4月1日毎日新聞社説
高齢者遭難騒ぎ 懲りずに挑戦してほしい
「秋田・岩手県境の乳頭山で一時消息を絶った60歳代、70歳代の登山愛好家グループ43人が、無事に下山した。吹雪に見舞われた山中で、「青い山脈や」や「高校三年生」、石原裕次郎や美空ひばりのヒット曲を合唱したり、おしくらまんじゅうをして寒さをしのぎ、一夜を過ごしたという。落ち着いたものだ。遭難の心配が杞憂に終わって何よりだった。一行が冬山を甘く見た面は否めない。ベテランが多いならなおさら周囲に心配をかけないよう配慮して欲しかった。
だが、「年寄りの冷や水」といった観点で評することは厳に戒めたい。登山で予定が狂うのは珍しくはないし、計画にこだわって吹雪の中を歩き回っていれば、かえって大事に至っていたかも知れない。中高年の登山は危険で遭難も増えているとの論法も見当違いだ。若者の登山者が減ったので、高齢者の遭難が目立つだけだ。もちろん年相応の体力、気力の低下を自覚してもらうとしても、お年寄りが山に登ること自体を非難がましく言うのは暴論である。今回を一つの教訓として、元気なお年寄りは懲りることなく、遠慮もせず、存分に山を目指せばいい。登山はむしろ高齢者に向いているのかも知れない。若い時は無理な計画を立てがちだし、先を急ぐあまり大自然の荘厳さや足元の草花の可憐さを見失うこともある。その点時間がたっぷりあるお年寄りなら、余裕を持って山に親しむことができる。人生経験を積んだ分、味わいも格別だろう。・・・以下略・・・」
2004年10月20日兵庫県円山川堤防決壊 観光バスが水没、バスの屋根で一夜を歌を歌って励まし合った高齢者がいた事を思い出す。
ええぞ! 高齢者! 懲りずに挑戦!
高齢者遭難騒ぎ 懲りずに挑戦してほしい
「秋田・岩手県境の乳頭山で一時消息を絶った60歳代、70歳代の登山愛好家グループ43人が、無事に下山した。吹雪に見舞われた山中で、「青い山脈や」や「高校三年生」、石原裕次郎や美空ひばりのヒット曲を合唱したり、おしくらまんじゅうをして寒さをしのぎ、一夜を過ごしたという。落ち着いたものだ。遭難の心配が杞憂に終わって何よりだった。一行が冬山を甘く見た面は否めない。ベテランが多いならなおさら周囲に心配をかけないよう配慮して欲しかった。
だが、「年寄りの冷や水」といった観点で評することは厳に戒めたい。登山で予定が狂うのは珍しくはないし、計画にこだわって吹雪の中を歩き回っていれば、かえって大事に至っていたかも知れない。中高年の登山は危険で遭難も増えているとの論法も見当違いだ。若者の登山者が減ったので、高齢者の遭難が目立つだけだ。もちろん年相応の体力、気力の低下を自覚してもらうとしても、お年寄りが山に登ること自体を非難がましく言うのは暴論である。今回を一つの教訓として、元気なお年寄りは懲りることなく、遠慮もせず、存分に山を目指せばいい。登山はむしろ高齢者に向いているのかも知れない。若い時は無理な計画を立てがちだし、先を急ぐあまり大自然の荘厳さや足元の草花の可憐さを見失うこともある。その点時間がたっぷりあるお年寄りなら、余裕を持って山に親しむことができる。人生経験を積んだ分、味わいも格別だろう。・・・以下略・・・」
2004年10月20日兵庫県円山川堤防決壊 観光バスが水没、バスの屋根で一夜を歌を歌って励まし合った高齢者がいた事を思い出す。
ええぞ! 高齢者! 懲りずに挑戦!