市議会6月定例会
受動喫煙防止のため喫煙所の確保が必要では
イエローグリーンリボンに思う
受動喫煙防止のため喫煙所の確保が必要では
イエローグリーンリボンに思う
4日開会したいわき市議会6月定例会には、イエローグリーンのリボンを着用した出席者が散見されました。そのリボンに秘められた思いはどんなものなのか・・。
イエローグリーンリボンとは何。疑問に思う方も多いでしょう。「たばこの煙を吸いたくない」という気持ちをさりげなく周りの人に伝えるリボンです。
報道によると、18年前に長崎県佐世保市の市民のアイデアで始まり「不快に思わせず気持ちを分かってもらう方法として考案」(福島民報)されました。
4月からの改正健康増進法の施行で「受動喫煙を防ぐ取り組みがマナーから義務になり、改めて注目されている」(同)といいます。
世界保健機関は5月31日を「世界禁煙デー」とし、厚生労働省は世界禁煙デーから始まる1週間を「禁煙週間」と定めています。週間がかぶる6月定例会の会期18日までのリボン着用を執行部が要請してきました。これに応えた着用です。
入院契機に卒煙
筆者も喫煙の時期がありました。卒煙は30代前半、きっかけは入院でした。
左顔面麻痺を患い、ステロイド剤の投与を受けるための入院でした。病気の原因は不明でしたが、入院中の不健康な行為はよそうと禁煙。退院後もそのまま継続しました。
卒煙から3ヶ月、友人の結婚式に呼ばれ、もらった1本のタバコを口にし火をつけてみました。これがすこぶる嫌な味。二度とタバコを口にしようと思わなくなりました。
以来、卒煙から時間が経過するごとに、タバコ臭への忌避感が大きくなりました。
受動喫煙の発生
改正法に伴い、公共施設とその敷地内等では喫煙が禁止されました。市役所周辺では、喫煙者の喫煙場所の確保が課題になっているように見受けられます。
周辺にはいくつかの喫煙スポットが見られます。このスポットはいわば道路沿いなどの公共的な空間に面し、非喫煙者との交差が避けられない場所ともなっており、受動喫煙せざるを得ない場面も見受けられます。
卒煙期待するが
このような問題の解決には、喫煙者の方に卒煙していただくことが一番です。健康面や環境面から考えればそれがもっとも良い方策です。喫煙者は、新型コロナウイルスで肺にダメージを受けるリスクも大きいといいますからなおさらです。
ある喫煙者に、「タバコが1本1000円になったらどうしますか」と質問してみたことがあります。その方は「やめるだろう」とし、「たばこ税をじりじりと上げていくが、あれはずるい。この程度ならとつい喫煙を続けてしまう」と恨み節を語っていました。なかなかやめられないのがたばこの悪い点。
最近は禁煙外来もあり、専門的な処置のもと禁煙にも挑戦できます。費用は1日1箱の喫煙者ならたばこ代の2から3か月分。喫煙を継続するよりずっと安い費用です。しかも、意外とすんなり禁煙できたという体験者の話も聞きます。個人差はあるでしょうが、ぜひ挑戦していただきたいものです。
受動喫煙避けられる環境づくり
一方、そうはいってもやめられないという方もいるでしょう。
昨年の6月定例会では、改正法の施行を前にして、屋外に喫煙場所の整備を求める一般質問がありました。質問者は、「喫煙が法律で認められている以上、私は、現時点では分煙というのが、受動喫煙防止対策推進の唯一の選択肢」とする考えを披露しました。その意見も一定理解できる部分があります。
喫煙場所が特定されない状況では、道路や堤防など公共的空間で、喫煙者と非喫煙者が交差しない状況は難しい。人が少ない場所に喫煙場所を特定することによって、非喫煙者は、この場所をあらかじめ避けて行動することが可能となり、受動喫煙をしなくて済む環境が作られることになります。
改正法の全面施行から2か月が過ぎました。ふさわしい喫煙場所を確保して分煙を図る。この大切さが浮き彫りになっていると思います。6月定例会に呼びかけられたイエローグリーンリボンの着用。その趣旨を活かすためにも、市にはぜひ検討していただきたいものです。
文=伊藤浩之
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