海に向かうということは大変なことだ。あとのことは頼んだぞ、パリヌルス』