つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

7日間ブックカバーチャレンジ【2日目】

2020-05-02 09:15:00 | 日記
はい。1日、間が空きました。
いきなり7BCのデフォルト・ルールだったらしい「7日間連続で・・・」は守れてませんね。
で、それが何か?

さて、7BCの2日目は原田マハさんの「キネマの神様」

写真は文春文庫版。
カバーイラストは都筑まゆ美さん。
カバーデザインは大久保明子さんだ。

2〜3年前から私は、これまでの「新聞やネット上の書評を参考にしたり、本屋さんをブラブラして目についた平積みの推し本を買って読む」という読書法を止めた。
代わりに酒食を共にする機会を頂いた方々に、お酒の場で、

「あなたが一冊だけ、私に薦めてくれるとしたらどんな本ですか?」

と質問して、教えて頂いた本を読むようになった。
その時々の流行や商業的なイメージ戦略にも流されない、実際に顔を突き合わせて酒を飲み胸襟を開きあった方が悩み抜いて教えてくださる「人生最高の一冊」は、まさに「その方の半生と人格」を体現していて、ワクワクすることこの上ない。
教えてもらった本はその場でAmazonで注文する。私はprime会員なので早ければ翌日には自宅か事務所に本が届く。タイトルや著者名をメモする必要もなければ、酔っ払ってメモを失くす心配もない。
いやぁ、便利な世の中になったもんだ(←ジジイの定型表現)。

この「キネマの神様」は誰あろう、私を7BCに引きずり込んだ高橋いさをさんが薦めてくれた一冊だ。
「狂」が付くほどの映画好きないさをさんらしい一冊だが、文句なしに名作である。
今回、7BCにアップするために読み返したが、やっぱりラスト4分の1あたりでダダ泣きした。

先日、急逝された志村けんさんの主演で映画化も決まっていた。
志村さんの演じる主人公ゴウを観たかったのは、きっと私だけではないだろう。
何よりゴウを演じる前に「エンタの神様」に召されてしまった志村さんの心残りはいかほどだっか。

ネタバレは避けるが、志村さんの急逝は、この「キネマの神様」のストーリーそのままでもあった。
「名作」というのは時として作品の内容を超えた不思議な偶然と、小説以上のドラマチックな符号を生み出すものだ。
「災い転じて」ではないが、その意味でも「キネマの神様」は志村さんの急逝によって名作たるべき一条件を手に入れてしまったとも言える(著者の原田マハさんからは「そんな条件いらない。駄作でいいから志村さんに生きていて欲しかった」と叱られそうだが)。

ちなみに作品中では最後までゴウとローズ・バッドが選んだ「人生最良の映画」の題名は明かされないが、その映画の印象的な美しいオープニングシーンが小説の冒頭とエンディングに丁寧に描かれていることで、映画好きな人ならちゃんとその映画が何だったのか分かるようになっている。

どうせ今年のGWは「おうちにいましょう週間」だ。
この記事を読んで興味が湧いた方は「キネマの神様」を読んで、ゴウたちが選んだ「人生最良の映画」を当ててみてください。
ちなみに私は一発で分かりましたぜ。

えっへん。

あ、今回のバトンは名前は明かさないけど、いさをさんと同じくらい長くお付き合いさせて頂いている、新宿御苑前にある劇場というかスタジオ「S-S」の支配人のSさん(おお、コードネームがSSSだ)ってことで。