いわき市議会12月定例会はきょうが最終日でした。
午前10時に本会議が開会し、職員給与等に関する議案14議案の追加提案を受けて、質疑、委員会審査が行われ、各常任委員長と閉会中に審査されていた2015年度一般会計決算と各特別会計決算、企業会計決算の特別委員会の委員長報告が行われ、討論が行われました。
党市議団としては、新たな施設の設置にともない、使用料金に消費税が転嫁された、屋内多目的広場といわき駅北口駐車場に関する2つの条例案と、個人番号制度を整備するための予算が計上された一般会計補正予算に反対しました。また個人番号制度の関連予算の執行と特定疾患患者に対する見舞金を減額した2015年度一般会計決算、そして、2015年度国民健康保険特別会計決算には被保険者資格証明書の発行が含まれていること、また介護保険特別会計には1号被保険者の保険料の引き上げ分の収入が含まれていることなどから、政策そのものに問題があるとの立場から不認定という姿勢をとりました。
これらに対する反対討論は渡辺博之議員が行いましたが、消費税に関する部分は私が起案した部分でしたので、その討論の元原稿を紹介します。
議案第8号、いわき市都市公園条例の改正について、及び、議案第9号、いわき市駐車場条例の改正については、関連がありますので一括して討論いたします。
議案第8号は、21世紀の森公園内に「屋内多目的広場」が整備されたことにともない、この施設を公園施設として条例に位置付けるとともに、市民が施設を利用する際の使用料の額を定め等のため、所要の改定を行うもので、
議案第9号は、JRいわき駅北口交通広場の下部空間を活用した「いわき市いわき駅北口駐車場」の整備にともない、この駐車場を条例に位置付けるとともに、市民が駐車場を使用する場合の使用料の額を定める等のために、所要の改定を行うものとなっております。
両案には、使用料を定めるにあたり消費税を転嫁した金額となっている問題があります。
第1に、この消費税は、もともと所得の少ない人に重くのしかかる、逆進性の高い最悪の不公平税制です。しかも、社会保障のためと導入されながら、1989年、平成元年に導入されてから27年間に支払われた消費税は304兆円、国民一人当たり約240万円になる一方、このうちの87%に当たる263兆円が、大企業等の法人三税の減 税や減収の穴埋めに消えていく結果になってきました。
このため、消費税は過去3%から5%へ、また5%から8%へと増税がされながら、その一方では介護保険制度や障がい者自立支援など、国民負担が前提の社会保障制度があらたに作られ、国民負担が増やされる結果となってきました。
また、大企業は下請け企業への消費税の転嫁、あるいは商品の価格に上乗せして消費者に負担をさせることができ、また、輸出企業にとっても輸出戻し税という制度を活用して負担を避けることができるなど、大企業には痛くもかゆくもないものになっています。
一方、中小業者の6割は、消費税を売上げに上乗せできず、身銭を切って納めていますし、下請会社が大企業に消費税分を請求しても、逆に単価や消費税分を削るよう要求される事例もあり、とても酷な税制度になっています。
さらに、派遣会社を通じて支払う賃金は商品と同じ扱いとなるため、仕入れ税額控除ができる結果、正規雇用を派遣労働者や請負会社に置き換えるリストラをすすめる税金にもなっているのです。
消費税を10%に増税するにあたって軽減税率の議論がされたのは、生活に丸ごとかかる消費税に、国民が強く批判の声をあげたためだったと思います。
政府は消費税の10%への増税を2019年・平成31年10月まで延期することにしています。しかし、アベノミクスで経済格差が拡大し、暮らしが厳しくなる国民の痛みの声に応えざるを得なかったものだと思います。輸出大企業には優しく、国民、中小企業には酷な消費税は、継続させるのでなく、むしろ廃止の展望を開くために政治は努力すべきものと思います。
第2に、使用料や利用料に転嫁される消費税は、国への納税義務がないものであり、市民の負担の軽減をはかるために転嫁しないという政策判断が十分にできるものであるという点です。
