今週の議員だよりは、先週来行われている常任委員会の視察で学んだことがテーマです。私は熊本県玉名市と福岡県福岡市で視察をしてきましたが、その視察内容について議員だよりの記事にしました。
ただ今日の時点では700字程オーバーしています。明日、原稿整理して最終原稿にしたいと思います。
いわき市議会は、25日から27日に産業建設と政策総務、1月30日から2月1日には市民生活と教育福祉の各常任委員会が、それぞれ視察研修に出かけました。私の所属する産業建設常任委員会は、熊本県玉名市の6次産業推進事業、福岡市の中小企業・小規模企業振興推進プランについて、それぞれ研修してきましたので、概要を紹介します。
6次化の意欲引き出し、産業化へも具体的支援
6次産業とは何か。第1次産業から生まれる地域資源を活用し、加工(第2次産業)から、販売(第3次産業)を行うことによって「付加価値」を生み出し、新産業の創出を図ることをいいます。
1次、2次、3次。全部足すと6次になりますが、現在ではどの要素が一つ欠けても成り立たないために掛け算で考えるようになっているといいます。つまり「1×2×3=6」です。
玉名市が取り組んでいる6次産業推進事業は、市役所職員によるプロジェクト会議の検討を踏まえ、学識経験者を含む活性化委員会で検討を加え具体的な事業に結実していくようにしています。
また、月1回の勉強会や業種をこえて交流する場となる交流会をもうけ、農林漁業者に6次化を広めるきっかけづくりもしています。
6次化に取り組もうと意欲を持った第1次産業従事者には、第6次産業推進補助金が用意されています。
第1次産業に従事する農林漁業者が製品の開発・加工(委託加工も可)から販売まで行う場合、500万円を限度に対象経費の2分の1を3年間のうちに支援するものです。
対象となる経費は研究開発費と販路開拓費です。
2011年度から開始され、これまでのべ13事業者に2432万円の支援が行われ、農産物加工品で70品目以上が開発されました。
中には、全国商工会連合会会長賞を受賞し、全国的に販売される商品になったケースもあります。
現在、この中から推奨品として18品目を選定し、6次産品のPRに努めているといいます。
一方、開発されたものの消えてしまった商品も多々あるといい、商品開発には難しさが付きまとう面があることを教えています。
市は開発と販路拡大では、あくまでつなぎ役に徹します。6次化にチャレンジをしようと応募してきた場合、その方の要望や6次化の状況に応じて必要な援助ができる団体やアドバイザーを紹介し、商品として磨き上げ販売につなげていくよう取り組んでいるといいます。
商品は、九州新幹線新玉名駅にある観光ホットプラザ「たまララ」というショップで販売しているということでしたので拝見してみました。
購入した「みかんチップ」を食べてみました。濃縮されたミカンの味が鮮烈でした。
本市は2016年度から20年度を期間とする第四期新農業生産振興プランに、6次産業化推進を位置づけています。この中で、今年度から6次産業化を推進するための加工施設や設備導入等に対して100万円を限度に経費の2分の1を助成する補助制度を創設しました。今年度はこれまで認定農業者や団体等に6件の助成が決まっているといいます。
ただこれらに取り組むよう背中を押す事業は、「6次化ネットワーク交流会」など福島県の事業に任せています。
一方、玉名市では勉強会や交流会を設け、背中を押す事業から、直接支援の補助制度まで市が切れ目なく支援する体制です。
市が一貫して6次化に取り組んでいく点は、本市の事業構築にも参考にしていく必要があると思います。
温度差はあるものの全庁あげて中小・小規模企業支援
福岡市は、東京や中国上海からも90分という立地条件で、人口増が続いているといます。
このもとで、福岡市内の大多数を占める中小企業・小規模事業者への支援の基本姿勢等を明確化し、事業者の抱える課題を全庁的な課題ととらえて、関係機関と連携しながらきめ細かい支援を実施するための取り組みをまとめた物が中小企業・小規模企業振興推進プランです。
