パリヌルスは、しばし、没我の境地にいた。
『隊長、如何がされましたか?』
部下がパリヌルスの目線に合わせて、傷んでいる『衝角』を見つめた。
『あ~、『衝角』も傷がついていますね。あのとき、敵の船を二つ折りにしたときの傷ですね』
彼は、感慨ふかげにつぶやいた。
『ところで隊長、帆柱、根元前部の竜骨のところを見てください』
彼らは、船体の中央部に移動した。
『うっう~ん、これは思ったより重傷だな。だが、修理は思いのほか簡単にいけそうだ。修理すれば以前よりも強度が増す。よしっ、修理作業を急げっ!禍い転じて、いい結果に向かう。修理部分の木組みを考えてやるのだ、判ったか』
『判りました。万全を期してやります。期待してください』
『お前、なかなか言うようになったな。任せる、細部に気を配ってやるのだ』
パリヌルスは、砦に戻っていった。
『イリオネスと話し合っておかねばならん』
彼の考えは、各船に乗船させる人数の調整をしておかねばならないと気づいたからであった。砦に戻った彼は、即刻、オキテスとオロンテスを呼び寄せて、打ち合わせにはいった。
パリヌルスは、オキテスに問いかけた。
『オキテス、お前が点検した各船の状態はどうだ。実はだな、俺の点検した船はだな。第一船と第三船は、何の不具合もない。だが、第二船のことだ』
彼は、ここで言葉を切って、居並ぶ三人の目をじい~っと見つめた。
『隊長、如何がされましたか?』
部下がパリヌルスの目線に合わせて、傷んでいる『衝角』を見つめた。
『あ~、『衝角』も傷がついていますね。あのとき、敵の船を二つ折りにしたときの傷ですね』
彼は、感慨ふかげにつぶやいた。
『ところで隊長、帆柱、根元前部の竜骨のところを見てください』
彼らは、船体の中央部に移動した。
『うっう~ん、これは思ったより重傷だな。だが、修理は思いのほか簡単にいけそうだ。修理すれば以前よりも強度が増す。よしっ、修理作業を急げっ!禍い転じて、いい結果に向かう。修理部分の木組みを考えてやるのだ、判ったか』
『判りました。万全を期してやります。期待してください』
『お前、なかなか言うようになったな。任せる、細部に気を配ってやるのだ』
パリヌルスは、砦に戻っていった。
『イリオネスと話し合っておかねばならん』
彼の考えは、各船に乗船させる人数の調整をしておかねばならないと気づいたからであった。砦に戻った彼は、即刻、オキテスとオロンテスを呼び寄せて、打ち合わせにはいった。
パリヌルスは、オキテスに問いかけた。
『オキテス、お前が点検した各船の状態はどうだ。実はだな、俺の点検した船はだな。第一船と第三船は、何の不具合もない。だが、第二船のことだ』
彼は、ここで言葉を切って、居並ぶ三人の目をじい~っと見つめた。
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