伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

のんびり屋のセミ

2020年07月13日 | 
 ヒグラシが悲しげに聞こえるのは、どうしてだろう。
 薄暗くなりつつある中、カナカナカナと1匹が鳴けば。これに応えるように、別の場所からカナカナカナと聞こえてくる。この掛け合いが哀愁を感じさせ、そしてやだんだん暗がりを増す風景が、悲しげな雰囲気を醸し出すのだろう。

 そんなヒグラシだが、この日は違った。
 朝、愛犬の散歩をしていると、道路を横切る虫がいた。愛犬が臭いをかぐ。
 パクリとやられた困るので、引き離す。その前に臭いをかいで興味を失ったみたいではあった。引き離す必要はなかったかもしれない。

 その虫は何とセミの幼虫。こんな遅い時間に、何で道路を横断しているのか。


写真をクリックしていただくと、ユーチューブで、道路を横断する幼虫の動画をご覧いただけます


 大きさや色合いから判断すると、ヒグラシの幼虫のようだ。

 だいたい普通、この時間・・朝の6時20分だが、セミが羽化するとすれば、幼虫の背中を割って出て、羽や体を乾かし、固くしている時間だ。もう飛び立っていてもおかしくない。
 それなのに、道路をまだ横断しているセミ。君は今まで何をしていたのか。

 よっぽどよんびり屋か、迂闊な性格なのだろう。あまりにタイミングが遅すぎる。


 せかせか歩く姿に、ディズニーアニメの「不思議の国のアリス」が重なる。
 あのアニメでは、せかせか走るウサギについて行ったことで、アリスの冒険が始まるのだった。

 私が、このセミについて行ったら、何か不思議な冒険があるのだろうか・・・・いやいや、妄想はやめておこう。

 セミの進む先には側溝がある。落ちたら、上がれなくなって、その場で羽化となってしまうかもしれない。その前に車両がくればひかれてしまうかもしれない。

 かわいそうなので、この後、つまんで道路脇の杉の木に放した。
 木肌をつかんだセミは、また、セカセカと気を登って行った。どこまで上がった事やら。
 無事に羽化できたのだろうか。

 翌日、近くの道端の草で羽化したセミの抜け殻を見つけた。ヒグラシの殻のようだ。
 前日に幼虫が登った杉の木とは違う。別の幼虫が羽化したのだろう。



 こちらは、すでに抜け殻しかない。飛び立った後のようだ。時間にはきまじめな幼虫だったようだ。 


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