プランは、新たな需要を見すえた経営の推進や、公共事業の受注機会の確保など5つのテーマをもとに118の事業に取り組むことにしています。
対象期間は、2014年度から16年度の3年間で、来年度以降は検討中だといいます。
中小企業等の振興には、副市長を本部長に、局長クラスが構成員となり、全庁をあげて取り組みます。しかし、現実には部局による温度差があるといい、どのように全体をコーディネートして全庁あげての取り組みにしていくのかが課題になっているようです。
本市では、昨年中小企業・小規模企業振興条例が制定されました。現在、経済団体や金融機関等の実務者レベルで構成する「振興会議」が設置され、取り組むべき課題の整理が行われています。
そこでは、経済団体、金融機関、そして行政が独自に実施している類似事業が整理をされながら、共通して取り組む体制が検討されつつあります。
このような取り組みによって、事業資金と人材の効率的運用、事業者間の交流の広がりなどによって、市内中小・小規模企業の事業展開に幅が広がることが期待されます。
新たな事業展開に従来の枠を越えた広がりを持たせようと考えるときに、福岡市で取り組む市役所内部での横の連携ということが参考になると思います。
委員会視察を市の施策にいかす
以前、文教経済常任委員だった時に、体験型経済教育施設を京都市で視察しました。
この際に京都では、施設活用時の児童生徒や運営ボランティアの交通費は市が負担していることを学びました。
このことから本市でも、児童・生徒の利用の際の交通費の市費負担と、ボランティアとして運営に参加する保護者等を支援するための交通費支給を求める中で、いわき市教委は児童生徒の交通費の市費負担を検討するようになってきました。
委員会をはじめとした視察で、各自治体の施策を理解していくことは、こういう形で市の施策に活きていく可能性を持っています。
今後とも視察で学んだ事例を市政に生かせるよう努力をしていきたいと思います。
ただ今日の時点では700字程オーバーしています。明日、原稿整理して最終原稿にしたいと思います。
4常任委員会が各地で視察
産業・建設常任委員会・6次産業の取り組みなど視察
行政あげての取り組みなど課題
産業・建設常任委員会・6次産業の取り組みなど視察
行政あげての取り組みなど課題
いわき市議会は、25日から27日に産業建設と政策総務、1月30日から2月1日には市民生活と教育福祉の各常任委員会が、それぞれ視察研修に出かけました。私の所属する産業建設常任委員会は、熊本県玉名市の6次産業推進事業、福岡市の中小企業・小規模企業振興推進プランについて、それぞれ研修してきましたので、概要を紹介します。
6次化の意欲引き出し、産業化へも具体的支援
6次産業とは何か。第1次産業から生まれる地域資源を活用し、加工(第2次産業)から、販売(第3次産業)を行うことによって「付加価値」を生み出し、新産業の創出を図ることをいいます。
1次、2次、3次。全部足すと6次になりますが、現在ではどの要素が一つ欠けても成り立たないために掛け算で考えるようになっているといいます。つまり「1×2×3=6」です。
玉名市が取り組んでいる6次産業推進事業は、市役所職員によるプロジェクト会議の検討を踏まえ、学識経験者を含む活性化委員会で検討を加え具体的な事業に結実していくようにしています。
また、月1回の勉強会や業種をこえて交流する場となる交流会をもうけ、農林漁業者に6次化を広めるきっかけづくりもしています。
6次化に取り組もうと意欲を持った第1次産業従事者には、第6次産業推進補助金が用意されています。
第1次産業に従事する農林漁業者が製品の開発・加工(委託加工も可)から販売まで行う場合、500万円を限度に対象経費の2分の1を3年間のうちに支援するものです。
対象となる経費は研究開発費と販路開拓費です。
2011年度から開始され、これまでのべ13事業者に2432万円の支援が行われ、農産物加工品で70品目以上が開発されました。
中には、全国商工会連合会会長賞を受賞し、全国的に販売される商品になったケースもあります。
