伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

「新規隊員募集に6割以上が協力拒否」発言に意見書案起案

2019年02月20日 | 市議会
 明日から始まるいわき市議会2月定例会は明日から開会するが、左顔面麻痺により入院し、明日退院になるタイミングで、明日の出席はかなわない。医師からは、プレドニン(ステロイド剤)を点滴で多量使用してきたことと、引き続き服薬による治療が必要な事、また、病気の性質上、ストレスは避けた方が治療効果が上がることなどから、あと1週間は自宅療養をした方が良いと指導されている。ステロイド剤の大量投与によって免疫力が低下し、インフルエンザなどの感染が懸念されるということだ。ここは医師の指導に従った方が良いだろう。

 定例会前日は、意見書案の締め切り日となるが、会派から提出する意見書のうち1件を起案した。安倍首相・自民党総裁が、党大会で地方自治体の6割以上が新規隊員募集に協力拒否と発言している問題に対してだ。

 以下がその案文。




正確な発言に心がけ国民に誤解を招かぬよう求める意見書(案)



 安倍首相が2月10日の自民党大会で、「新規隊員募集に都道府県の6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態がある。この状況を変えようではないか。憲法に自衛隊を明記して違憲論争に終止符を打とう」と発言したと伝えられた。後に「都道府県」は「正しくは都道府県と市町村」と訂正されているが、この発言は地方自治体にとって看過できないものである。

 そもそも多くの自治体は、自衛隊法に基づく自衛官募集事務に携わっており、本市においても、自衛隊の申請に基づく住民基本台帳の閲覧、また一般会計予算に計上された自衛官募集事務費では、議会一部での反対がありながら激励会を開催するなど、自衛官募集事務に協力する事業を展開している。

 岩谷防衛大臣は2月12日の記者会見で、自治体のうち4割から氏名や住所などの資料提供があること、3割は自治体が該当する情報を抽出した上で閲覧していること、2割は防衛省職員が全部を閲覧して自ら抽出しており、実際は約9割の自治体が住民基本台帳の閲覧を認めるなど何らかの形で自衛官募集事務に協力していることを明かした。このことをもってしても、安倍首相のいう「6割以上が協力を拒否」という実態は、どこにもないと言わざるをえない。

 自衛隊の違憲性に関する議論はあるにしても、内閣府の2017(平成29)年度の自衛隊・防衛問題に関する世論調査で、自衛隊に「良い印象を持っている」が36.7%、「どちらかといえば良い印象を持っている」が53.0%で、合計すると89.8%が自衛隊に比較的良い印象を持っており、自衛隊を受け入れている国民の姿が浮き彫りになっている。

 こうしたもとで、多くの自治体が自衛隊募集事務に協力している実態を踏まえない事実を違えた発言は、いらぬ誤解で地方自治体に対する住民の不信を招きかねないものである。また、異なる説明をもっての改憲の推進呼びかけは、国民をミスリードするものとして許されない。発言は自民党総裁としてのものであるが、同時に内閣総理大臣の職務を持つものとしての発言には十分に注意を払わなければならないことはいうまでもない。

 よって、内閣総理大臣においては、その職責に鑑み、自民党大会における自衛隊の募集事務に関する発言を撤回するとともに、今後、事実に基づく正確な発言に十分留意し努めることを求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

いわき市議会

内閣総理大臣
官房長官


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