いわき九条の会連絡会などが憲法記念日の3日、いわき市文化センターで開いた憲法記念日講演会「憲法問題の基本・立憲主義とは何か」を聴講しました。東海大学法科大学院の永山茂樹教授の講演ですが、約100人が参加していました。
永山教授は「権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対的に腐敗する」というイギリスの歴史家アクトンの言葉をひきながら、権力を疑い、権力を憲法でしばるという考え・立憲主義が生まれたことを紹介しながら、「(国家より)高次の憲法を解こうとしている安倍さん(首相)は、縛られない権力者をめざしている」ことになると批判。現代においては「権力をしばる」ものでなかったり、「国民の権利や自由を保障するもの」でなければ憲法に含まれないと指摘しました。
また日本においては、明治の頃から自由民権運動家などの中で「立憲」という考え方はあったものの、明治憲法は、天皇が憲法定める「欽定憲法」で権力をしばる内容を持ちえなかったことから、近代立憲主義とは言えなかったとして、1946年制定の日本国憲法によって初めて近代立憲主義が日本に花開いたことを紹介しました。
ところがこの日本の立憲主義が危機に瀕しています。永山教授は一つは改憲発議要件緩和の議論や、主運団的自衛権行使の憲法解釈変更をめぐる問題のように内閣法制局の憲法解釈が持つ役割をなくそうとする議論、さらに最近は安倍首相の国家をしばる立憲主義の考えは「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方」という発言や砂川訴訟判決を集団的自衛権行使を禁じていない根拠とする誤った議論などを、その事例としてあげていました。
この中でなるほどと思ったのは、憲法の解釈が多層的に行われているという指摘。
政治部門での憲法解釈は国会、内閣、地方自治体で行われ、また法制部門では裁判所、議院法勢力、内閣法制局で行われます。この6段階での憲法解釈のうち、その一角を占め、しかも「専門的意見として最大限尊重される」ことを制度上予定されている内閣法制局の憲法解釈を無効にしようという安倍首相のたくらみは何としても打ち破らなければならないと思いました。
また改憲の原動力は何かという質問への答えも興味深かった。
永山氏は、自民党が改憲をめざすその原動力として、かつては、財界とアメリカ、そして改憲を生きがいとする人を上げていたといいます。
しかし、財界は武器輸出三原則を空洞化させて武器輸出ができるようになったことで主な動機を失い、アメリカは最近「控えめな改憲論」に転換してきた。残る「生きがい」が、改憲の原動力になっているというのです。
そこで思い出すのが、古賀誠・自民党元幹事長が安倍首相の改憲について批判をし、赤旗に登場していること。武村正義元内閣官房長官や藤井裕久元財務省も登場し、集団的自衛権行使の憲法解釈変更を内閣ができるとした安倍首相の言動を「軽々しく大原則を変えるな」などと批判していますが、こういう大事な問題を個人の嗜好・生きがいだけでやられたらたまったものではありません。
安倍首相が改憲を強行する姿勢を強めれば強めるほど、憲法九条に改憲に賛成の人も、改憲反対の声を強めているといいます。安倍改憲反対・憲法守れの共同の輪を広げることが大切だとつくづく感じました。
永山教授は「権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対的に腐敗する」というイギリスの歴史家アクトンの言葉をひきながら、権力を疑い、権力を憲法でしばるという考え・立憲主義が生まれたことを紹介しながら、「(国家より)高次の憲法を解こうとしている安倍さん(首相)は、縛られない権力者をめざしている」ことになると批判。現代においては「権力をしばる」ものでなかったり、「国民の権利や自由を保障するもの」でなければ憲法に含まれないと指摘しました。
また日本においては、明治の頃から自由民権運動家などの中で「立憲」という考え方はあったものの、明治憲法は、天皇が憲法定める「欽定憲法」で権力をしばる内容を持ちえなかったことから、近代立憲主義とは言えなかったとして、1946年制定の日本国憲法によって初めて近代立憲主義が日本に花開いたことを紹介しました。
ところがこの日本の立憲主義が危機に瀕しています。永山教授は一つは改憲発議要件緩和の議論や、主運団的自衛権行使の憲法解釈変更をめぐる問題のように内閣法制局の憲法解釈が持つ役割をなくそうとする議論、さらに最近は安倍首相の国家をしばる立憲主義の考えは「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方」という発言や砂川訴訟判決を集団的自衛権行使を禁じていない根拠とする誤った議論などを、その事例としてあげていました。
この中でなるほどと思ったのは、憲法の解釈が多層的に行われているという指摘。
政治部門での憲法解釈は国会、内閣、地方自治体で行われ、また法制部門では裁判所、議院法勢力、内閣法制局で行われます。この6段階での憲法解釈のうち、その一角を占め、しかも「専門的意見として最大限尊重される」ことを制度上予定されている内閣法制局の憲法解釈を無効にしようという安倍首相のたくらみは何としても打ち破らなければならないと思いました。
また改憲の原動力は何かという質問への答えも興味深かった。
永山氏は、自民党が改憲をめざすその原動力として、かつては、財界とアメリカ、そして改憲を生きがいとする人を上げていたといいます。
しかし、財界は武器輸出三原則を空洞化させて武器輸出ができるようになったことで主な動機を失い、アメリカは最近「控えめな改憲論」に転換してきた。残る「生きがい」が、改憲の原動力になっているというのです。
そこで思い出すのが、古賀誠・自民党元幹事長が安倍首相の改憲について批判をし、赤旗に登場していること。武村正義元内閣官房長官や藤井裕久元財務省も登場し、集団的自衛権行使の憲法解釈変更を内閣ができるとした安倍首相の言動を「軽々しく大原則を変えるな」などと批判していますが、こういう大事な問題を個人の嗜好・生きがいだけでやられたらたまったものではありません。
安倍首相が改憲を強行する姿勢を強めれば強めるほど、憲法九条に改憲に賛成の人も、改憲反対の声を強めているといいます。安倍改憲反対・憲法守れの共同の輪を広げることが大切だとつくづく感じました。
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