三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

「見られる」日本人

2007年01月05日 11時08分40秒 | 教育 
『毎日新聞』1月4日付 コラム『発信箱』 飯田和郎(中国総局)

【 発信箱「見られる日本人」
 
 関西国際空港に到着した北京発の中国国際航空便。
 道中一緒だった30人の中国人ツアー客も降り立った。入国審査に向かうエスカレーター前で、中国人添乗員が彼らに声ををかける。
 「右側にたち、左側を空けましょう」。機内でのあのやかましさはどこへやら、神妙に聴き入る顔が並ぶ。
 入国審査でも添乗員は呼びかける。「1人ずつ順番に。待つ間はラインを越えてはいけません」。一時帰国で遭遇した光景である。
 すっかりお金持ちになった中国人は今やどんどん外国へ出かける。東南アジアに飽きれば、日本観光を目指す。
 もっとも、海外での行儀の悪さが彼らの行動に足かせをはめる。中国紙によると、他の外国人客に迷惑になると中国人専用の食堂を設けたホテルや、機内部品を持ち帰らないようにと中国語のアナウンスを繰り返す外国航空会社もある。
 日中関係の好転も後押ししてか、中国で日本はマナー先進国として見習うべき存在になった。大げさに言えば、日本は学習の場であり、彼らは国家のイメージを背負い、やってくる。
 くだんの添乗員はベルトコンベヤーで回る託送荷物を指して言った。「どのスーツケースも、持ち主が運びやすいように取っ手を外向きに載せているでしょ。これも気配りなのです」。一行がうなずいた。
 税関検査を抜ければ、彼らはいよいよ日本を体験する。増え続ける中国の団体さんに今年、街中で数多く出会うはずだ。手本にされる日本人のマナーはどうだろう。「見られること」に敏感でいたいと思う。  】

 昨日(1月4日)の「発信箱」である。
 ごく最近までは日本人もそうであった(今も、か)。発展途上国へ行くと、横柄になるし、欧米へ行けば卑屈になるといった光景はよく見られた。交流を通して何を学ぶかは、形式ではなく心だろう。