それにしても山頂は寒かった。並みの寒さではなかった。太陽が届けてくれる暖かさも吹きすぎる風が奪っていく、山頂に立つ五人は寒さに震えていた。五人はアヱネアスをかばうように身を寄せ合って、身体の温かさを保った。彼らは景色を見ながら体を寄せ合い、足踏み廻り、眺望をまぶたに収めた。
スダヌスがクリテスに声をかける。
『おい、クリテス、お前の立てている今日の行動予定を言ってみろ!今日の予定を話し合わなけりゃならん』
『判りました。話し合う内容をまとめます。少々待ってください』
『おう、イリオネス、聞いてくれたか。そういうことだ。少々待とう』
『おう、判った』
一同が眼下に展開する風景を眺めて、2時間余りの時を過ごした。空は雲一つなく晴れ渡っている。眺望が鮮やかに目に写った。
陽ざしの温かさを身に感じる。寒さが駆逐されていく、吹きすぎる風が心地よく感じられるようになってきていた。一同の気分が落ち着きを取り戻しつつあった。
『おう、過ごしやすくなってきたな。この分なら物事を考えられる』
イリオネスはアヱネアスの言葉にうなずいた。
クリテスは、イリオネスとスダヌスに今日の行動予定を説明した。
ゼウスの洞窟を見る行程、アマリアの谷を見て帰る行程、山頂へ到った道を戻る行程、3つの案を提示して、決定をイリオネスとスダヌスにゆだねた。イリオネスはアヱネアスに路程と費やすおおよその時間を説明した。
アヱネアスは、そのいずれにも興味を示さず、イデー山の稜線を北の方向に下る道がないのかと尋ねた。
クリテスはアヱネアスの意向を理解した。
『判りました。未踏の箇所があるかもしれませんが、ご案内いたします』クリテスが話を継ぐ。
『もう少しの間、山頂で景色を楽しんでいただいて、足ごしらえを点検して出発しましょう。いいですね』
時は進む、イデー山山頂を去る時が来る。長いとは言えない時を山頂で過ごし下山の途についた。
イデー山の北の稜線をジグザグに下っていく、けもの道に似た細い道がダラダラと続いた。
スダヌスがクリテスに声をかける。
『おい、クリテス、お前の立てている今日の行動予定を言ってみろ!今日の予定を話し合わなけりゃならん』
『判りました。話し合う内容をまとめます。少々待ってください』
『おう、イリオネス、聞いてくれたか。そういうことだ。少々待とう』
『おう、判った』
一同が眼下に展開する風景を眺めて、2時間余りの時を過ごした。空は雲一つなく晴れ渡っている。眺望が鮮やかに目に写った。
陽ざしの温かさを身に感じる。寒さが駆逐されていく、吹きすぎる風が心地よく感じられるようになってきていた。一同の気分が落ち着きを取り戻しつつあった。
『おう、過ごしやすくなってきたな。この分なら物事を考えられる』
イリオネスはアヱネアスの言葉にうなずいた。
クリテスは、イリオネスとスダヌスに今日の行動予定を説明した。
ゼウスの洞窟を見る行程、アマリアの谷を見て帰る行程、山頂へ到った道を戻る行程、3つの案を提示して、決定をイリオネスとスダヌスにゆだねた。イリオネスはアヱネアスに路程と費やすおおよその時間を説明した。
アヱネアスは、そのいずれにも興味を示さず、イデー山の稜線を北の方向に下る道がないのかと尋ねた。
クリテスはアヱネアスの意向を理解した。
『判りました。未踏の箇所があるかもしれませんが、ご案内いたします』クリテスが話を継ぐ。
『もう少しの間、山頂で景色を楽しんでいただいて、足ごしらえを点検して出発しましょう。いいですね』
時は進む、イデー山山頂を去る時が来る。長いとは言えない時を山頂で過ごし下山の途についた。
イデー山の北の稜線をジグザグに下っていく、けもの道に似た細い道がダラダラと続いた。
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