伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

タスキに関する・・取材?

2016年08月08日 | 活動報告
 こんな電話がありました。電話があったというより、「遅くとも電話をくれ」という伝言があったので、こちらから電話をしたものですが。

 「青いポスト」という市内で「いわき市発の地域経済情報紙」をうたって発行されているペーパーの主筆からの電話です。

 先日の事務所開きを報じた「いわき民報」で、党の立候補予定者がタスキをかけた写真になっていたことについて、選挙管理委員会から注意を受けたのか、という内容でした。

 確かにこの件については選挙管理員会から、選挙期間以外にタスキの着用はできないとのご指導をいただき、着用しないよう周知したところでした。

 おまけに、配布しているビラに公選法に反する内容があるのではないか、と聞いてきました。これは何のことなのか。

 私たちは、政治活動用のビラとして公職選挙法に反しない内容でビラを作成し配布はしているものの、法に反するような内容のビラを配布はしていないと認識しています。

 公職選挙法に反するものとは、事前運動にあたる言葉、つまり「立候補」「候補者」「支持」など選挙に類する言葉を使った宣伝物です。日常的な言葉を使って政治宣伝をすることには何ら問題はない。私が知るかぎりでは、私たちが一般に向けに配布しているビラには、そのような言葉は使われておらず、何ら問題がないものです。

 ですから私は、そのようなビラは「知らない」と答えました。逆に、そのような問題のあるものを情報として持っているのかと問いかけたことには、その主筆は「私のところにはいろんな情報が寄せられている」とのことで、具体的に何を指しているのかさっぱり分からずの問い合わせでした。

 この電話を受け答えしながら、憤りがよみがえってきました。

 この主筆は、4年前のいわき市議選の少し前に、遠野町に作業員宿舎の建設が計画されていることが明るみに出たことを文章にした中で、本人への取材もなく、私がこの宿舎計画の関係者であるかのようににおわせる文章を書いたことがあったのです。

 その時期に開かれた市議会では次のように発言していました。



 インターネットの普及は、便利な反面、問題が生じた場合には被害は甚大だということが言えるかと思います。

 最近、私らしき人間がいわき経済報のホームページにイニシャルで登場していることを発見しました。そして、ほぼ同じ内容が掲載された経済報が遠野地区で配布されました。

 書かれているのは、最近遠野地区に持ち上がった、400人規模の建設労働者の宿舎の建設計画をめぐるもので、遠野地区の住民に不安が広がっている問題を書いたものです。17日には、住民に対する民間事業者である株式会社美咲の説明会が開かれましたが、選挙でもこんなに集まらない、このように出席した住民が言うほど多数の、300人程度いたと思いますが、集まったみなさんは治安の悪化に対する不安などを語り、すべての出席者が事業の撤回を求めるという説明会でありました。

 さて、経済報の私らしき人物のイニシャルは、地権者にかかわって書かれた部分に市会議員のIさんの親戚と登場してきます。Iのイニシャルを持つ市会議員は、本市議会には私のほかに3人がいらっしゃいますが、遠野町には私だけであります。このIが私で、親戚であるということが事実としても、関係のない人間をなぜ書く必要があるのか。この計画にIなる市会議員がかかわっていると連想させようとしているようにしか思えません。そこにこの表現の悪意がありますし、現実にこれまで遠野地区の方から伝わったお話では、伊藤議員がこの計画を持ってきたというふうな風聞もあるようでございます。

 もちろん私には全く身に覚えがない話です。仮にこれを書いた人物が記者であり、この計画に議員がかかわったという印象を持ったとするならば、少なくても本人にそのことを取材した上で報道すべきですが、私には全く取材はありませんでした。

 私が体験したのは、意図的とも思える情報発信による被害の例と言えると思いますが、同じく情報発信による被害ということを考えたときに、市長も昨年、私の体験とは比べようがないほど深刻な体験をされております。

(引用先はいわき市議会会議録



 なぜ本人に取材しなかったのか、主筆に問いただしたことがありました。その回答は、「自宅に電話をしたのだが、おばあちゃんらしき人が出て、本人はいなかった」という返事でした。ふざけた返事です。あらためて問い合わせをすればいいだけの話ですから。いまだに謝罪も無しです。

 この事実を知った後、私は、この計画の問題点を住民のみなさんに知らせ、計画を断念させるために様々な活動を展開しました。

当時のブログ

 当時は技術がなかったので活動日誌をブログに掲載していませんが、このブログに書かれた会社にこれといった建設関係の施工実績がないことをなどを住民のみなさんに知らせています。

 そんなこともあって、今回、このタスキの件で電話をよこしたのは、飯場の件の時に取材をしなかったことで抗議をされたからなのか、という趣旨で問いかけました。「そんなことはない」と言っていたけれども・・。

 私は自身の体験から、この情報紙をマスコミと認識しないことにしています。信頼に足るマスコミと認識しないといっていいかもしれません。取材対象を必ず取材する。これはマスコミのイロハのイだと思います。取材を踏まえずに記事にするなどということは、マスコミのすることではないと考えるからです。

 それはともかく、選挙管理委員会からの指摘があったのは事実で、少なくともこのタスキの件については、限られた場所で、しかもごく限られた人が対象になるような事務所開きでのことなので問題はないとこちらは考えていたので、選管にその考えは伝えました。しかし、選管側の主張は違いましたので、この選管の指導を受け入れました。

 でも、そもそもこの公職選挙法ってなんなんだろうとな、思うことはあります。

 選挙というものは、その人の政策や人物像などを良く知ってもらった上で、誰に投票するかを決めるものです。それを一生懸命制限するのが公職選挙法になっているのです。

 憲法は「表現の自由」を保障していますが、この表現の自由を、もっとも表現することが必要な選挙にかかわり制限をする。へんてこな話です。そして知らしめるべきことを制限しておいて、つまり選挙告示前には外に向かっては何もやられていないはずなのに、告示日の翌日からは期日前投票で投票ができるようにする。この制度って、選挙における政策を相手にしていない、政策で人を選ぶものになっていないんじゃないか、そんな思いがしてきます。

 今回の事務所開きの報道に関しては、同じ日に共産党以外の方の事務所開きも掲載されていました。それぞれ事務所の主となる方がマイクを握っていましたが、この発言の中でどんな話をしていたのだろうと興味がわいてきます。「支持を広げてください」や「当選に向けてがんばる」などという発言は、タスキの件と同じく、公選法にひっかかるかもしれないのですから・・。 


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