『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Aeneis's story] episode Ⅳ 『建国の地へ』  To the funding of a nation   第1章 イピロスへ 24

2019-12-12 06:01:41 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 イリオネスは、浜頭と船の体験試乗の催行を打ち合わせる。
 『浜頭殿、試し乗りをやるについてですが、今日の午後がいいか、明日、朝からがいいか、都合はいかがですかな?』
 『今日は、もう水夫頭が仕事についています。明日の午後イチでやりましょうや!それでこちらも予定を立てます』
 『解りました。それで当方も準備を整えます。詳しいことはパリヌルスに連絡させます』
 『そうですか、世話をかけますな。よろしく頼みます』
 『了解いたしました。ところで昨日、話し合いの席で聞いたトロイの王妃の件ですが、確かめにイピロスへ出向こうかと思案しています。我々にとって、縁の深い関係筋なものですからーーー』 
 『そうですか、解りました。あなた方の思案を聞きましょう』と言って同席している者ら三人を人払いする。
 声のトーンをおとし小声でイリオネスに話しかける。
 イリオネスは、浜頭と目を合わせる、おもむろに話し始める。
 『私らは、極めて少数の者で事に当たろうと考えています。統領と私、ほかに二人、四人でもってあたります』
 『ほう、少数ですな。それがよろしいですな。大船で行くとかの地の者らが何事かといぶかると思われます。エペイロスの領主も軍事に乗り出すのではと考えられます』
 『そこでですが、かの地までの海路についてですが、浜を出てどれくらいの時間がかかるかを知りたいのですが?』
 『かの地までの海を渡る時間は、そうですな3刻(約6時間)くらいと考えられればよろしい』
 『そこでですが、借りることの出来る小船がありませんでしょうか?それを伺いたいのですが』
 『それは引き受けましょう。小船と漕ぎかたの都合を引き受けて差しあげます。このケルキラ島とギリシア本土に挟まれた海と海岸一帯については、我々はよく知っています。あなた方をギリシア本土の安心の出来る浜に送ってあげます。向こうに着いてからの案内人を同道させます。それで如何ですかな』
 『浜頭殿、そこまでやってくれますか。心強い限りです。浜頭殿にそこまで甘えていいのかな』
 『あ~あ、私に任せなさい!私もその事の真偽と詳細のほどを知りたい。それくらいはあなた方を手つだいます』
 『そうですか、ありがとうございます。浜頭殿の厚意をいただきます。よろしく願います』
 『軍団長殿、決行の時を決めておきましょう』
 『私どもは、明日の決行を決めています。出航については、浜頭殿の決定に従います』
 『解りました。明日の早朝、陽の出の頃合いに浜を出ることとします。現地に到着するまでは、一切当方の計画通りとしてやります。いいですね!』
 『承知しました。その件については、一切を任せます』
 風聞であるトロイの王妃の件についての真偽のほどの探索計画は、浜頭の多大な協力のもとに決行が決まった。
 二人の打ち合わせの話し合いが続いた。