前回の訪問から時日を経て、今、目にした浜の風景を見てとったテカリオンが腰を下ろす、統領におもむろに話しかける。
『統領、浜の風景が変わりましたね!驚きです』
『そうですか。船舶建造の責任担当の意向があり建造の場を造り換えた。そういうことです』
『いやいや、凄い!この情景の様変わりは!新しく構築された造船場ではありませんか』
『何かを生み出す、創り出す、その母体設備を造成した。そういったところです』
『これは見てみたい!見せていただいてよろしいですかな』
イリオネスがテカリオンに答える。
『え~え、どうぞ、どうぞ!オキテスに案内させます』
オキテスがテカリオンに言葉をかける。
『テカリオン殿、出来あがったばかりの船舶建造の場です。改善のところがあれば言ってもらえるとありがたい、私が案内します』
『オキテス隊長、世話をかけます。行きますか』
『あの~、その前に、オロンテスが伝えたいことがあるといっています』
『オロンテス殿、何でしょう?』
『テカリオン殿、遠いところをご苦労でした。夕食の件ですが、この会所でしていただくように準備しています。側近の方も一緒してください』
『そうですか、それは、ありがとうございます。遠慮することなく馳走になります。一緒するのは二人です』
『解りました。それから、船に乗り組みの方らの夕食も浜のほうに準備します。人数を聞かせてください』
『それについては気を使わないでください』
『いえ、この件については、統領が準備するようにと言っています。気にしていただくような準備ではありません。ささやかそのものです』
『そうですか、オロンテス殿。言葉に甘えます。者どもが喜びます。何よりもここで食すパンは、逸品です。当方の人数は38人です』
『解りました。では、のちほどに』
テカリオンがアエネアスに向けて礼を述べる。
『統領、それから、軍団長殿、配慮遠慮なくいただきます。今夕は我々一同、言葉に甘えて馳走になります』
オロンテスは、テカリオンとの夕食準備の打ち合わせを終えて場を去っていく。
『オキテス隊長、行きますか』と声をかけてテカリオンが起ちあがる、オキテスもパリヌルスも起ちあがる。三人は建造の場へと歩を向ける。
テカリオンは、様変わりしたニューキドニアの浜の風景を眺める。
よく目にしているアテネとその近郊にある大型船の造船所の風景を思い浮かべる、二人に声をかける。
『建造の場を見た感じでは、まだ新しいですな』
『そうです。建造の場は、出来あがって今日が六日目です。建造作業を開始して今日が五日目です』
歩き始めてほどなく三人は、前面にクレタ海を望む浜に陸揚げされている完成した戦闘艇2艇の前に立つ、テカリオンが見つめる。
パリヌルスが話しかける。
『テカリオン、これが製作の指示をもらって建造した船だ。明日の午後に試走することにしている』
テカリオンが2艇を見て廻る、新舵構造に目をとめる、首をかしげる。
『新構造を施したな。建造の場を見せてもらってから見るとする。オキテス隊長、俺を呼ぶのに殿づけはやめてほしい』
『はあ~、それでは私からテカリオン殿に声がかけにくい』
『そうか、名無しで、船長と呼んでくれ。すきにしてくれ!ハッハッハ!』
三人は建造の場へと歩を進めた。
『統領、浜の風景が変わりましたね!驚きです』
『そうですか。船舶建造の責任担当の意向があり建造の場を造り換えた。そういうことです』
『いやいや、凄い!この情景の様変わりは!新しく構築された造船場ではありませんか』
『何かを生み出す、創り出す、その母体設備を造成した。そういったところです』
『これは見てみたい!見せていただいてよろしいですかな』
イリオネスがテカリオンに答える。
『え~え、どうぞ、どうぞ!オキテスに案内させます』
オキテスがテカリオンに言葉をかける。
『テカリオン殿、出来あがったばかりの船舶建造の場です。改善のところがあれば言ってもらえるとありがたい、私が案内します』
『オキテス隊長、世話をかけます。行きますか』
『あの~、その前に、オロンテスが伝えたいことがあるといっています』
『オロンテス殿、何でしょう?』
『テカリオン殿、遠いところをご苦労でした。夕食の件ですが、この会所でしていただくように準備しています。側近の方も一緒してください』
『そうですか、それは、ありがとうございます。遠慮することなく馳走になります。一緒するのは二人です』
『解りました。それから、船に乗り組みの方らの夕食も浜のほうに準備します。人数を聞かせてください』
『それについては気を使わないでください』
『いえ、この件については、統領が準備するようにと言っています。気にしていただくような準備ではありません。ささやかそのものです』
『そうですか、オロンテス殿。言葉に甘えます。者どもが喜びます。何よりもここで食すパンは、逸品です。当方の人数は38人です』
『解りました。では、のちほどに』
テカリオンがアエネアスに向けて礼を述べる。
『統領、それから、軍団長殿、配慮遠慮なくいただきます。今夕は我々一同、言葉に甘えて馳走になります』
オロンテスは、テカリオンとの夕食準備の打ち合わせを終えて場を去っていく。
『オキテス隊長、行きますか』と声をかけてテカリオンが起ちあがる、オキテスもパリヌルスも起ちあがる。三人は建造の場へと歩を向ける。
テカリオンは、様変わりしたニューキドニアの浜の風景を眺める。
よく目にしているアテネとその近郊にある大型船の造船所の風景を思い浮かべる、二人に声をかける。
『建造の場を見た感じでは、まだ新しいですな』
『そうです。建造の場は、出来あがって今日が六日目です。建造作業を開始して今日が五日目です』
歩き始めてほどなく三人は、前面にクレタ海を望む浜に陸揚げされている完成した戦闘艇2艇の前に立つ、テカリオンが見つめる。
パリヌルスが話しかける。
『テカリオン、これが製作の指示をもらって建造した船だ。明日の午後に試走することにしている』
テカリオンが2艇を見て廻る、新舵構造に目をとめる、首をかしげる。
『新構造を施したな。建造の場を見せてもらってから見るとする。オキテス隊長、俺を呼ぶのに殿づけはやめてほしい』
『はあ~、それでは私からテカリオン殿に声がかけにくい』
『そうか、名無しで、船長と呼んでくれ。すきにしてくれ!ハッハッハ!』
三人は建造の場へと歩を進めた。