三流読書人

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ドングリ小屋住人 

酒を飲む 貝原益軒

2007年01月04日 13時24分12秒 | くらし
 貝原益軒『養生訓』巻第四に、
 「酒は天の美禄なり。少しのめば陽気を助け、血気をやはらげ、食気をめぐらし、愁いを去り、興を発して甚だ人に益あり。多く飲めば、又よく人害すること、酒に過ぎたる物なし。水・火の人をたすけて、又よく人に災いあるが如し。堯夫の詩に、「美酒飲んで微酔せ教て後」といへるは、酒を飲むの妙を得たりと、時珍いへり。少しのみ少し酔へるは、酒の禍なく、酒中の趣を得て楽しみ多し。人の病、酒によって得るもの多し。酒を多く飲んで、飯を多すくなく食う人は、いのち短し。かくのごとく多くのめば、天の美禄を以て、却って身をほろぼす也。かなしむべし。」
 というくだりがある。

 まことにもってよく理解しふる内容なり。小生、長年にわたる多量の飲酒によってついに体を損なふにいたる。医師の説諭厳しく、このまま続けば生命の保障あるべからず、とて、ついに禁酒を決意するにいたる。爾来2ヶ月あまり酒を絶てり。時節はまさに年末年始といへるに、酒なき食事まことにあじきなく、ただただ完全なる回復をまって、再び天の美禄を味わふ日の来たらんことを祈るのみ。