『判りました。諸君、そのようなわけだ。我々がデロスを出航するのは、明朝、陽の出の刻とする。いいな』
オキテスはぐっと押した。
『そのあとパリヌルスの船団が後続することになっている。いいな』
オキテスは一同と目を合わせた。
『軍団長、以上です。続いて、彼の紹介を願います』
『お~お、今、ここにいるこの男を紹介する、皆よろしく頼む。この者は名をクリテスと言う、クレタ島出身の者だ。デロスのアポロン神の神官の引き合わせで我々の大事を手伝う。一同よろしく頼む』
彼らは名を名のり、手を握り交わして気持ちを通じ合わせた。
『では、念押しだ。明朝、陽の出の刻、デロスを出航する、いいな!アミクスにギアス、皆に伝えてくれ。では場を解く』
『判りました』
『軍団長、この旨、統領によろしくお伝えください』
『判った』
秋の夜は静かに更けていく、冴えた月照は、荒涼としたデロス島の風景を照らし出していた。
デロス島の東には島嶼が少ない。昇り来る朝陽の第一射が届いた。彼らの船はデロスの停泊地の岸を静かに離れた。船は船首を真っ直ぐ南に向けて航走し始めた。船を押す風は微風である、彼らは漕いだ。調子をとる木板の打音は朝のしじまを破って響いた。舟艇は先行く船の右手後方に位置して続いた。
オキテスは、5スタジオンくらい離れて遊弋してくるパリヌルスの3隻の船影を認めていた。
オキテスはぐっと押した。
『そのあとパリヌルスの船団が後続することになっている。いいな』
オキテスは一同と目を合わせた。
『軍団長、以上です。続いて、彼の紹介を願います』
『お~お、今、ここにいるこの男を紹介する、皆よろしく頼む。この者は名をクリテスと言う、クレタ島出身の者だ。デロスのアポロン神の神官の引き合わせで我々の大事を手伝う。一同よろしく頼む』
彼らは名を名のり、手を握り交わして気持ちを通じ合わせた。
『では、念押しだ。明朝、陽の出の刻、デロスを出航する、いいな!アミクスにギアス、皆に伝えてくれ。では場を解く』
『判りました』
『軍団長、この旨、統領によろしくお伝えください』
『判った』
秋の夜は静かに更けていく、冴えた月照は、荒涼としたデロス島の風景を照らし出していた。
デロス島の東には島嶼が少ない。昇り来る朝陽の第一射が届いた。彼らの船はデロスの停泊地の岸を静かに離れた。船は船首を真っ直ぐ南に向けて航走し始めた。船を押す風は微風である、彼らは漕いだ。調子をとる木板の打音は朝のしじまを破って響いた。舟艇は先行く船の右手後方に位置して続いた。
オキテスは、5スタジオンくらい離れて遊弋してくるパリヌルスの3隻の船影を認めていた。