今回の改定によって、屋内型多目的広場の場合、1面の使用につき一般で約100円、高校生以下で約50円の消費税を負担させることになっております。また、いわき駅北口駐車場の場合、原価98円で本来7円の消費税負担になって駐車場使用料は105円になるところ、5円は企業努力する形で使用料に上乗せせず100円としている、つまり、消費税分として30分あたり2円の負担を市民にさせることになっています。
しかしこれは、「課税標準に対する消費税額と控除することができる消費税額とを同額とみなす」ことにより、「結果的に納税額が発生しない仕組み」となっていることから、国への納税義務がないもので、結果的に市の財源として直接使われることになる収入となっています。
これは事実上の公共料金の値上げであり、政府が消費税引き上げの考えを持っている中では、今後もその動向によって、公共料金の事実上の値上げが繰り返されない状況になることは明らかです。
これらの利用料、使用料は、市民の文化やスポーツの振興に役立ち、市民の豊かで健康的な生活を市がサポートしていく上で重要な役割を果たす施設等に、あるいは地域の振興にかかわる施設に転嫁されていることを考えれば、こういう施策をすする上でのマイナスの影響を、高料金の使用料という形で阻害し、これらの施策の推進に逆行することになるものと思われます。
租税法定主義といいます。納税の義務があるものはきちんと支払う、あるいはそのために努力する。このことは当然だと思います。一方で、納税の義務がなく市として支払う必要がない部分については、政策的判断にゆだねて転嫁しない。こういう選択をすることも十分可能だと思います。
現実に今回提案されたいわき駅北口広場の駐車場使用料では、本来、7円となるべき消費税分を2円にまで圧縮している現実があります。これは租税法定主義を堅持しながらも、市の判断で消費税の転嫁を避けることができる証拠となりうるものであります。
市民の利便性を図るために、できるだけ低料金に抑えて利用の拡大を図る。これは市にとって、当然必要な施策の方向です。こうした考えを他の使用料等にも拡大していくべきと考えます。
よって消費税の転嫁をしている議案第8号、及び議案第9号には問題がありますので否決とし、消費税を転嫁しない使用料金として再提案すべきと考えます。
午前10時に本会議が開会し、職員給与等に関する議案14議案の追加提案を受けて、質疑、委員会審査が行われ、各常任委員長と閉会中に審査されていた2015年度一般会計決算と各特別会計決算、企業会計決算の特別委員会の委員長報告が行われ、討論が行われました。
党市議団としては、新たな施設の設置にともない、使用料金に消費税が転嫁された、屋内多目的広場といわき駅北口駐車場に関する2つの条例案と、個人番号制度を整備するための予算が計上された一般会計補正予算に反対しました。また個人番号制度の関連予算の執行と特定疾患患者に対する見舞金を減額した2015年度一般会計決算、そして、2015年度国民健康保険特別会計決算には被保険者資格証明書の発行が含まれていること、また介護保険特別会計には1号被保険者の保険料の引き上げ分の収入が含まれていることなどから、政策そのものに問題があるとの立場から不認定という姿勢をとりました。
これらに対する反対討論は渡辺博之議員が行いましたが、消費税に関する部分は私が起案した部分でしたので、その討論の元原稿を紹介します。
消費税が転嫁された使用料の条例改定案への反対討論
議案第8号、いわき市都市公園条例の改正について、及び、議案第9号、いわき市駐車場条例の改正については、関連がありますので一括して討論いたします。
議案第8号は、21世紀の森公園内に「屋内多目的広場」が整備されたことにともない、この施設を公園施設として条例に位置付けるとともに、市民が施設を利用する際の使用料の額を定め等のため、所要の改定を行うもので、
議案第9号は、JRいわき駅北口交通広場の下部空間を活用した「いわき市いわき駅北口駐車場」の整備にともない、この駐車場を条例に位置付けるとともに、市民が駐車場を使用する場合の使用料の額を定める等のために、所要の改定を行うものとなっております。
両案には、使用料を定めるにあたり消費税を転嫁した金額となっている問題があります。
第1に、この消費税は、もともと所得の少ない人に重くのしかかる、逆進性の高い最悪の不公平税制です。しかも、社会保障のためと導入されながら、1989年、平成元年に導入されてから27年間に支払われた消費税は304兆円、国民一人当たり約240万円になる一方、このうちの87%に当たる263兆円が、大企業等の法人三税の減 税や減収の穴埋めに消えていく結果になってきました。
