『いえいえ、あなた方に礼を申し上げなければならないのは私たちのほうです。あなた方は私たちに本当によくしてくれました。私どもがお礼の言葉をさがしても見当たらないくらいに感謝しています。イリオネスさん、あれは圧巻でしたね。あのでっかいアーモンドの森、あれは私どもにとって、とてつもないでっかい財産です。それから、サモトラケの海賊退治、あれで、どれだけ安心の日々を過ごしたことか、本当に有難うございました。また、魚の干物造り、そして、交易のこと、浜と集落あげての懇親会等、短い間でしたが、数えあげればきりがありません。本当に有難うございました。重ねてお礼を申しあげます。別れが惜しまれます。別れは人の常なりと言いますが、別れはこの上なく残酷ですね。私たちのつながりを否応なしに引き裂きます。有難うございました』
『そのように言われると、俺たちもここを離れがたい。前途にどのような困難があろうとも行かねばならないのが、我々の使命であり、宿命である。我々が抗することができないものから授けられた命運でもあると思っています。トリタス、風で運ばれてくる便りを聞いて、我々が使命を達成するよう祈ってくれ』
『判りました。あなた方が願望を達成されることを祈って止みません。二人でこのように話をしていると、本当に別れのときが来るのかと心の奥底で思われます』
二人の会話は、尽きせぬ思い出で語られた。
『そのように言われると、俺たちもここを離れがたい。前途にどのような困難があろうとも行かねばならないのが、我々の使命であり、宿命である。我々が抗することができないものから授けられた命運でもあると思っています。トリタス、風で運ばれてくる便りを聞いて、我々が使命を達成するよう祈ってくれ』
『判りました。あなた方が願望を達成されることを祈って止みません。二人でこのように話をしていると、本当に別れのときが来るのかと心の奥底で思われます』
二人の会話は、尽きせぬ思い出で語られた。
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