伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

和紙ボランティアが紙漉き体験

2021年03月09日 | 遠野町・地域
 「しょしとり」は、枝から剥ぎ取ったコウゾの皮から、表面の黒皮と中層の甘皮(薄緑色の層)を削り取り、白皮を取り出す作業。遠野の場合、わらで編んだ台に皮を乗のせ、包丁を使って黒皮等を剥ぎ取る。この白皮は乾燥させて保管する。

 ボランティアメンバーは、基本的に「しょしとり」までの作業を担うのだが、紙漉きの体験もしてみたのだ。

 紙漉きをするまでも、いくつかの工程がある。乾燥白皮を水に浸して戻し、残っているごみをとり、固い台の上に乗せ木槌で打つ。これを打解というが、白皮の繊維してほぐし、さらにビーターという機会を使って繊維化した材料を、漉き舟と呼ばれる四角い容器で水に混ぜ込み紙料とする。この紙料を漉桁ですくい上げて振るい、均等にならす。これで紙漉き作業は終わる。

 この後に、重しをかけて水を切り、乾燥の工程を経て完成する。



 地域おこし協力隊の平山さんは、やはり手つきが違う。



 少し、手順を覚えたかった私は、6回から7回ほど、体験させてもらった。写真は一番最初。動きにこわばった感じがあるが、最後の頃はもう少し柔らかく道具を扱えていたと思う。

 紙料をすくった漉桁は約20kgの重量があるという。結構な重さだが、桁に付いている紐は、竹につながっている。竹のしなりがバネになって、重さを支えてくれる。漉桁を揺すってみて、この竹のしなりをうまく扱うところに、紙漉きのコツがあると感じた。

 この後、ハガキサイズの和紙漉きも体験した。



 紙料を漉桁に漉き上げ、軽く揺すってならす。2~3回繰り返して水を切り、ローラーで軽くならして完成だ。紙料に何かをすき込むときには、2枚の和紙を漉いて、台紙と被せる紙とし間に挟み込む。

 私も、何かすき込んでみたいと思って、遠野和紙の工房となっている「学び舎」の庭先に自生するオオイヌノフグリの花を摘んですき込んでみた。できあがったのだが、どうも花のすけ具合がいまいちだ。かぶせた和紙が厚すぎたようだ。紙漉きをするとき、台紙になる部分も、被せる紙も、紙料を3回すくった。少なくとも被せる紙は1度から2度程度として、薄い紙とする方が良さそうだ。

 カキドオシの花も見つけた。この花をすき込んでみた人もいた。

 ただ生の花は、時とともに枯れて茶色くなっていくようだ。すき込むときは、ドライフラワー等にして、花の色を固定して置いた方が良いようだ。

 施設の敷地内には、ミツマタも植えられている。花を開いていた。



 ヤナギの木では「ピッツピーツツツピー」とホオジロがさえずった。


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