第18回。豊島区。
いつもこの東京日帰りツーリングにFB上でコメントをくださるSさん(元、三越)が生まれ育った場所でもあるそうな。
Sさんからは「次回、楽しみにしてます」と前回の千代田区編にコメントを頂いた。
いや、そんな期待されると・・・
駄文なんですから軽〜い気持ちで読み流して頂く方が・・・
いやいや、そんなことないぞ、俺。
プレッシャーに負けちゃダメだ、俺。
というわけで。
満を持しての豊島区でござる。
実は豊島区だけはこの東京日帰りツーリングを始めた時から行き先を決めていた。
そう。
豊島区といえばトキワ荘。
言わずと知れた昭和の日本漫画界を牽引した巨匠たちが一つ屋根の下に集っていた伝説のアパートだ。
残念ながら建物は老朽化のため1982年に解体。
トキワ荘があった跡地には、現在、日本加除出版株式会社さんの新館社屋が建っている↓
ただ、同社のご好意とトキワ荘通り協同プロジェクト(現、としま南長崎トキワ荘協同プロジェクト協議会)さん、豊島区さんの協力で新館社屋の前にトキワ荘のミニチュア・モニュメントと説明プレートが設置されていて、当時を偲ぶことができる。
これ↓
近くにはトキワ荘住人の作品に何度も描かれた中華料理店「松葉」さんが現在も営業を続けておられる。
一説には藤子不二雄先生の作品に登場する「ラーメン好きの小池さん」の設定にも影響を与えたという。
松葉さんに着いたのはちょうどお昼どき。
私の食生活は普段は朝晩1日2食なのだが、せっかくなのでチャーシューメン(850円)を注文してみた。
なるほど、藤子不二雄A先生がおっしゃる通り。
クセがなく旨い。
店内に飾られている漫画家の色紙の数がメニューより多いところがスゴイ↓
トキワ荘がなくなってしまったのは残念だが、すぐ近くの南長崎花咲公園に、トキワ荘の外観を復元した「マンガの聖地としまミュージアム」(仮称)を建設しているというので行ってみた。
・・・建設中だった。当たり前だ。
開館は2020年3月22日の予定。
この南長崎花咲公園内には他にもトキワ荘にまつわる説明パネルなんかがたくさんある。
いきなり令和からコテコテの昭和に引きずり戻される感覚が楽しい。
私が小中学生だった昭和40年代から50年代はまぎれもなく「マンガの時代」だった。
親や教師からは、
「マンガばっかり読んでると馬鹿になるぞ」
とさんざん脅されたが、そういう脅しは、
「ピーマン食べたら頭良くなるぞ」
と同じくらい、思春期の私の心には響かなかった。
親に隠れて、夜中、布団を頭からひっかぶり、なけなしの小遣いを貯めて買ったブラック・ジャックを貪り読んだ。
今となっては、マンガ一冊読んだらピーマン一個食べとけばよかった
と少しだけ後悔しているが。
それでも、手塚先生が、藤子先生が、石ノ森先生が、赤塚先生が、マンガを通して教えてくれたことは、学校の教室では学べない、教科書には書いてないことばかりだった。
でも、不思議なことに、大人になって役に立っているのは、教室で学ばなかった、教科書に書いてなかったことばかりだ。
トキワ荘がなかったら、鉄腕アトムもブラック・ジャックもおそ松くんもドラえもんも仮面ライダーも生まれていなかったかもしれない。
舗装されていない道路の土埃(つちぼこり)の匂い。
しわくちゃの五百円札を握りしめて走った小さな本屋。
「21世紀」という言葉が「未来」と同義だったあの頃。
トキワ荘は歴史になり、いつのまにか昭和もずいぶん遠くなった。
次回は、
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