交戦海域を避けて、陸岸を目指して、ひた走っていた新艇が進路を反転して、軍船を目指して波を割って来る。双方が海上交戦を終えた海域で顔を合わせた。
オキテスが声をかけてくる。
『おう!ギアス船長にテナクス隊長、大変にご苦労であった。勝利したな!重畳!』
彼が海上交戦が終わった海を見渡している。
破砕されている2隻の小船に目を移す、海面に漂う敵の奴らの死体、その流す血に寄ってくる魚群、破砕された小船の残骸を目にして言葉を継ぐオキテス。
『当方の損害は?』
『負傷者二名です。二人とも矢による傷です。軽微の損害であったと安堵しています。考えていたより短い時間の海上交戦でした。以上です』
テナクスがオキテス隊長に報告に及ぶ。
ギアスがオキテス隊長に声をかける。
『交戦に少々、時間を費やしました。いい西風が来ています。テムパキオへ急ぎましょう。軍船の船首を東へ向けます。先導よろしく願います』
ゴッカスが答える。。
『おう、了解!この風なら、帆走が可能です』
艇と軍船の船上に帆張りの指示が飛ぶ、追い風を帆にはらむ、舳が波を割り始める、潮の流れが船足の加速に力を貸す、艇と軍船の航走は快調といえた。
スダヌスのオキテスに話しかける声がする。
『オキテス隊長、予期していなかった事態でしたね。襲ってきた者どもは、この海域の南にあるガブドス島に巣ぐっている奴らです。この海域を過ぎれば外敵のことは考えずともいいと思います。一路、テムパキオへです』
『おう、そうか!解った』
『今は昼間の長い季節です。私の想いでは、いい頃合い、夕時の少し前にテムパキオに着港すると考えています』
スダヌスは太陽を仰ぎ見ながら、ここで間を取り、進行方向と沿岸の風景を見て取る。
『いま、進んでいるのは、ケラメスの沖です。ここから半刻後には、ラムピの沖を通過します。そこまでいけば、テムパキオは目の鼻先です』
艇と軍船はクレタ島西地区の南岸に沿って進む、順風満帆快調に航走している。
ラムピの沖を通過する、進む正面にテムパキオの港が見えてきていた。
オキテスが声をかけてくる。
『おう!ギアス船長にテナクス隊長、大変にご苦労であった。勝利したな!重畳!』
彼が海上交戦が終わった海を見渡している。
破砕されている2隻の小船に目を移す、海面に漂う敵の奴らの死体、その流す血に寄ってくる魚群、破砕された小船の残骸を目にして言葉を継ぐオキテス。
『当方の損害は?』
『負傷者二名です。二人とも矢による傷です。軽微の損害であったと安堵しています。考えていたより短い時間の海上交戦でした。以上です』
テナクスがオキテス隊長に報告に及ぶ。
ギアスがオキテス隊長に声をかける。
『交戦に少々、時間を費やしました。いい西風が来ています。テムパキオへ急ぎましょう。軍船の船首を東へ向けます。先導よろしく願います』
ゴッカスが答える。。
『おう、了解!この風なら、帆走が可能です』
艇と軍船の船上に帆張りの指示が飛ぶ、追い風を帆にはらむ、舳が波を割り始める、潮の流れが船足の加速に力を貸す、艇と軍船の航走は快調といえた。
スダヌスのオキテスに話しかける声がする。
『オキテス隊長、予期していなかった事態でしたね。襲ってきた者どもは、この海域の南にあるガブドス島に巣ぐっている奴らです。この海域を過ぎれば外敵のことは考えずともいいと思います。一路、テムパキオへです』
『おう、そうか!解った』
『今は昼間の長い季節です。私の想いでは、いい頃合い、夕時の少し前にテムパキオに着港すると考えています』
スダヌスは太陽を仰ぎ見ながら、ここで間を取り、進行方向と沿岸の風景を見て取る。
『いま、進んでいるのは、ケラメスの沖です。ここから半刻後には、ラムピの沖を通過します。そこまでいけば、テムパキオは目の鼻先です』
艇と軍船はクレタ島西地区の南岸に沿って進む、順風満帆快調に航走している。
ラムピの沖を通過する、進む正面にテムパキオの港が見えてきていた。