『俺たちが船を付けたこの辺りだけかも知れないが、岩石だけが目立つ島だな。昨夜は大変であったろう』
『いや、真っ暗闇の中で松明の灯りを頼りに停泊の場所探しは、大変であったことは間違いありません。苦労したのは、ギアスと彼の部下たちです。彼らは一風変わったこの島の状態を懸命に調べてくれたからです』
『そうか、それは大変だったな。隊長として充分にねぎらってやってくれ』
『ところで軍団長、朝食を陸にあがって皆に摂らせようと考えているのですが』
『いいだろう、そうしよう。手配はオキテス、お前がやるのか』
『私は副長に指示するだけですが。オロンテスの気配りが効いて、苦労せずに出来ます』
『よろしく頼む』
手際よく朝食が配られた。手際がいいはずである。朝食といっても堅パンと副菜の魚の干物の焼いたものであった。彼らは極めて空腹であった。パンをかじり、咀嚼して胃におさめた。
『朝食を終えたら打ち合わせだ。主だった者たちを集めてくれ』
『判りました』
デロス島の空は抜けたように高く晴れていた。
『いや、真っ暗闇の中で松明の灯りを頼りに停泊の場所探しは、大変であったことは間違いありません。苦労したのは、ギアスと彼の部下たちです。彼らは一風変わったこの島の状態を懸命に調べてくれたからです』
『そうか、それは大変だったな。隊長として充分にねぎらってやってくれ』
『ところで軍団長、朝食を陸にあがって皆に摂らせようと考えているのですが』
『いいだろう、そうしよう。手配はオキテス、お前がやるのか』
『私は副長に指示するだけですが。オロンテスの気配りが効いて、苦労せずに出来ます』
『よろしく頼む』
手際よく朝食が配られた。手際がいいはずである。朝食といっても堅パンと副菜の魚の干物の焼いたものであった。彼らは極めて空腹であった。パンをかじり、咀嚼して胃におさめた。
『朝食を終えたら打ち合わせだ。主だった者たちを集めてくれ』
『判りました』
デロス島の空は抜けたように高く晴れていた。