伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

学舎でベンチづくり

2023年02月17日 | 遠野町・地域
 楮の枝からの皮剥きは、通常、人により様々な姿勢を取るが、私の場合しゃがみ姿勢で行ってきた。
 少し長めの時間になると足はしびれてくるし、腰は痛くなってくる。何とかしたいな、とは思っていた。



 実際、腰掛けた姿勢で作業するとこれがとても楽。「
 「イスでも作ってくれよ。65歳以上は腰掛けて出来るようにしよう」などという冗談のような声もあったし、燃料用に大量の端材が入ったこともあり、野外用のベンチを作ってみようとも考えていた。そこで、これを機会に作ってみることにした。

 ちなみに先の冗談のような声に、「作った俺はまだしばらく使えないの・・」と冗談に抗議しておいた。

 それはともかくベンチなど作ったことはない。とりあえずネットで検索してみた。4脚のベンチの写真や作り方が多い。
 検索画像の中には、幅広の板による2脚のイスがあり、この形状が面倒くさくなく作れるのではないかと推量し、この形で作ってみることにした。

 天板は木から柱や板を作る際に端材として出る、木の外側を使う。板が厚くて丈夫そうだし趣もある。これに脚を取り付ければ完成だ。

 とはいっても、天板の板は脚の取り付け面が曲面になる。ここに平面を作らなければ脚を取り付けることができない。持っている道具で使えそうなのがチェーンソー。平面にしたい部分に何度か刃を入れ細い切れ込みを作る。そこをノミで削りとる方法で少しでこぼこがあるものの、平面を作ることが出来た。
 平面部に脚を取り付ける補助材を入れ、脚板の先端・地面設置部に角材を削った足を取り付け、ベンチは完成となる。

 目論見では、比較的短時間ででき、この日のうちに2台から3代はいけるのではないかと思っていた。ところがそう簡単な話ではなかった。

 まず天板を必要な長さで切断し、最終的にはグラインダーをかけて縁に丸みをつける。天板の裏側にチェーンソーとノミを入れて平面を削りだす。
 天板から切り離した部分を脚とするため、必要な長さの板を切り出し、脚部の補助材と脚の足となる角材から必要な長さを切り取る。足材を平面のままとすると地面に置いた時にぐらつく可能性がある。地面に接地する面を点に近くするために中ほどを2㎝程の厚さで切り取り「コ」の字型の部材にする。補助材と足材に脚板を取り付けるため、板の幅で2㎝程の掘り込み(「欠き」というらしい)を入れ、すべての部材を滑らかにするためグラインダーをかける。

 これらの作業のうち「欠き」を作る作業に手がかかる。おまけに脚のぐらつきを抑えるために脚と脚をつなぐ「つなぎ」を脚に入れてみたら、ほぞが狭すぎて板が割れてしまった。
 作り直しだ。

 完成イメージだけで図面もなく、素材は定格でなくバラバラ。これらの要因が時間がかかる要因になった。結果、1台作るために5時間弱がかかった。10時に作業を始め、完成は午後3時を回っていた。

 2台目以降は、使う機械器具や手順もおおよそ把握したので、もっと短い時間で作ることができると思う。ベンチは2人掛けを想定しているので、あと4台は作りたいと思う。

 ちなみにボランティアは木工作業が多い。通常の作業と別に木工品づくりをしている形だ。



 この間に作った木工品。手前が今日作ったベンチ、その隣の✕の形状をしたものは楮の枝の裁断作業で枝を束ねるために使うスタンド。皮をむいた楮の枝を利用し、枝にドリルで穴をうがち組み合わせる。組んだ枝が抜けないように留める釘も細い楮の枝を利用した。100%楮製の道具で、とりあえず3台作った。

 スタンドの奥に見えるのが木工作業用に簡易的に作ったテーブル。腰高で利用できる高さに作った。ベンチの奥左側に見えるのは、学び舎の隣を片づけて見つかった天板の外れたテーブルに別の板で天板を取り付けたもの。

 そもそも木工作業は、塵取り(白皮からごみや汚れを取り去る作業)を椅子に座ってできるようなテーブルを作ろうと考えていた。これはまだ手付かず。
 しばらく木工作業も続きそうだ。

 ところで学び舎にフクジュソウが咲くことを知った。




 春の便りが一つ増えた。


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