某日。
横浜家庭裁判所の申立人控室で3歳の男の子と遊ぶ。
そばにいた母親に聞いたら、夫のDVに耐えかねて離婚調停を申し立てたという。
「パパはお仕事で忙しいんだよ。」と無邪気に語る男の子の笑顔に胸が締めつけられて苦しかった。
「そっか~。早くパパ帰って来るといいね。」という自分の言葉が母親の心を抉(えぐ)ったことに気づいて更に辛くなった。
帰り途。石川町駅の反対側ホームに立っている母親と男の子を偶然、見つけた。
こちらに気付いた母親が少し嬉しそうに頭を下げた。
再び、胸が締め付けられた。
母親と男の子は、今夜、「優しいパパ」の夢を一緒に見るんだろうか。