『おう、スダヌス、何か、お前の注意をひくようなものがあったか?』
『おう、あった、あった。俺を満足させるものがあった』
『そうか、それはよかった』
スダヌスは口にこそしないが、心の中では山行に終止符を打っていた。
『クリテス、パノルモスに向けては、お前が先頭を行け。俺は殿りを行く』
『判りました』
『統領、あと半刻(1時間)余りでパノルモスに着きます。出発しましょう』
『おう、スダヌス、お前の早足、帰り道ははかどったな』
『そうですね』
『充分に休んだ。行こうか。山行を振り返るのはパノルモスについてからだ。まだ道中は中半だ』
『よしっ!出発だ!』
一行はクリテスを先頭に歩みはじめた。
彼らは、パノルモスに帰り着いた。何事の変事に合うことなく、出入り三日の山行の旅を無事に終えた。彼らは、道中のトラブルを避ける工夫をしていたのである。クリテスの配慮であった。
ゼウスの神殿詣でにおもむくについての装い、そして、頭に白い鉢巻を巻いていくことであった。その留意があって、ゼウス神殿詣でイデー山登頂の山行を難なく終えた。
この用心があったればこそ道中の山間に住む部族とのトラブルを避けえたのであった。
アヱネアス一行のイデー山山行は終わった。
一行は、スダヌス知り合いのパノルモスの浜頭の屋敷の庭に立った。
『ご一同、イデー山山行を無事終えて、パノルモスに帰り着きました。もう、頭に巻いている白い鉢巻は必要ありません。ご苦労でした。くつろいでください』
彼は、アヱネアス、イリオネス、そして、二人の息子たちと握手を交わた。
スダヌスは、屋敷の戸口に立って、屋敷うちに声をかけた。
『濱頭殿、ご在宅か!』
返事が返って、浜頭が姿を見せた。
『おう、スダヌス、無事、帰って来たか、重畳重畳!』
彼はスダヌスの肩を抱いた。
『無事に帰ってきた。何事もお前に感謝感謝だ、ありがとう』
スダヌスは、イデオスを手で招いて、ベラマで求めた品を受け取り、口上とともに浜頭に手渡した。
『スダヌス、これを俺にか』
『浜頭、帰りの道中で求めたものです。どうぞ、受け取ってください。私どもの心づくしです』
『おう、そうか。ありがたくいただく。なかなか見栄えのする大皿ではないか。ありがたく頂戴する』
彼は快く受け取った。
『今日は、お前らが帰ってくると思って、夕食の準備をしている。一緒に食べようぞ!いいな』
『おう、あった、あった。俺を満足させるものがあった』
『そうか、それはよかった』
スダヌスは口にこそしないが、心の中では山行に終止符を打っていた。
『クリテス、パノルモスに向けては、お前が先頭を行け。俺は殿りを行く』
『判りました』
『統領、あと半刻(1時間)余りでパノルモスに着きます。出発しましょう』
『おう、スダヌス、お前の早足、帰り道ははかどったな』
『そうですね』
『充分に休んだ。行こうか。山行を振り返るのはパノルモスについてからだ。まだ道中は中半だ』
『よしっ!出発だ!』
一行はクリテスを先頭に歩みはじめた。
彼らは、パノルモスに帰り着いた。何事の変事に合うことなく、出入り三日の山行の旅を無事に終えた。彼らは、道中のトラブルを避ける工夫をしていたのである。クリテスの配慮であった。
ゼウスの神殿詣でにおもむくについての装い、そして、頭に白い鉢巻を巻いていくことであった。その留意があって、ゼウス神殿詣でイデー山登頂の山行を難なく終えた。
この用心があったればこそ道中の山間に住む部族とのトラブルを避けえたのであった。
アヱネアス一行のイデー山山行は終わった。
一行は、スダヌス知り合いのパノルモスの浜頭の屋敷の庭に立った。
『ご一同、イデー山山行を無事終えて、パノルモスに帰り着きました。もう、頭に巻いている白い鉢巻は必要ありません。ご苦労でした。くつろいでください』
彼は、アヱネアス、イリオネス、そして、二人の息子たちと握手を交わた。
スダヌスは、屋敷の戸口に立って、屋敷うちに声をかけた。
『濱頭殿、ご在宅か!』
返事が返って、浜頭が姿を見せた。
『おう、スダヌス、無事、帰って来たか、重畳重畳!』
彼はスダヌスの肩を抱いた。
『無事に帰ってきた。何事もお前に感謝感謝だ、ありがとう』
スダヌスは、イデオスを手で招いて、ベラマで求めた品を受け取り、口上とともに浜頭に手渡した。
『スダヌス、これを俺にか』
『浜頭、帰りの道中で求めたものです。どうぞ、受け取ってください。私どもの心づくしです』
『おう、そうか。ありがたくいただく。なかなか見栄えのする大皿ではないか。ありがたく頂戴する』
彼は快く受け取った。
『今日は、お前らが帰ってくると思って、夕食の準備をしている。一緒に食べようぞ!いいな』
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