続いて、イリオネスが話し始めた。
『我ら一行は、いま、オキテスが言ったとおり今日一日、統領に随行して出かけてくる。よろしく頼む。私からは特に言うことはない。オキテスの指示に従ってくれ』
『オキテス、そういうわけだ。我らは程なく出かける。以上だ』
『判りました。道中、気をつけてください』
『判った、有難う』
打ち合わせには時間がかからなかった。
見渡すかぎり岩石だけの島らしい。晩秋の風が吹きすぎていく。海は青く耀き、空は高かった。
イリオネスが太陽を仰いだ。
『うっう~ん、ちょっと刻がわかりにくい。太陽の位置が夏の頃に比べて低い位置にあるからな。あれを使って確かめる』
彼は、袋の中から、方角時板を取り出した。
『ギアス、ちょっと手を貸せ』
時板を大岩の上に置き、ギアスに抑えさせ安定させた。彼は磁石の鉄の棒をおもむろに吊り下げ、方角を定めた上で時板の中心に立っている棒がつくる影を見つめた。
『ほっほう、昼までこれだけの刻がある。ギアス、統領たちをお連れしてくれ。もう旅の支度が出来ているはずだ』
『判りました』
彼は舟艇に乗って船へと向かった。
『我ら一行は、いま、オキテスが言ったとおり今日一日、統領に随行して出かけてくる。よろしく頼む。私からは特に言うことはない。オキテスの指示に従ってくれ』
『オキテス、そういうわけだ。我らは程なく出かける。以上だ』
『判りました。道中、気をつけてください』
『判った、有難う』
打ち合わせには時間がかからなかった。
見渡すかぎり岩石だけの島らしい。晩秋の風が吹きすぎていく。海は青く耀き、空は高かった。
イリオネスが太陽を仰いだ。
『うっう~ん、ちょっと刻がわかりにくい。太陽の位置が夏の頃に比べて低い位置にあるからな。あれを使って確かめる』
彼は、袋の中から、方角時板を取り出した。
『ギアス、ちょっと手を貸せ』
時板を大岩の上に置き、ギアスに抑えさせ安定させた。彼は磁石の鉄の棒をおもむろに吊り下げ、方角を定めた上で時板の中心に立っている棒がつくる影を見つめた。
『ほっほう、昼までこれだけの刻がある。ギアス、統領たちをお連れしてくれ。もう旅の支度が出来ているはずだ』
『判りました』
彼は舟艇に乗って船へと向かった。