アレテスがパリヌルスを呼びに姿を見せた。
『パリヌルス隊長、一同、揃いました』
『おっ、そうか。よしっ、いま行く。お前、オキテスに声をかけていってくれ。俺は、オロンテスを連れて行く』
パリヌルスは、オロンテスをねぎらいながら、船長、副長ら一同が集まっている場へ歩を運んだ。
『おうっ、諸君!ご苦労。皆いるな、打ち合わせを始める。先ほども言ったように、クレタ島への航海も最終段階に至った。あと、2日~3日の航海でクレタ島の西部ハニアあたりの浜に着く。明朝は天候の具合を見たうえで朝食を終えたら、この浜を後にする。明日の目指す停泊地は、ミロス島の浜である。順調に航走すれば、昼過ぎにはミロス島の浜に着く』
パリヌルスは言葉を切って一同を見渡した。
『ミロス島からクレタ島のハニアまでは、島ひとつない海原を真っ直ぐに南下する。この海域では嵐にあいたくない。もしだ、もしそのような事態に至った場合は、船団はつながりが断たれ、海原を漂い、どこに行き着くか、全く判らん。また海の藻屑となってしまう。それ故に我々は、天候に気を配って航海を続けている、判るな。そのようなわけで2日の航海に3日の予定としている。早朝にミロス島を出航すれば、日没の頃にはクレタ島のハニア近辺の浜に着く。明朝の出航については、船団はこの浜から南西に向かってミロス島へと進む、いいな。以上だ』
『判りました』
力強く返事が返ってきた。
パリヌルスは、各自と目線を合わせて頷きあった。彼の思いは、何としてもこの航海を無事に成し遂げたい。その一念であった。
『パリヌルス隊長、一同、揃いました』
『おっ、そうか。よしっ、いま行く。お前、オキテスに声をかけていってくれ。俺は、オロンテスを連れて行く』
パリヌルスは、オロンテスをねぎらいながら、船長、副長ら一同が集まっている場へ歩を運んだ。
『おうっ、諸君!ご苦労。皆いるな、打ち合わせを始める。先ほども言ったように、クレタ島への航海も最終段階に至った。あと、2日~3日の航海でクレタ島の西部ハニアあたりの浜に着く。明朝は天候の具合を見たうえで朝食を終えたら、この浜を後にする。明日の目指す停泊地は、ミロス島の浜である。順調に航走すれば、昼過ぎにはミロス島の浜に着く』
パリヌルスは言葉を切って一同を見渡した。
『ミロス島からクレタ島のハニアまでは、島ひとつない海原を真っ直ぐに南下する。この海域では嵐にあいたくない。もしだ、もしそのような事態に至った場合は、船団はつながりが断たれ、海原を漂い、どこに行き着くか、全く判らん。また海の藻屑となってしまう。それ故に我々は、天候に気を配って航海を続けている、判るな。そのようなわけで2日の航海に3日の予定としている。早朝にミロス島を出航すれば、日没の頃にはクレタ島のハニア近辺の浜に着く。明朝の出航については、船団はこの浜から南西に向かってミロス島へと進む、いいな。以上だ』
『判りました』
力強く返事が返ってきた。
パリヌルスは、各自と目線を合わせて頷きあった。彼の思いは、何としてもこの航海を無事に成し遂げたい。その一念であった。
