伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

きょうからいわき市議会2月定例会

2015年02月26日 | 市議会
 きょうからいわき市議会2月定例会が開会します。市長の提案説明が行われますが、原発事故の商工業者への損害賠償を早ければ今月2月で打ち切るとした国と東電の方針に関し、継続することを求める意見書が採択に付される予定となっています。

意見書は地方自治法に規定された地方議会の権限で、国、県など行政機関に対して当該地方自治体の意見書を提出することができることになっています。通常、議会最終日に採択されますが、議会最終日に採択にふされる意見書について、各会派が昨日までに案分を提出しています。

 日本共産党からは
○小野町一般廃棄物最終処分場にかかる嵩上げと埋め立て容量の増量計画を断念することを求める意見書(案)

○沖縄で示された米軍基地建設反対の民意を尊重し、工事強行を断念することを求める意見書(案)

○過激組織ISの蛮行を許さないために、国連安保理決議の立場で行動することを求める意見書(案

○農業者・国民的合意のもとで農業・農協改革を行うことを求める意見書(案)

○労働法制の規制緩和を断念することを求める意見書(案)
以上5件の意見書案を提出しました。

 こちらは意見書検討会で各会派の調整と賛否が行われた後、議会最終日に全会派が一致した意見書が本会議に上程され採択されることになります。採択めざしてがんばりたいと思います。意見書案は以下のとおりです。



小野町一般廃棄物最終処分場にかかる嵩上げと埋め立て容量の増量計画を断念することを求める意見書(案)

 本市水道水源の一つ夏井川上流部にあたる小野町南田原井地内で、株式会社ウィズウェイストジャパンが設置した小野町一般廃棄物最終処分場について、同処分場の環境対策協議会において、事業者から処分場を嵩上げし埋め立て容量をさらに増量させたい旨提起されたことが伝えられた。

 同処分場は、当初計画の埋め立て満了を前に2006(平成18)年から07(平成19)年にかけ事業者が増量を計画し、いわき市などが反対するのを受けて福島県が調停に入り、いわき市が07年に増量を容認する経過があった。またその際、いわき市の依頼を受けて小野町は「今後、増量を考慮する状況にはないと考えております」と回答しています。

 そもそも同処分場については、主に関東圏の一般廃棄物を処分するものであり、自区内処理の原則からはずれた処分場でいわき市の水源が汚染されることは許されないと市民の反対運動が展開された。

 本市議会としても1995(平成7)年12月定例会で請願「水道水源の安全性確保について」及び「水道水源の安全性確保を求める意見書」を可決し、同処分場の建設が市民に不安を惹起していることから、必要な安全策を講じることを求めたところであり、こうした立場からも今回の再度の埋め立て容量の増量は認めることができないところである。

 よって小野町においては、今回の埋め立て容量の増量は断念し、処分場の廃止に向けた必要な措置を講じることを求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定にもとづき意見書を提出する。



沖縄で示された米軍基地建設反対の民意を尊重し、工事強行を断念することを求める意見書(案

 米軍普天間基地の移設問題は、長年の懸案事項であるが、政府が名護市辺野古沖への移転の計画を打ちだしたことに関し、沖縄県では昨年12月の衆議院選挙、それに先立つ11月の県知事選挙をはじめ、たびたび普天間基地の県内移設に反対する意思表明をしてきた。

 ところが防衛省沖縄防衛局は、住民らの抗議を押しのけながら、辺野古沖への基地建設に向けた埋め立て工事に必要な海底ボーリング調査のため、フロートを固定する数十トン規模ともされるコンクリートブロックを辺野古の海に次々投入している。これについては翁長雄志沖縄県知事が工事の中止を要請しているが、この要請に応えることなく工事がすすんでいる状況である。

 工事により、海中に投下されたコンクリートブロッグが波や海流の影響で移動、海中のサンゴショウ礁を破壊しているなど、既に環境破壊がすすんでいるという報道もある。また、沖縄防衛局がボーリング調査のため巨大な「仮設桟橋」の建設に向けた作業をすすめているが、大型ダンプで5,000台分という大量の石材を投入して造るもので、取り返しのつかない環境破壊につながる懸念が指摘されている。

 これら建設工事は、反対する市民らの海上監視・抗議活動に対し、海上保安庁が威圧や妨害を行っている中ですすめられており、また米軍が基地の規制線をまたいだという口実で市民を逮捕するなど、工事をすすめること自体が住民と行政・国との亀裂を深める状況となっている。

 沖縄県では、前知事による埋め立て承認を検証する第三者委員会の設置を発表し、許可に瑕疵があった場合には許可を取り消すなどの措置をとることを明らかにしており、新基地のあり方を含めて地方・住民との相互理解のもと、この問題の解決を図ることが求められている。

 よって政府においては、民意を尊重し、現在すすめられている工事を中断して沖縄県との話し合いの場を設け、沖縄県・住民の相互理解のもと、この普天間基地移設の問題を解決することを強く要望する。

 以上地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。



過激組織ISの蛮行を許さないために、国連安保理決議の立場で行動することを求める意見書(案)

