つい最近、子どもの反抗期に直面して困り果てている親御さんのご相談を受ける機会があった。
親の話だけ聞いているのは不公平なので子どもの話も聞いてみた。
「あのヒト(=お母さん)の存在自体がイヤ。すべてが嫌い」
「あの人(=お父さん)はもう関係ない人」
「この家を出て一人で生きていきたい。勝手にやっていきたい」
うんうん。わかるぞ。
そういう時期ってあるよな。
反抗期が来るということは、親御さんがちゃんと子どもを育ててきた証明でもある。
とはいえ、昨日まで従順で可愛い天使のようだった子が、ある日いきなり不従順で憎たらしい悪魔に豹変するするのだから親としては辛いし、悲しいし、そりゃあもう、大変な日々であろう。
親に反抗したい気持ち、親のすべてを否定したい気持ち、親のもとから逃げ出したい気持ちを否定する気はさらさらないが。
私も中学生くらいからず-------っと親のことが嫌いで、鬱陶しくて、18歳で親元を飛び出して東京に出てきて現在に至っておる。
しかし、「今は親になった私」から反抗期の少年少女に予言をしておこう。
いつか分かるぞ。君に子どもができて、君が親になったら、分かる。「すべてがイヤ」と自分の全部を否定されて、「存在自体が耐えられない」と憎悪の言葉を投げつけられて、それでも子どものことばっかり考えて、子どもの幸せばかりを願ってしまう親の気持ちが必ず分かる。「関係ない人」「どうでもいい人」と絶縁状を突きつけられても、それでも子どもとつながっていたい親の寂しさがきっと分かる。
今、子どもからすべてを否定されているお母さん、お父さん。
大丈夫。いつか笑い話になる。
子どもに子どもができて、お母さんとお父さんがおばあちゃんとおじいちゃんになったら笑えるようになる。
子育てというのは西洋医学じゃなくて東洋医学のようなものだ。
効果はじわじわと、でも必ず現れるもんだ。そう、心配するな。
親も子どもも、お互いすぐに結果を求めたり、結果を出したりしないようにしようじゃないか。
すぐ出る結果は、すぐ覆る。