このため、消費税は過去3%から5%へ、また5%から8%へと増税がされながら、その一方では介護保険制度や障がい者自立支援など、国民負担が前提の社会保障制度があらたに作られ、国民負担が増やされる結果となってきました。
また、大企業は下請け企業への消費税の転嫁、あるいは商品の価格に上乗せして消費者に負担をさせることができ、また、輸出企業にとっても輸出戻し税という制度を活用して負担を避けることができるなど、大企業には痛くもかゆくもないものになっています。
一方、中小業者の6割は、消費税を売上げに上乗せできず、身銭を切って納めていますし、下請会社が大企業に消費税分を請求しても、逆に単価や消費税分を削るよう要求される事例もあり、とても酷な税制度になっています。
さらに、派遣会社を通じて支払う賃金は商品と同じ扱いとなるため、仕入れ税額控除ができる結果、正規雇用を派遣労働者や請負会社に置き換えるリストラをすすめる税金にもなっているのです。
消費税を10%に増税するにあたって軽減税率の議論がされたのは、生活に丸ごとかかる消費税に、国民が強く批判の声をあげたためだったと思います。
政府は消費税の10%への増税を2019年・平成31年10月まで延期することにしています。しかし、アベノミクスで経済格差が拡大し、暮らしが厳しくなる国民の痛みの声に応えざるを得なかったものだと思います。輸出大企業には優しく、国民、中小企業には酷な消費税は、継続させるのでなく、むしろ廃止の展望を開くために政治は努力すべきものと思います。
第2に、使用料や利用料に転嫁される消費税は、国への納税義務がないものであり、市民の負担の軽減をはかるために転嫁しないという政策判断が十分にできるものであるという点です。
今回の改定によって、屋内型多目的広場の場合、1面の使用につき一般で約100円、高校生以下で約50円の消費税を負担させることになっております。また、いわき駅北口駐車場の場合、原価98円で本来7円の消費税負担になって駐車場使用料は105円になるところ、5円は企業努力する形で使用料に上乗せせず100円としている、つまり、消費税分として30分あたり2円の負担を市民にさせることになっています。
しかしこれは、「課税標準に対する消費税額と控除することができる消費税額とを同額とみなす」ことにより、「結果的に納税額が発生しない仕組み」となっていることから、国への納税義務がないもので、結果的に市の財源として直接使われることになる収入となっています。
これは事実上の公共料金の値上げであり、政府が消費税引き上げの考えを持っている中では、今後もその動向によって、公共料金の事実上の値上げが繰り返されない状況になることは明らかです。
これらの利用料、使用料は、市民の文化やスポーツの振興に役立ち、市民の豊かで健康的な生活を市がサポートしていく上で重要な役割を果たす施設等に、あるいは地域の振興にかかわる施設に転嫁されていることを考えれば、こういう施策をすする上でのマイナスの影響を、高料金の使用料という形で阻害し、これらの施策の推進に逆行することになるものと思われます。
租税法定主義といいます。納税の義務があるものはきちんと支払う、あるいはそのために努力する。このことは当然だと思います。一方で、納税の義務がなく市として支払う必要がない部分については、政策的判断にゆだねて転嫁しない。こういう選択をすることも十分可能だと思います。
現実に今回提案されたいわき駅北口広場の駐車場使用料では、本来、7円となるべき消費税分を2円にまで圧縮している現実があります。これは租税法定主義を堅持しながらも、市の判断で消費税の転嫁を避けることができる証拠となりうるものであります。
市民の利便性を図るために、できるだけ低料金に抑えて利用の拡大を図る。これは市にとって、当然必要な施策の方向です。こうした考えを他の使用料等にも拡大していくべきと考えます。
よって消費税の転嫁をしている議案第8号、及び議案第9号には問題がありますので否決とし、消費税を転嫁しない使用料金として再提案すべきと考えます。
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