 イスラム過激武装組織IS(Islamic State)が、湯川遥菜さんに続き、ジャーナリストの後藤健二さんを殺害する映像がインターネットを通じて配信をされた。犠牲になられた二人の冥福を心から祈ると同時に、かような行為はいかなる口実をもってしても許されない残虐非道な蛮行であり、深い憤りを本市議会としても表明するものである。

 この事件の後も、各国の人々に対するISの蛮行を示す映像が繰り返し公表されており、この組織の残虐性には世界的にも批判の声が強まっている。この時に日本国憲法を持つ我が国に求められているのは、国際社会が結束して、過激武装組織ISに対処し、2014年8月の国連安保理決議2170が求めているように、外国人戦闘員の参加を阻止し、資金源を断つなど、ISを孤立させ、追いつめ、武装解除と解体に追い込んでいくことである。 日本政府の外交も、こうした方向に資するものとなるよう、鋭意努力をつくすべきである。

 こうした悲劇を繰り返さないためにも、この間の日本政府の対応について、冷静な検証が必要である。政府は、2人の日本人が拘束されてから今日にいたるまで、政府がとってきた対応について、検証にとって必要不可欠な情報を、公表すべきであり、それにもとづく議論の上に対応策を明らかにすることで、二度とふたたび、このような悲しい事件に日本が巻き込まれないようにすることが必要である。

 ISの脅威を理由にした、集団的自衛権行使に関する法整備あるいは憲法改定の議論は、むしろ世界で活躍する日本人を危険にさらすことになることは明らかで、集団的自衛権行使の法整備や改憲の動きは、断じて認められないものである。

 よっていわき市議会は、地方自治法第99条の規定にもとづき意見書を提出するが、本意見書の実現に向けた政府・関係機関が要望事項について実現されることを心から期待する。

 以上地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。



農業者・国民的合意のもとで農業・農協改革を行うことを求める意見書(案)


 安倍晋三首相は、通常国会の施政方針演説で「戦後以来の大改革」を掲げ、演説冒頭で、農協と農業委員会、農業生産法人の三つの「改革」をあげた。なかでも農協「改革」について、①農協法にもとづく中央会制度の廃止、②現在の全国農業協同組合中央会(JA全中)の一般社団法人への移行、③農協への会計士監査の義務づけなどに言及した。

 政権のいう農協「改革」は全中が立案した自主的改革案の主要部分を取り入れず、農業者などにはまだまだ異論がある内容である。政府の案は、現場の農業者には異論がある内容であり、また、戦後農政のあり方も大本から崩される大改革である。

 農業者は、家族経営を基本にした多様な農家・生産組織などが農産物の再生産を続け、後継者を確保できる、展望のもてる農政を求めている。こうした観点から、農産物の生産・販売、信用・共済、医療など総合的な事業で地域の農業と住民の暮らしを支えてきた総合農協としての役割を生かすことが求められている。

 よって政府においては、農業・農協改革についてあらためて農協をはじめとした関係者など、広範な国民的な議論を行い、農業者をはじめ国民的合意のもとで農業・農協改革を行うよう求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



労働法制の規制緩和を断念することを求める意見書(案)

 政府は、厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会の分科会に報告書案を出し、「高度プロフェッショナル制度」として「1日8時間、週40時間」の労働時間規制が適用されない労働を導入し、フレックスタイム制や裁量労働制についても規制を大幅に緩和している。また派遣労働法を改正し「臨時的・一時的業務」に限って認められた派遣労働で期間制限を撤廃し、労働組合の意見を聞けば事実上無制限に、正社員を派遣社員に置き換えることができる仕組みに変えようとしています。

 「高度プロフェッショナル制度」は、一定の年収条件や高度な専門業務に従事する人を、時間ではなく成果で賃金を決めるとして労働時間法制の適用除外とするものであり、かつて「ホワイトカラー・エグゼンプション」という労働時間法制の適用除外制度の導入が検討され、労働者の反対で中止されたことがあるが、今回の制度もこれと同等の制度である。

 これには適用される所得として、省令で「1075万円」以上などと定めるとしていますが、いったん制度が導入されればこの基準は引き下げられる恐れがある。また対象業務も金融商品の開発業務やディーラー、アナリストなどとしているもののあいまいであり、政府と企業側の判断で対象者が広がりかねない危惧もある。

 労働時間規制の適用が除外されれば、労働時間が青天井に増え、それに対する残業代なの対価もなくなり、労働者の健康を害するものになりかねない。

 さらに労働者の低賃金に拍車をかけ、所得格差を生み出す一つの原因となっている派遣労働の固定化は、いっそうの格差拡大をもたらし、また労働者の使い捨てにつながることは明らかである。

 よって政府は、高度プロフェッショナル制度の導入など労働時間の上限を撤廃する労働法制の導入や労働者派遣法の改定を提出することを断念し、派遣労働の原則禁止やされている時間外労働の上限規制の導入などの労働法制の改革に取り組むことを求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


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