『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Aeneis's story] episode Ⅳ 『建国の地へ』  To the funding of a nation 第1章  イピロスへ  23

2019-12-11 05:33:31 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 イリオネスが鋭いまなざしで一同に目を向けている、オキテスが手をあげる。
 『おう、オキテス、考えがまとまったか?』
 『はい!』
 『言ってみてくれ!』
 『限られた極々少数で、かの地の探索をするか、大挙を持って挑むか、中途半端はよくないと考えています』
 イリオネスがパリヌルスに声をかける。
 『おう!パリヌルス、お前の考えは?』
 『はい、私の考えは、限られた少数でもって、まず探索をやるべきと考えます』
 『アレテス、お前の考えは?』
 『私の考えもまず探索をと考えています』
 『オロンテスはどのように考えている?』
 『私もまず、かの地の探索です』
 イリオネスが一同と目を合わせる。
 『君らの考えが解った。この件についての地理的条件を浜頭に聞く。そのうえで極々少数でもって、かの地の探索をやる!これは決定だ!昼食時までに実行策を決定する!即、その件にかかる!一同いいな!』
 『了解です』
 『そのほかにこの場で話し合っておきたいことがあるかな?』
 パリヌルスが手をあげる。
 『おう、何だ?言ってくれ』
 『浜頭に船の説明を終えました。浜頭から要請がありました。船の操舵効果を実際に体感したいということです』
 『浜頭からの要請か。了解した、その件について浜頭と話し合って決めてくる。いいタイミングの要請だな、了解した』
 『解りました。よろしく頼みます』
 ここまで話し合って、一旦、場を解く、イリオネスは、アエネアスに浜頭との打ち合わせ事項を話し、用件を携えて浜頭のところへと出向く。
 『浜頭殿、おはようございます。いい朝です』
 『おう、軍団長殿、いいところへ見えられた。今日の仕事の手配を終えて休んでいるところです。アサ茶の一服をやりましょうや』
 『いいですね!馳走になります』
 浜頭が杯に茶ならぬぶどう酒を注いで、イリオネスに手渡す、イリオネスが口に運ぶ、それは甘みの強い口当たりのいいぶどう酒である、味わって喉を通す。
 『ややっ!これは旨いぶどう酒ですな。のど越しがいい、素晴らしい!いい味わいです。感服です!』
 浜頭がぶどう酒の壺を手に持ち、イリオネスの杯に注ぎたす、イリオネスが杯をかざしあげる。
 『軍団長は、このようなぶどう酒が好みですかな?私の大の好みの飲み物ですわ』
 『いやあ~、これは病みつきになりますな』
 『ところで軍団長殿、何ぞ用件でも?』
 『ところで浜頭殿、パリヌルスから浜頭の要望を聞きました。船の試し乗りをやりましょう』
 『ホッホウ、船の体験試乗をやってくれますか。我が願いがかなったということですな、軍団長、ありがとう』
 浜頭が満面にほほえみをたたえる、手にしている杯のぶどう酒を一気に飲みほした。