スダヌスが大声をあげる。
『オキテス隊長、テムパキオの港です。あの船だまりにつけます』
『おう、それでいい!ゴッカスに説明して係留かたを頼む!パキオテ殿の館を探さなければならんのだが、スダヌス』
『隊長、それは私にお任せを!それからなんですが、ドラクマ銀貨をお持ちでしたら、一枚、私に貸しておいてください。新艇引き渡しの祝い品として渡す子羊一頭を調達してきます』
『そうか、スダヌス、その件やってくれるか!解った、任せる』
ゴッカスはスダヌスのガイドに従い船だまりの岸壁に新艇を係留する。
『ゴッカス、俺、ちょっと出かけてくる。オキテス隊長と打ち合わせはすんでいる』
スダヌスが岸壁にあがる、街中に向けて歩を運んでいく。
彼は、まず、子羊などを商う店を探す、若かりし頃に訪れたテムパキオの港町の記憶を思い起こしながら要領よく足を運んでいく、目指す子羊などを商う店を探し当てた。
その店の店頭に立つ、声をかける。主人と思しき男が姿を見せる、用件を伝えるスダヌス。
『店のご主人かな?』
『おう、そうだが』
『子羊一頭がほしい!生きているやつだ』
『子羊一頭ですか、店には手持ちがありませんが。少々、時間をいただければ、お渡しできます。牧場からとってこないと、そういうわけです』
『そうか。では、頼む!代金はいくらかな?』
『1ドラクマです』
『おっ!そうか、分かった。俺は用足しして来る。それまでに準備しておいてくれ。ところで尋ねるが、教えてもらいたい。パキオテ殿の館を知っていないか?』
『はい、それはよく知っていますが』
『俺には、パキオテ殿に伝えたい用件がある。教えてもらいたい』
『口で説明して分かりますかな?』
『そりゃ、分かるとも分からんとも言えん』
『客人、この港には初めてですかな』
『来たことはあるが、それは遠い昔のことだ。そのようなわけで分かりかねる』
『そのようなわけなら、私が案内してさしあげる』
『そうか、それはありがたい、よろしく頼む』
『では、子羊の代金を払う。2ドラクマ銀貨だ。取っておいてくれ。つりはいらん。俺が用足しして帰ってくるまでに子羊を準備しておいてくれれば、それでいい』
スダヌスは、準備してきたドラクマ銀貨を手渡す、ありがたさを態度に表して受け取る店の主人、スダヌスは、用向きの達成を意識した。
『承知しました。では、客人、行きましょう』
二人は連れ立って店を出る、しばらく歩いて、家並みの角を曲がる。
『客人は、どちらからこの港に?』
『あ~、俺か。キドニアからだ』
『船便で、それとも陸路でですかな?』
『船便でだ』
『パキオテ殿の館はあそこです。あのでっかい屋敷がそうです。私は子羊を準備に行きます。遠慮せずにあのドラクマ銀貨をいただきます』
『おう、取っておいてくれ。世話をかけたな』
『では、ご用がすみましたら店の方へおいで下さい。待っています。ありがとうございました』
『オキテス隊長、テムパキオの港です。あの船だまりにつけます』
『おう、それでいい!ゴッカスに説明して係留かたを頼む!パキオテ殿の館を探さなければならんのだが、スダヌス』
『隊長、それは私にお任せを!それからなんですが、ドラクマ銀貨をお持ちでしたら、一枚、私に貸しておいてください。新艇引き渡しの祝い品として渡す子羊一頭を調達してきます』
『そうか、スダヌス、その件やってくれるか!解った、任せる』
ゴッカスはスダヌスのガイドに従い船だまりの岸壁に新艇を係留する。
『ゴッカス、俺、ちょっと出かけてくる。オキテス隊長と打ち合わせはすんでいる』
スダヌスが岸壁にあがる、街中に向けて歩を運んでいく。
彼は、まず、子羊などを商う店を探す、若かりし頃に訪れたテムパキオの港町の記憶を思い起こしながら要領よく足を運んでいく、目指す子羊などを商う店を探し当てた。
その店の店頭に立つ、声をかける。主人と思しき男が姿を見せる、用件を伝えるスダヌス。
『店のご主人かな?』
『おう、そうだが』
『子羊一頭がほしい!生きているやつだ』
『子羊一頭ですか、店には手持ちがありませんが。少々、時間をいただければ、お渡しできます。牧場からとってこないと、そういうわけです』
『そうか。では、頼む!代金はいくらかな?』
『1ドラクマです』
『おっ!そうか、分かった。俺は用足しして来る。それまでに準備しておいてくれ。ところで尋ねるが、教えてもらいたい。パキオテ殿の館を知っていないか?』
『はい、それはよく知っていますが』
『俺には、パキオテ殿に伝えたい用件がある。教えてもらいたい』
『口で説明して分かりますかな?』
『そりゃ、分かるとも分からんとも言えん』
『客人、この港には初めてですかな』
『来たことはあるが、それは遠い昔のことだ。そのようなわけで分かりかねる』
『そのようなわけなら、私が案内してさしあげる』
『そうか、それはありがたい、よろしく頼む』
『では、子羊の代金を払う。2ドラクマ銀貨だ。取っておいてくれ。つりはいらん。俺が用足しして帰ってくるまでに子羊を準備しておいてくれれば、それでいい』
スダヌスは、準備してきたドラクマ銀貨を手渡す、ありがたさを態度に表して受け取る店の主人、スダヌスは、用向きの達成を意識した。
『承知しました。では、客人、行きましょう』
二人は連れ立って店を出る、しばらく歩いて、家並みの角を曲がる。
『客人は、どちらからこの港に?』
『あ~、俺か。キドニアからだ』
『船便で、それとも陸路でですかな?』
『船便でだ』
『パキオテ殿の館はあそこです。あのでっかい屋敷がそうです。私は子羊を準備に行きます。遠慮せずにあのドラクマ銀貨をいただきます』
『おう、取っておいてくれ。世話をかけたな』
『では、ご用がすみましたら店の方へおいで下さい。待っています。ありがとうございました』