現在、この中から推奨品として18品目を選定し、6次産品のPRに努めているといいます。
一方、開発されたものの消えてしまった商品も多々あるといい、商品開発には難しさが付きまとう面があることを教えています。
市は開発と販路拡大では、あくまでつなぎ役に徹します。6次化にチャレンジをしようと応募してきた場合、その方の要望や6次化の状況に応じて必要な援助ができる団体やアドバイザーを紹介し、商品として磨き上げ販売につなげていくよう取り組んでいるといいます。
商品は、九州新幹線新玉名駅にある観光ホットプラザ「たまララ」というショップで販売しているということでしたので拝見してみました。
購入した「みかんチップ」を食べてみました。濃縮されたミカンの味が鮮烈でした。
本市は2016年度から20年度を期間とする第四期新農業生産振興プランに、6次産業化推進を位置づけています。この中で、今年度から6次産業化を推進するための加工施設や設備導入等に対して100万円を限度に経費の2分の1を助成する補助制度を創設しました。今年度はこれまで認定農業者や団体等に6件の助成が決まっているといいます。
ただこれらに取り組むよう背中を押す事業は、「6次化ネットワーク交流会」など福島県の事業に任せています。
一方、玉名市では勉強会や交流会を設け、背中を押す事業から、直接支援の補助制度まで市が切れ目なく支援する体制です。
市が一貫して6次化に取り組んでいく点は、本市の事業構築にも参考にしていく必要があると思います。
温度差はあるものの全庁あげて中小・小規模企業支援
福岡市は、東京や中国上海からも90分という立地条件で、人口増が続いているといます。
このもとで、福岡市内の大多数を占める中小企業・小規模事業者への支援の基本姿勢等を明確化し、事業者の抱える課題を全庁的な課題ととらえて、関係機関と連携しながらきめ細かい支援を実施するための取り組みをまとめた物が中小企業・小規模企業振興推進プランです。
プランは、新たな需要を見すえた経営の推進や、公共事業の受注機会の確保など5つのテーマをもとに118の事業に取り組むことにしています。
対象期間は、2014年度から16年度の3年間で、来年度以降は検討中だといいます。
中小企業等の振興には、副市長を本部長に、局長クラスが構成員となり、全庁をあげて取り組みます。しかし、現実には部局による温度差があるといい、どのように全体をコーディネートして全庁あげての取り組みにしていくのかが課題になっているようです。
本市では、昨年中小企業・小規模企業振興条例が制定されました。現在、経済団体や金融機関等の実務者レベルで構成する「振興会議」が設置され、取り組むべき課題の整理が行われています。
そこでは、経済団体、金融機関、そして行政が独自に実施している類似事業が整理をされながら、共通して取り組む体制が検討されつつあります。
このような取り組みによって、事業資金と人材の効率的運用、事業者間の交流の広がりなどによって、市内中小・小規模企業の事業展開に幅が広がることが期待されます。
新たな事業展開に従来の枠を越えた広がりを持たせようと考えるときに、福岡市で取り組む市役所内部での横の連携ということが参考になると思います。
委員会視察を市の施策にいかす
以前、文教経済常任委員だった時に、体験型経済教育施設を京都市で視察しました。
この際に京都では、施設活用時の児童生徒や運営ボランティアの交通費は市が負担していることを学びました。
このことから本市でも、児童・生徒の利用の際の交通費の市費負担と、ボランティアとして運営に参加する保護者等を支援するための交通費支給を求める中で、いわき市教委は児童生徒の交通費の市費負担を検討するようになってきました。
委員会をはじめとした視察で、各自治体の施策を理解していくことは、こういう形で市の施策に活きていく可能性を持っています。
今後とも視察で学んだ事例を市政に生かせるよう努力をしていきたいと思います。
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